Re: 紅蘭の迷発明♪ (長いですわ。)



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投稿者: た @ km1-ppp22.kw.netlaputa.or.jp on 97/12/02 03:28:01

In Reply to: Re: 紅蘭の迷発明♪ (長いです)

posted by た @ km1-ppp22.kw.netlaputa.or.jp on 97/12/02 03:25:26

「作るって約束、アイリスとしてくれたじゃない!」
「そうだぜ!」
「約束してくれましたわ。」
「覚えてないんですか?」
それぞれの約束は紅蘭にとって身に覚えのないものだったらしい。
「そら、いつや?」
それぞれが口々に紅蘭と「約束した日」を言った。
「もしかしてそのとき、うち、機械いじってなかったか?」
「そういえば…。」
約束していた隊員は顔を見合わせた。
「あかん、あかん。そんなとき話しかけても覚えておらん。作業
に没頭してるんやさかい、そんなときのうちはなに聞いたって生
返事やもん。」
「とするとそれは…。」 
「そや、うちの新発明や。」
皆はがっくりと肩を下ろし、すみれなどはすでに足を入り口に向
けて歩き出していた。アイリスは不機嫌そうな表情を浮かべて紅
蘭を見ている。あのマリアでさえも心なしか気落ちした表情をし
ていたので、蒸気釜かなにか紅蘭に頼んでいたのかもしれない、
と大神は思った。
「あ、すみれはん、どこ行くんや。うちが作ったもん、見ていか
んとあとあと敵さんと戦うとき損するで。」
すみれの足がぴたりと止まって、紅蘭のほうを向いた。
「なんですの?」
紅蘭に向いたその顔は「また怪しげなものを…。」と語っていた。
が、紅蘭はそんなことを気にしない。むしろすみれの言葉をいか
にも待っていましたというようだ。
「封魔球や!」
「封魔球?」
「このたまに霊力を込める。そして魔物や妖怪に投げつけるとそ
ん中にその魔物を封じ込めることが出来るんや。」
「じゃあ、単なる封印とかと同じじゃない。」とさくらが聞いた。
得意そうな紅蘭がそれに答えた。
「まあ、皆まで聞いてえな。この封魔球のすごいところは封魔球
に霊力を込めたものが封じ込めた魔物を一回限りやけど『使う』
ことが出来るんや。言うなれば簡単な式神ちゅうところや。」
「じゃあ小人さんとかこの中に入っちゃう訳?」
今までの不機嫌はどこへやら。アイリスが目をきらきらさせていた。
「せや。小人でも座敷童子でも一反木綿でも何でもござれや。た
だしそれを封じ込める霊力があってその妖怪を見つけることがで
きるならやけど。」
「すごぉい!アイリス、やりたーい!」
「まあまあ。霊力込めてもお目当てが見つけられなければしょう
がないで。」
二人の会話を聞きながら「小人さんで倒される降魔もなんだかな
あ…」と大神は思うのだった。
早くもアイリスは封魔球に霊力を込めようとしていた。手のひら
に封魔球を持ち、目をつぶり霊力を込めはじめた。やがて封魔球
から煙がモクモクと出てきた。
「あかん、オーバーヒートや!封魔球がアイリスの霊力に耐えき
れんかったんや!」
大神はとっさにアイリスの手から封魔球を奪い訓練室のすみに投
げた。