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投稿者:
HyperRocketKid  @ pppA303.kyoto-inet.or.jp on 97/11/18 00:56:34
In Reply to: ハロウィン大戦・黒之巣会の野望1  
 posted by HRK  @ pppA303.kyoto-inet.or.jp on 97/11/18 00:48:52
一面に広がる肥沃な大地。そこに天海たち黒之巣会の面々はいた。 
 
「このようなところでいったい何をなさるのですか、天海様。」 
さすがに訝しげな表情を浮かべ刹那が尋ねると、天海はこう答えた。 
「ウム。ここ一面にカボチャを作る。」 
「は?カボチャ…、でございますか。」 
そう言った刹那の顔には明らかに困惑の色が浮かんでいた。 
「実は今回の西洋の儀式、ハロウィンというらしいが、これにはカボチャの面が必要なのじゃ。」 
「で、ではどこぞの百姓どもからカボチャを巻き上げれば…。」 
刹那の言葉はそこで遮られた。 
「そんなことをすれば華撃団の連中にかぎつけられるやもしれん。」 
「は、はい…。」 
刹那は不満ではあったが天海に悪い印象を与えたくないので従うことにした。 
「そして弥勒よ、おまえには別の任務を与えようと思うのじゃが…。」 
「はい!何なりとお申し付け下さい。」 
百姓仕事から開放されるからか、弥勒はうれしそうに答えた。 
「この文献には、未知の部分が多いのじゃ。 
そこでお前には亜米利加大使館に行って『ハロウィン』について調べてきてもらう。」 
「喜んでお受けします、天海様。」 
弥勒はそう答えるとそそくさとその場を立ち去った。 
「そして叉丹、主には『ハロウィン』の宣伝をしてもらう。帝都市民に『ハロウィン』を定着させるのじゃ。」 
叉丹にとってはこの計画自体に異論が大アリなのだが、いつものように「はい・・・。」とだけ答えた。 
「儂も共に出ようぞ。儂の実力も見てみたいであろう・・・、叉丹?」 
叉丹は再びあの痛みを覚えたが、またしてもいつものように「はい…。」とだけ答えた。 
 
 
 
それから1年がすぎた。 
そのあいだ黒之巣会たちは毎日毎日ハロウィンに向けてそれぞれの仕事に追われていた。 
刹那と羅刹そして脇侍たちは日々畑仕事に精を出し、 
天海と叉丹はハロウィンを世に広めるための広報活動を続けた。 
弥勒はというとハロウィンの事を知れば知るほどこの計画に疑問が出てきたのだったが、 
別に命じられてハロウィンに必要なお菓子を作っている内にそれが楽しくなり、じきにそんな疑問も忘れてしまった。 
 
 
そして遂にその日が訪れた。 
 
 
  
 
 
  
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