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投稿者:
燕アキラ(偽) @ 202.23.241.140 on 97/11/14 16:02:41
In Reply to: ハロウィン大戦〜前編〜
posted by 燕アキラ(偽) @ 202.23.241.140 on 97/11/14 15:19:20
ハロウィン大戦〜中編〜
「大神さん・・・。」
その声に振り返ってみると、大神の一歩後ろに立っていたのは、さくらだった。
「やあ、さくらくん。どうしたんだい。」
「ええ、ちょっと、酔ってしまったので、酔いを覚ましに外の風邪に当りに・・・。」
「そうか・・・。」
「隣、よろしいですか?」
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
さくらは、大神のすぐ横の手すりにもたれかかりながら、大神の顔を見つめて言った。
「大神さん・・・。また、あやめさんのことを考えていたんでしょ?」
「・・・・・・・・・・。」
「分かるんです。私達にとって、あやめさんは特別な人でしたから・・・。」
「ああ、素晴しい人だった。佳人薄命、か、悲しいものだね・・・。」
「やっぱり大神さんは・・・、あやめさんのことが・・・、好き、だったんですか・・・?」
「そうかもしれない・・・。でも分からない・・・。」
大神の言葉に、さくらの表情は少し悲しげに曇った。しかし、次の瞬間に、何かを決意したように引
き締まった。
「大神さん・・・。私じゃあの人の・・・、あやめさんの代わりになれませんか?」
「さくらくん・・・。」
大神は、驚いたようにさくらの顔を見つめた。だが、真摯な瞳に耐えきれないように、目をそらし、
「俺は、俺はあやめさんのことを・・・、」
それを遮るように、
「いいえ・・・。ダメですね。あやめさんには私はなれない・・・。」
「さくらくん?」
さくらは大神の顔を覗きこみながら、微笑んでいった。
「私は、あやめさんよりもっと強く、優しくなって見せます。その時は、私のことも好きになってく
れますか?」
優しい月明りに照らされて微笑む少女を、大神は心底美しいと思った。
「君は・・・、強いな・・・。」
感嘆の言葉が漏れた。しかし、さくらは、かぶりを振って
「私一人は、そんなに強くありません。私、大神さんのこと信じているから、強くいられるんです。
あの戦いの中で、隊長として、私達を支えてくれた大神さん、モギリとして、裏方として、公演を支
えてくれている大神さん、そして、あのとき、旅に出ようとした私を止めにきてくれた大神さんのこ
とを・・・。」
「ありがとう・・・。」
優しい沈黙が二人の時を止める。
「そ、そろそろ、中に入りましょうか・・・。冷えてきましたね。」
沈黙を破り、照れ隠しのようにさくらが言い、そのまま逃げるように中に入ろうとしたさくらの二の
腕を大神がつかんで、抱き寄せた。
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というわけで、中編です。う〜、書いてて、背中がかゆくなるやら、大神が憎たらしいやら・・・。(^^;)
次で完結です。
乞うご期待!って、誰も期待なんかしてないでしょう。(^^;)
こんなヘッポコ小説じゃなぁ・・・。
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