【如月大戦】仮想外伝三人娘探偵団その1



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投稿者: Rudolf @ 202.250.120.51 on 98/2/04 22:33:11

三人娘探偵団主題歌「三人娘探偵団」
作詞:Rudolf 作曲:共同で漫画書いた人 
そばかす、なんて、気 に しないわ
ウワサだって、だって、だって、お 気 に 入 り
整頓、お掃除 だ い 好き
うわさにお祭り だ い 好き
私たち、帝撃、三人娘。
光武に乗らないから〜と〜
ちょっぴり(扱いが)軽〜い〜
そんなと き、こうするの、ミカサに乗っ〜て〜
ミカサ〜、発進(準備)〜、完了しました〜
泣きベソなんてさよなら ね、三人むす〜め〜
 
 帝都にも春の装いの近付きつつある今日この頃、立春。それでも外の風はまだ冷える。その中を帝劇に入っていく人影一つ、
 「ふう、まだまだ寒いわね。早く暖かくならないものかしら。えっと、由里に頼まれた物は…」
 外出ついでに由里に買い物を頼まれていたかすみが帰ってきた。
 玄関を入ると一階ロビー、公演中ともなれば人の波でごったがえすここも、休演中の今は人影といえば、売店の始末をしている椿、ともう一人、何故か由里がいた。しかも言い争っている様子。
 「だから、どうしてなの、椿。」
 「そんなこと言われてもぉ、私は知らないんですから、由里さん。」
 「売店はあなたの持ち場でしょう、ならちゃんと管理してくれないと。」
 「だってだって、ううっ..」
 鋭い剣幕でくってかかる由里に圧倒されて、今にも涙腺がはち切れそうな椿を見てはおれず、かすみが割ってはいる。
 「やめなさい、由里。椿が何をしたのか知らないけど、可哀想じゃない。」
 「あ、ふえーん、かすみさぁん、」
 かすみが間に入ってくれて安心したのだろう、椿の涙腺は一定の線を越えた。
 「あ、かすみ。だけど聞いてよ、伝票整理していたらね、」
 由里の話はかなり主観が入り、間に真偽も定かではない噂も織り交ぜながら延々30分は続いたか。結局の所、彼女の言いたいことはこうであった。事務で先月の収支を出してみたところ、全然合わない、一応、何度も繰り返してはみたものの、徒労に終わった。その原因を追及したところ、売店の決済がずれていることに気付く。商品販売数に比べ、最終黒字が小さかったのである。
 「そうでしょ、だから椿に聞いていただけなのに。この子泣き虫で。」
 「えぐっ、だって、だって。」
 もう言葉にもならない。それほどまでに由里が恐かったのか、勢いがあったのか。
 「そんな目くじら立てなくてもいいんじゃない、由里?売店の決済が少々違っていたって大したことにはならないで、」
 かすみの発言を遮るようにして由里が彼女の前に開いた帳面。そこに記述された収支の誤差は少々多いやもしれない。
 「ううん、確かにちょっと見過ごせない金額かも。」
 「でしょ、だからこうして問いつめている訳よ。」
 「だけど由里、この金額は椿一人でどうなる、にしては少し多いわよ。大体、椿がくすねたりするはずないじゃない。」
 かすみの窘めは正鵠を得ていた。さればこそ、ここは由里もおとなしく矛を収めた。
 「それもそうね。ごめん、由里。」
 「ひっく、ありがとうございます、すみさん。」
 とりあえず二人の間のいざこざはここで終わった。ただし、彼女達の本題はここから始まった。
 
 「さて、それはそれでいいとしても、この使途不明金が何処に行ったかが問題ね。由里、本当に収支が合わないのね?」
 「ええ、それは間違いないのよ。」
 「かすみさん。この事、支配人やあやめさんに報告するんですか?」
 「そうね、言うべき事だと思うけど。何かあるの?椿。」
 「いえ、だとしたら内部犯だと思うんですけど、いたずらに花組の皆さんを疑いたくないんです。」
 「それもそうよ。ねえかすみ、これはあたし達で解決しましょうよ。」
 「まあ、疑いたくないのは山々だし、事が大きくなる前に私達だけで処理できれば言うことはないわね。」
 「でしょ。」
 「但し、私達の処理できる範囲を超えた場合は、支配人の耳に入れる、これでいいわね。」
 「わかったわ、じゃあ、私達三人娘探偵団の発足ね。」
 「わー由里さん、その名前私気に入りました、頑張ります。」
 「やれやれ、さっき泣いた烏がなんとやら。まあいいか、椿も元気になったことだし。」
 「それーっ。」