第15回「運命綺想曲」後編



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投稿者: 再掲載 @ 202.248.232.141 on 97/6/05 15:26:18

In Reply to: 土星 第15回「運命綺想曲」後編

posted by 再掲載 @ 202.248.232.141 on 97/6/05 15:21:08

ギャバンは髭をしごいてつぶやいた。

「それにしても五十嵐の奴め、恐ろしい物を造ろうとしたわ。無却か・・・我が
 ダークソルの主砲、触れた存在全てを消却する次元砲”滅光”を遙かに越える
 次元砲を考えるとは・・・その気になればこの太陽系も消滅できるだろう。だ
 がリングEは既に我らの手に落ちた。土星のアーンファーンテリブルも捕獲し
 たも同然。さらに月のアーンファーンテリブル、メイファ・ノーブルも直に我
 らが物になる。そう劉の妹のメイファがな。最もメイファ本人は記憶にないだ
 ろうが・・・」

「これで我らには木星・土星・月の3体のアーンファーンテリブルが揃う事にな
 る。そしてそれらの次元超越エネルギー、メックピックパワーを被験体メイフ
 ァに注入すればとてつもないパワーを持った完全体が完成する。さらにそのメ
 イファよりメックピックパワーを抽出すれば・・・一時は制作を断念した最終
 兵器メック外式内面爆弾”閃輪”も完成させる事が・・・その時こそ!我ら木
 星帝国と我らが皇帝陛下の勝利の時!!フッフフフ・・・フハハハハ!!!」

次元を削り取る力を持つメック外式内面爆弾”閃輪”。果たして本当に完成され
てしまうのか?

そこには少年がいた。

「大人は嫌いかい?」
「大嫌いよ!」

灰色の髪をして・・・

「なぜ嫌いなの?」
「自分勝手で我が儘だから。」

上半身は裸で・・・

「なぜ嫌いなの?」
「嘘つきで身勝手だから。」

ジーパンをはき・・・

「それは誰でも同じ事だよ。」
「えっ!?」

裸足の・・・

「でもそんな大人が君を狙っているよ。気をつけて。」
「あなたは・・・?」

5,6才の少年がいた。

「僕の名はレイ・シオン。必ず君を守ってあげるよ。」

朝・・・
メイファは気だるく起きた。そしてしばらくその場でじっとしていた。
さっきの夢を思い出しながら・・・

レイ・シオン。夢にしては生々しすぎる。自分勝手で嘘つきな大人が私を狙って
いると彼は言う。そして私を必ず守ると言う。子供が私を・・・?
メイファは思わずニヤリとした。それも結構面白いかも。

さあ今日は一段と退屈な日だ。なにせあのオドの授業があるのだから・・・

やっと拷問が終わった。メイファはこの時程生きてて良かったと思う時はなか
った。 しかし帰り際に突然雨が降ってきた。

ザザザァーーーッ!!!

・・・かなり強い雨脚だ。メイファは傘を持ってこなかったので濡れに濡れた。
服の表面に体のラインがくっきり浮かぶ。
余りに雨がひどいのでメイファは近くの店の軒先に雨宿りをする事にした。
その時・・・

「もし・・・」

後ろを振り向くと顔の上半分がローブで隠れた女がいた。
メイファを中に入れて休ませてあげるという。メイファはその行為に甘える事に
した。

部屋の中は不気味だった。妖しげな本、妖しげな薬、妖しげな生き物がいた。

「しかしすごい雨でしたね。ですがそのおかげであなたはここに来る事が出来ま
 した。運命に感謝する事にしましょう。自己紹介がおくれましたね。私の名は
 カサンドラ、不吉の予言者と呼ばれてます・・・」

カサンドラは外界を見る事が許された鼻と口の内、口を緩めて少し微笑んだ。

それからしばらくとりとめのない話をした。
そして話題は大人に関する話になった。

「大人って最低、自分勝手で嘘つきだし、何より馬鹿だもん。あっ、これはカサ
 ンドラさんの事じぃないよ。」
「いえいいんですよ。私も同じですから。でもそういうのはみんな同じなのでは
 ありませんか?」
「えっ!?」

あれぇ?あれあれぇ?

「ねぇメイファさん。大人だけじゃないの、人間はみんなずるくて汚くて嘘つき
 で身勝手なの。そしてそれが形成しているのが人間社会よ。だからこの世は矛
 盾と悪徳が栄えるの。」

「そこから逃げる事を非難はしないわ。それに立ち向かって行くか、戦って挫折
 するか、戦わずに逃げるかはそれぞれ一つの手段であり、優劣は付けられない
 と思うの。」

そしてしばらくその事に関して話題が続いていた。そして・・・

「そうそうメイファさん、ちょっと面白い話をして差し上げますよ。メックピック
 パワーというのをご存じですか?宇宙を生みだせし者、全てに終局をもたらす者、
 ディメンシアの子供たるアーンファーンテリブルのみが許された次元を超越する
 程のエネルギーの事です。まぁお伽話でも話していると思って聞いてください。」