投稿者: 倭寇三勇士 @ ykh049.tky.threewebnet.or.jp on 97/10/04 23:38:20
In Reply to: サターンの金さん 第26回
(第一幕) こうしてサターン町奉行所をあげての大捜査が開始されたのである。 同心・橋本は早速、相方の目明かし平次を呼んで、その浪人者の人相書きを作らせた。 目明かし・平次(以下平)「ええとお、旦那あ、っちと暗かったもんではっきりとは覚えちゃいないんで…。いえ、なにせその元からして、人の顔を覚えるのが苦手な性分でやして。」 橋「大馬鹿者!この一大事に何をぬかしておる!四の五の言わずと思い出せ!」 平「へ、へい...!そう、確か、...背丈は六尺弱、年の頃なら四十半ばでございやしょうか。ん、...か、顔はってえと...。」 橋「特徴さえ言えばよい。」 平「うーん...、髪の毛は短かったでやす、それと...眉は太くて眼孔鋭く..髭ははやしてなかったようで、...鼻の穴が広かったくらいでやすかね。」 橋「よし!それでよかろう。人相書きを作らせるとするか。」 … 同心・小沢は、浪人者一覧に基づき、長屋の徹底探索を行った。 浪人者「な、なにしやがる、勝手に人の家へ上がり込みやがって!」 小沢「タダの傘張り職人か、邪魔したな。」 … おなじく同心・美濃部は、賭場の手入れを、 美濃部「ギャンブルは禁止しておるはずじゃ!引っ捕らえよ。」 賭場の元締「畜生!手入れかい。みんなずらかれい!」 美濃部「逃す出ないぞ。特に浪人者はな。」 こうして幾人かの浪人者が捕らえられたが、車一徹らしき人物はいなかった。 … また、しばらくして人相書きが町中の至る所で張り出された。 「なんだこいつ一体何やっただ!?」 「誰か字の読める奴、読んでけろ。」 「なんでも牢破りの極悪非道人らしいだ。」 「牢破り!あな恐ろしや。」 「でも居場所を通報した者には、賞金がなんと、ひ、ひ、百両!だってよ。」 ざわざわざわ... 橋「どうだ平次。あの野次馬の中に、それらしき者はおるか。」 平「ええっと、...い、いねえみたいで。」 橋「もっとしっかり見んか!」 平「へ、へい」 しかし、八方を尽くしても、なしのつぶてだった。いたずらに時は流れ、もう事件の日から1週間が過ぎようとしていた。遠山の容態、今だ回復せず!
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