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投稿者:
た @ km1-ppp22.kw.netlaputa.or.jp on 97/12/02 03:22:00
大神は今日も事務局で伝票整理の手伝いであった。
本当ならば休演日の今日は大神としてはゆっくり過ごしたいのだが、明日までにこの伝票を整理しなければならないとなるとそう
も言っていられない。
何とか今日中に終わる目星もついたが、夜までかかりそうだった。
トントンとドアをノックする音が聞こえた。
隊長、と言って入ってきたのはカンナであった。
大神の姿を見てカンナは「なんだい、まだ終わらねえのかい」と
ぼやいた。
どうやら、空手の稽古に誘う気らしかった。大神は少し伝票整理
があることを感謝したくなったが、とりあえずそのことは頭から
追い払って、夜までに終わるよとだけ言っておいた。そういった
後に大神の腹がぐうと鳴った。
「隊長、もしかして昼飯まだなのか?」
そうカンナが問うた。
「もう少しで区切りがつくから、そのときに食べるよ。」
「なに言ってんだよ、隊長!もう二時すぎだぜ。そんなこと言っ
てたら食いっぱぐれるよ。よし、あたいと食いに行こう!」
返事も聞かずにカンナは大神を引っぱると食堂へ連れていった。
「カンナも昼飯はまだだったのか?」
大神が尋ねるとカンナは照れてにっこり笑った。
「いや、空手の稽古をしてたら腹がすいちまって…。」
二人は昼の残りの入ったなべを暖めなおして、食べた。
大神が遅い昼食、カンナがおやつと言うべき食事を食べ終わっ
た後、半ばつぶやくようにカンナは言った。
「そういや、紅蘭が夕飯のあとに訓練場に集まってくれって言っ
てたな…。」
「訓練場に?紅蘭が?なんだろう?」
「さあ。何でも重大な発表があるって言ってたけど。」
なにか神武にかんする不具合とか見つかったのだろうかと大神は
考えこんだ。
しかし訓練場に集まれとは変だ。それともやはりまたなにか発明
でもしたのだろうか…。
「とりあえず隊長に伝えといたから。じゃ、あたいは稽古に戻るよ。」
その言葉を残してカンナは訓練場に戻っていった。
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