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投稿者:
編隊飛行 @ ppp037.vit.or.jp on 98/1/30 06:46:12
【正月大戦】〜新しき朝
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ボーン、ボーン・・・・・・・
いつものように、午前零時を告げる時計の鐘が、帝劇の廊下に響いていた。
「やれやれ。今日も無事に見回り終了だな。」
1月も終わりのある日の夜である。大神は日課の見回りを終え、部屋へ帰ろう
としていた。と、その時・・・。
パンパンパ〜〜ン!!パンパン!!
夜の帝劇に爆発音が響きわたる。また紅蘭の部屋からのようだ。大神は急いで
紅蘭の部屋へと駆けつけた。他の花組のメンバーは誰一人出てこない。紅蘭の爆
発騒ぎには慣れっこになっているせいだろう。
(やれやれ・・・。これが敵襲だったらどうするんだ?・・・)
降魔との戦いも終わり、平和に慣れ染まってしまった隊員達の姿勢に一抹の不
安を抱きながらも、大神もまたこの平和が長く続くことを祈っていた。考えてみ
れば、あの熾烈な戦いからわずか1年しか経っていないのだ。確かに軍人として
の教育を受けてきた彼でさえも、帝国華撃団として戦闘により人々を守ることよ
りも、帝国劇場で芝居やミュージカルにより人々に夢や希望を与えることに喜び
を感じ始めていたのだが・・・。
(さて、紅蘭は何の発明に失敗したのかな?・・・おや?入り口になにか張って
あるぞ?)
扉の両脇には紅い紙が貼ってあった。漢詩が書かれているようだ。
(なにかのおまじないかな?)
パンパンパ〜〜ン!!パンパン!!
またも爆発音が連続して鳴り響く。軽い乾いた音だ。いつもの実験に失敗した
ときの強烈な破壊音とはあきらかに違う。
大神は扉をノックした。
「紅蘭。大神だけど・・・。」
「あっ、大神はん。鍵は開いてるさかい勝手に入ってきて〜な。」
紅蘭の元気な声が応答する。
「じゃ、お邪魔します。」
扉を開け部屋に入る大神。火薬の臭いがつんと鼻を刺す。
「へへへ。爆竹の音、うるさかったかいな?ん?火薬の臭いもきついみたいやな。
ちょっと待ってな。今窓を開けるさかい。」
(あれ?なにか違うなぁ・・・・・)
大神は、この部屋の雰囲気になにか違和感を感じていた。今日の紅蘭の部屋は
なにか様子が違う。
(あっ!実験道具や機械が見えないんだ!)
いつもなら所狭しとおかれた機械や工具が、どこに片づけたものやら一つも見
えないのだ。それに、壁にはなにやら仏様や鶴を描いたような掛け軸が数本掛け
られ、机の上ではろうそくと香が燃えていた。
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