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投稿者:
勇者ああああ @ 210.156.162.137 on 97/8/08 08:44:43
In Reply to: Re: 学園モノ 無間学園 2
posted by 勇者ああああ @ 210.156.162.137 on 97/8/08 08:43:36
「そんな! ウソでしょッ?」
風が止んだ。
「ほんとだよぉ、だって、あたし聞いちゃっ
たもん」
一つ、二つ。そして無数の雨垂れが、校舎
を打ち始めた。
「ウソよ、絶対にウソよッ!!」
今週の掃除当番であり、冬哉の幼なじみで、
家が隣どうしでもある犬養葵が、モップを取
り落として叫んだ。
「だって、あの子はまだ入学したばかりでし
ょう!」
葵は、冬哉の一年先輩にあたる。
「誰ッ、誰が冬哉を指名したの?」
葵は、そのことを報せにきた、親友で早耳
の高村香那子に、食ってかかった。
「そんなの分かんないよぉ」
香那子は、あまりの親友の剣幕に、泣きだ
しそうな顔でそう答えるのが精一杯だった。
「絶対に許せないッ!」
葵はモップを掃除用具入れにたたき込むと、
猛然とした勢いで教室を飛び出して、生徒会
室へ駆け出した。駆けながら、気合いを込め
て、深い紫色のハチマキを、巻いた。
「絶対にそんなことさせないんだからッ!」
凄まじい勢いに、すれ違った生徒たちが、
慌てて道を開けている。
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