Re: 紅蘭の迷発明♪ (ながぁ〜い。)



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投稿者: た @ km1-ppp22.kw.netlaputa.or.jp on 97/12/02 03:35:59

In Reply to: Re: 紅蘭の迷発明♪ (長いぜ、まったく)

posted by た @ km1-ppp22.kw.netlaputa.or.jp on 97/12/02 03:33:38

「やっぱりあの爆発は普通のお人にはきつかったんやろか。」
「そりゃ普通の人は爆発なんて慣れてないから…。」
びくっとなって、紅蘭は後ろを振り向いた。どうやら大神が後ろ
にいることに気づかなかったらしい。
「わっ、びっくりした。大神はん、あんた、みんなと帰ったんや
ないんか?」
「いや、そうしようと思ったけど、帰りそびれちゃって…。」
ばつの悪そうな大神の顔を見て紅蘭はけらけら笑った。
「あはは、おもろいお人やなぁ、大神はんは。こういうときは
『君を見てるのが忍びなくて手伝いに残ったんだ』と言うとカッ
コつくもんやで。」
「そういうもんかなぁ?」
「せや。そういうもんや。」
じゃ、俺はこれで、と大神が帰ろうとすると紅蘭は大神の服を掴
んだ。
「せっかくやから掃除手伝ってきいや。」
「いいっ?今から?」
「今からや。明日は舞台の練習もあるし、神武の整備もある。だ
から明日やるとしたら夕方になってまうんや。……それとも大神
はん、なんぞ用事でもあったりしんどかったりするんか?」
ふと紅蘭は悲しそうな顔をした。
「そやったら、ええわ。しんどかったり用事があったりするのに
無理言うては大神はんに悪いし…。」
いつも明るい紅蘭がこんな寂しい顔をするとさすがに大神も罪悪
感が湧いてくる。
「あ、俺なら大丈夫だよ。今からと言うからちょっと驚いただけ
なんだ。」
大神は笑顔を作って言った。大神の言葉に紅蘭は今までの悲しそ
うな顔が嘘のように喜んだ。
「大神はんホンマに手伝ってくれるんか。ならここら辺モップで
拭いてや。あ、モップは更衣室にあるで。」
(なんかうまく乗せられたような…。ま、いいか。)
そう思いつつ大神はモップを更衣室に取りに行った。

「ありがとさん。もうええで大神はん。」
掃除が終わり紅蘭は後かたづけをしに行った。大神はこれから自
分の部屋に帰るところだった。しかしなにか忘れているような気
がする。
(なにか忘れている…。なんだっけ?)
「あああ〜っ!でんぴょー!」
ようやく気がついた。自分が伝票整理の途中だったことに。
急いで事務室に戻り、扉を開ける。机の上には途中までの伝票が
そのまま載っかっていた。残りの伝票は徹夜をしなければ終わり
そうもなかった。
(恨むぞ、紅蘭。)
などと考えても紅蘭に手伝ってもらえるわけもなく大神は泣く泣
く徹夜で伝票を整理する羽目になった。こうして大神の夜は更け
ていく…。
                          了