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投稿者:
た @ km1-ppp22.kw.netlaputa.or.jp on 97/12/02 03:30:01
In Reply to: Re: 紅蘭の迷発明♪ (長いですわ。)
posted by た @ km1-ppp22.kw.netlaputa.or.jp on 97/12/02 03:28:01
「みんな、伏せろ!」
アイリスを抱えて大神は伏せた。
封魔球は2、3回ぐるぐる回ったあと、ポンと拳銃の空砲をなら
したような音を立てて回るのが止まった。それでも煙がすごく、
換気設備が整った地下とはいえ、しばらくはあたりが見えなかった。
煙が薄れて周囲が見えだした頃、皆は体を起こしはじめた。
「何とかみんな無事なようね。」
マリアがあたりを見回して皆の無事を確認した。爆発はごく小さ
なものであったので、周囲は無傷だった。
「さっきのすごかったねー!」
楽しそうにアイリスが言った。自分が危なかったというのにお気
楽なものである。
「ほんと。死ぬかと思ったぜ。」
言葉とは裏腹に死にそうとも思ってないような声でカンナが応
じる。
「びっくりした…。」やれやれという感じでさくらは服のほこり
を払って立ち上がった。
すみれは言葉もなく呆然としていたが、やおら立ち上がり「紅蘭
さん」と言って紅蘭を睨みつけた。しかしそれ以上言葉が続かな
かった。紅蘭の姿を見て笑い転げていた。
「紅蘭、逆さパンダ!」
アイリスも紅蘭を見て笑っている。
紅蘭はと言うと服の肩口で煤けた眼鏡を拭き、かけなおしていた。
顔は煤で黒いが、眼鏡をかけていたところは汚れていない。
「あんさんたちかて、うちとそう変わらへんで。」
むっとして紅蘭は言った。しかし煤けた皆の顔を見ていると笑え
てくる。
「わぁ、アイリスも真っ黒だぁ!」
「わ、私の着物がー!」
皆ひとしきり互いの姿を笑いあった。
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