ハロウィン大戦・外伝 第2話〜[long]



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投稿者: 編隊飛行 @ ppp039.vit.or.jp on 97/11/11 01:22:43

 本当は、前回の続きレスの予定だったけど、ぐちゃぐちゃなので
ここにアップします。はっきりいって、くだらないので読まない方が
良いかもしれません。
 ではでは。

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 ハロウィン大戦・外伝 第2話〜泣くなオオカミ。主役は君だ!!
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 スポットライト。それは誰をも主役へと変える魔法の光。
 その光の下に立つとき、人は神へと変わる・・・・。



(とほほほっ。どうすりゃいいんだ・・・)
 舞台へ出てきたものの、武装した子やぎたちに対して、何等戦う武器もない
大神は途方に暮れていた。

(リハーサルではこんな事はなかったのに・・・)
 乗りさえ良ければ何でもOK。まるで「サクラ大戦BBS」のような帝國歌
劇団・花組地方公演であった。

(ままよ。俺も元海軍士官だ。それに花組隊長だし。隊員に負けたとあっては、
これからの部隊の指揮にも支障が出るかもしれない。よし。当たって砕けろだ!!。)

  〜とんとん〜
「お母さんですよ。今帰りましたよ」

 扉をノックすると、大神は声を張り上げた。

「あっ!お母さんだ!」
「待って、お母さんにしては声が低い。オオカミかもしれない。みんな油断し
ないで。」

 母の帰宅を喜ぶアイリスを制して、いつも沈着冷静なマリアが対応する。

「お母さんはそんな低い声じゃないわ。オオカミね。」

   〜ズキュ〜〜ン〜

 いきなりの銃声。扉板越しにマリアの銃が火を噴く。

「うわぁ!」

 逃げるオオカミ。

「やれやれ、いきなり撃ってくるなんて・・・。声か。そういうときには・・」
どこからともなく吸引スプレーを取り出し思い切り吸い込む。

やっぱり、ヘリウムガスだな

オオカミの声は甲高い金属音的な声に変わっていた。

「次は、手の色が違うとか言われるんだったっけ。何度も撃たれたくないから
さっさと粉挽き小屋で小麦粉を付けて・・・っと」

(ん?ひもがあるぞ。なになに、思い切り引っ張ること?ぐいっ!!)

 とたんに粉挽き小屋の天井が割れ、上から落ちてきた大量の小麦粉がオオカミ
を押しつぶした。

「こ、このくらいで参ってたまるか・・・」

立ち上がったオオカミの頭の上からは、お約束のたらいが・・・。

  〜が〜〜〜んっ!!〜

(くそう。紅蘭め。いろんな仕掛けを考えやがって)
よろめくオオカミに更にバケツの水が・・・。

「ぐわぁ〜〜ぁ!!」

 小麦粉の上に転げるオオカミ。おかげで全身は化粧をしたように真っ白
である。ふと上を見上げると、三人娘がにこやかに手を振っている。由里
は写真を撮っているようだ。まさか、これはブロマイドとしては売れないだろう。

こ、これで完璧だわ

気丈にも演技を続ける大神。

  〜とんとん〜

「お母さんですよ。今帰りましたよ」

 扉をノックすると、オオカミは甲高い声を張り上げた。

「あっ!お母さんだ!」
「待って、確かにお母さんの声よ。でもオオカミかもしれない。みんな油断
しないで。」

 母の帰宅を喜ぶアイリスを制して、さっきと同じようにマリアが応対する。

「お母さん、手を見せて。それから足もね」

 扉の隙間から手足を見せる。小麦粉で染まって真っ白だ。

「オオカミと違って真っ白。今度こそお母さんだわ。」
「わーいわーい!お母さん!!」

 勢いよく扉を開け飛び出すアイリス。

「がおぉ〜〜!!」

本性を現したオオカミはアイリスを抱きかかえると、一直線にマリアの方へ
駆け寄る。

「うっ。アイリスが邪魔で・・・撃てない」

アイリスを横へ放り投げると、電光石火、中段突きがマリアのみぞうちへと吸
い込まれた。海軍士官学校時代、誰にも負けたことのない大神の空手技である。

「た、隊長・・・。まさか、本気で突いてくるとは・・・」

 ばたりと床に倒れるマリア。

(すまない。マリア。だが負けるわけにはいかないんだ。次は・・・)

「次はあたいの番だ。掛かってきな!オオカミ!!」

 頭にはやぎの耳と角を付け、白い空手着に身を包んだカンナが、隙なく構え
ていた。

(カンナには空手では勝てないかも・・・ならばこれだ!!)

 どこからともなく紐状の物体を取り出すと、カンナに向かって放り投げた。

「ヘビだぁ!!カンナ!!!」
「へっ?ヘビぃぃぃぃ!!ぎゃぁ!!ヘビっ。ヘビっ!!」
「あっ、今噛まれたぞ!!」
「ぎゃぁ!!死ぬぅぅ!!」

 カンナの弱点、ヘビを利用したオオカミの頭脳プレーの勝利であった。
しかし、実体はただの斑のひもだったのは言うまでもない。

「ちょっと待ちぃ!やっとうちの出番や!!」

(紅蘭か。あの兵器はちょっとやばいぞ)

「行け!!うちの[赤ずきんちゃん]。オオカミなんてイチコロや!!」

紅蘭ご自慢の対オオカミ用地対地ミサイルが火を噴き、オオカミ目がけて
一直線に飛来する。

(だめだ・・・。避けきれない・・・。・・・・ん???)

 ミサイルはオオカミと紅蘭のちょうど中間地点で止まっていた。ミサイルの
後ろに付いたコードのようなものが、推進力を押さえているようだ。

「あかん。有線ミサイルの欠点や。コードがからまってもうた・・・。」

 ミサイルはワイヤレスではなかったようだ。やはり、蒸気演算機のコンパク
ト化は、ミサイルに内蔵するほどには成功してないらしい。

「だぁ!!こっちに跳ね返ってきた!!」

 ワイヤーコードは伸縮素材でできていたらしく、出力の弱まったミサイルが
反動で発射地点へと戻っていく。そのそばには紅蘭が・・・・。

  〜どっかぁ〜〜ん!!〜

「ま、またもや爆発オチ・・・うちの扱われ方って・・・」(ばたん)

 やはり紅蘭の倒され方は、いつもお決まりの失敗・爆発であった。

泣くな紅蘭。次回はもう少しいい役回りを考えるから(おいおい、まだ書くのか?)


「さぁ、真打ち登場ですわ。まいりますわよ」
「手加減しませんよ。オオカミさん」

 すみれとさくらが、長刀と刀を構えてオオカミへと向かう。

「神崎風塵流・胡蝶の舞ぃぃ・・・・あれぇぇぇっ!!」

 〜どてっ!!〜

「ご、ごめんなさい。すみれさん。着物の裾を踏んじゃって・・・」

 ものの見事に顔から着地したすみれに向かい、さくらが謝る。

「ご、ごめんではすみませんは。ここはせっかくの私の見せ場。だから田舎
娘とは一緒に演技したくなかったのですわ。」

「なんですって!こちらが謝っているのにその態度。ホントに成金娘はお高
く止まっててげんなりします。」

「なりきん??この神崎すみれ様に向かって成金ですって?天下国家のため
に財を尽くす神崎家を侮辱するとは・・・。勝負ですわ。さくらさん。」

「望むところ!!破邪剣征・桜花放神!!」

「神崎風塵流・胡蝶の舞!!」

 〜どぉ〜〜〜ん!!〜

衝撃音が響く。

「やりますわね。さくらさん。」
「すみれさんこそ。腕は互角・・・」

 〜ばたん〜

同時に倒れる二人。どうやら相打ちだったようだ。

(俺、何もしてないような・・・。まあいいか。無傷でみんなを倒せたことだ
し。さっさと食べなくちゃ)

 オオカミが少女たちを食べはじめる。といっても、地下へ繋がるシューター
へ滑り台を使って落とすだけだ。オオカミの腹の中には風船が仕込まれており、
一人落とす度に圧搾空気が送り込まれて膨れ、食べたように見せかけている。
5人を食べ終わったオオカミは、

「う〜む。全員食べちゃったのかな?もういないかな?」

と、ベッドの下やテーブルの上を探す。柱時計の中に隠れるアイリスに気が付
かないのはお約束である。

「さってと、みんな食べちゃったし、喉も渇いたから井戸の方へ行って一眠り
しよう。」

 大きく背伸びをすると、オオカミは井戸のそばへ行き横たわるといびきをか
いて眠りに落ちた。

 〜ひゅ〜ぅぅううううう。どさっ〜

「うわぁ!!」
「急いで着替えて!!大神さん」

 三人娘がお母さんやぎの衣装を,パンツ一枚で立ちつくす大神へと着せてい
く。どうやら、アイリスのテレポートで衣装部屋へと転送されたらしい。黙々
と巻きスカートとエプロン、上着を着せるかすみ。化粧を施す由里。椿だけが
真っ赤な顔をして二人を手伝っている。

「さぁ、準備完了。見せ場の一人二役早変わりですからね。」
「でも、俺、オオカミの時はぬいぐるみ着てたんだから、顔がわからないんじゃ・・・」

「あっ・・・」

 しばしの沈黙・・・。

「まぁ、細かいことは気にせずに。さっさと舞台へ行ってください。」