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再掲載  @ 202.248.232.141 on 97/6/05 15:21:08
 
土星 第15回「運命綺想曲」後編
 (木星帝国帝都イオディアス)
 
 「ヒヒヒ、なぁギャバンの旦那。俺様もリングEに行かせてくれよぉ。」
 「駄目だ。貴様の魂胆はわかっているぞ。劉が破壊したリングEの残骸から使え
 そうなパーツを奪うのだろう?正に貴様は貴様のサイヴァー名が示す通り、
 ”キャリオンクロウ(死肉をついばむカラス)”だな。貴様の仕事は他にある。
 暗黒剣士シン。」
 
 暗黒剣士シン・・・ギャバン元帥が最近雇ったSクラスマーシナリー
 肩までかかった灰色の髪と残虐さしか表していないその瞳が彼の特徴である。
 
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 彼の名の由来は右手の中指にはめたルビーの指輪から生じる精神波の剣、”暗黒
 剣”から来ている。
 
 「貴様の仕事は月の少女メイファ・ノーブルを連れてくる事だ。」
 「はいはい。だが何でたかがガキ一人にこの俺様が?」
 「事は隠密に運ばねばならん。これは公には出来ぬ事、それだけだ。」
 「ヒヒヒ、何か秘密があるんだな?・・・おっと、ご用心ご用心。俺様はただ
 仕事だけをやりゃあいいんだな?」
 「そういう事だ。くれぐれも事は静かに運べ。以上だ。」
 
 モニターの画面が消えた。
 
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 真っ黒な画面を見据えてシンはニタリと笑った。
 
 「ヒッヒッヒ・・・気をつけなよギャバンの旦那。劉の野郎はあんたの座を狙っ
 ているぜ。せいぜい寝首をかかれんよう気をつけるこったな。さあてしばらく
 は木星帝国を利用して思う存分殺しまくるか。旗色が悪くなったら土星軍に売
 り込めばいいしな。ヒーーーーーッヒッヒッヒィィィィ!!!」
 
 シンはそう言うと彼の愛機サイヴァーキャリオンクロウの元へと踵を返した。
 そしてダークソルにも一人笑う者が・・・
 
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 「ふっふっふ、シンよ。貴様は我が方にとっても危険な存在だ。利用するだけ
 利用したら始末をしてやろう。劉の奴も反骨の相が出ているな。まぁいい、
 反乱の芽が出たらその時潰してやる。ブラックドラゴンではこのダークソル
 には勝てん。貴様がいつ反乱するか、それは”鈴”が教えてくれる。さてリ
 ングEが破壊されれば後の土星は外堀を埋められた城に同じ。四天王を集結
 させて一気に型をつけるか?いやそれではあの火星の戦闘帝プーイーが何を
 仕出かすかわからんからな。仕方ないまずは待機中のあいつを呼ぶか・・・」
 
 ギャバンの目が鈍く光った。
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
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