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敏 @ ppp16090.win.or.jp on 97/12/26 13:31:34
In Reply to: 【師走大戦】一日遅れの聖夜〜前編(長文)
posted by 敏 @ ppp16090.win.or.jp on 97/12/26 13:25:52
「サンタクロース……?」
耳慣れない単語に、大神と紅蘭は少し椅子から身を乗り出して、おうむ返しにマリアに問いかける。
「そう……赤い服を着て、赤い帽子をかぶって、大きな袋を抱えた立派な髭のおじいさん。12月25日の夜に、子供にプレゼントを配るの。」
「ああ、それで、アイリスが……。」
大神と紅蘭は、とりあえずサロンへ場所を移して、マリアから話を聞いていた。
「今朝、プレゼントが無くて……ショックを受けたみたいなんです。」
「それで、どうしてフランスへ帰るなんて言い出したんだい?」
「サンタが来ないって言われて、どう答えて良いか分からなくて……つい適当に、『日本は遠いから来れないんじゃないの』ってはぐらかしてしまったんです。」
「ああ、そういうことか……。」
「すみません、軽率でした。」
「いや、それはしょうがないよ、マリア。」
「ふむふむ……要は、アイリスにプレゼントをあげればええんやないの?」
「それじゃ駄目なのよ。サンタクロースからのプレゼントじゃないと。」
「ふーん、そういうもんかいな。」
「……何とかアイリスに諦めてもらうしかないのかしらね……。一晩寝れば少しは落ち着くでしょうし、明日にでも何とか説得してみます。ご心配をおかけしました。」
______________
大神の部屋がノックされたのはそれからほんの10分後だった。
……コンコン……
「大神はん、います?」
(紅蘭だ……)
「紅蘭、どうしたんだい?」
「アイリスのことや。」
「何か、いい方法を思いついたのか?」
「せや。よう考えたら、何も難しいことはあれへん、大神はんがサンタに変装してプレゼント渡してくればええんや。」
「……変装、ったって……そんな道具、持ってない……」
「大神はん、ここをどこやと思ってるんや?」
「どこって……大帝国劇場……あっ!」
「そうや、ここは劇場なんやで。衣装も小道具も、いくらでもあるんやで!」
「その手があったか!よし、衣装部屋に行くぞ!」
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