【帝撃昔話〜番外編】前編(超長文)



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投稿者: 編隊飛行 @ sisetu-45.jimut.kyutech.ac.jp on 98/3/09 17:52:55

 良い子のみんな。鳥たちは何故あんなにきれいな色をした羽を持っているのか
知ってますか?えっ!?知らないの?それはね、こんなことがあったからなんで
すよ。




  【帝撃昔話〜番外編】 カラスの羽根はなぜ黒い?




 昔々、空を飛ぶ鳥たちには色が着いていませんでした。みんな真っ黒な姿。ど
の鳥も同じ黒。天にいる神様達も、鳥の種類がわからないので名前を呼ぶのさえ
困っていました。

「困ったわねぇ・・・。鳩に平和の印を届けさせようと思ったのだけど・・・。
 どの鳥が鳩だかわからないわ。みんな同じ色をしてるし・・・。」

「あやめさん。鳥たちに色を着けたらどうでしょう?地上も色とりどりのとり達
 であふれればきれいでしょうから。」

「大神君。『いろとりどりのとり』って下手なシャレを言ってない?それとも早
 口言葉なの?」

「ぎくっ!!いえ・・・(ぐっ、読まれている・・・)」

「そうね。でも、どうやって色を着けようかしら。」

「『PaintShop Pro』なんてどうですか?ユーザー数も多いしペイント系の定番ソフ
 トですよ。」

「外国製ね?でも、シェアウェアで9,000円は高いと思わない?」

「そうですね・・・。では『Hyper Paint』はどうですか?国産で機能も豊富。し
 かもフリーソフトといたれりつくせりですよ。」

「でも、GIFをサポートしてないのよね。アニメ系グラフィックなんてGIF
 の方がサイズが小さくできるのにね。」

「う〜ん。それなら『D-pixd』はどうですか?256色のグラフィックなら簡単
 に描けますよ。しかもフリーソフトでMMX対応。動作も速いですし。」

「そうね・・・。でも、全部の鳥に着色するには、ソフトウェアでは時間が掛か
 ってしまうわね。なにか、もっといい方法はないかしら?」

「はい。簡単に塗る方法・・・・。そうだ!虹の女神の力を借りましょう!!」

「虹の女神?アイリスの力を使うの?」

「はい。虹の中を鳥たちに自由に飛ばせるんです。そうすれば、鳥たちは虹の色
 に自動的に染まっていくはずです。」

「それはいい考えだわ。早速アイリスに頼んでちょうだい!」

 こうして、大神はアイリスに虹を出してくれるように頼みに行きました。

「アイリス。そういうわけだから虹を作ってくれるかな?」

「どうしようかなぁ・・・。お兄ちゃんがアイリスとデーとしてくれるなら作っ
 てあげてもいいよ♪」

 アイリスは、大神のことが大好きでした。

「いぃ・・・。わ、わかった。でも、他の女神達には内緒だよ。」

「わぁ〜い!わぁ〜い!!デートだ!デートだ!!」

 後日、このデートの模様はアイリス本人の口から噂好きの「ゆりの花」の女神
へ漏れ天界中に広まることとなり、嫉妬の固まりの「さくら」の女神の逆鱗に触
れることとなるのですが、このお話には関係がないのでここでは記しません。

 さて、めでたく着色用の虹を確保することに成功した大神は、鳥たちに色を着
けることに関しての通達を出しました。



                          天界広第1002号
                          ずっと昔の日付(^^;;

   全種類の鳥殿

                   天界の支配者代理
                      大神 一郎[印]

         鳥たちの種別を明確にするための
         羽の着色の実施について(通知)


 標記のことについて、鳥全種類のものは、下記のとおり羽に着色することとな
りましたので通知します。

                記

1.実施の目的
   羽に着色することにより鳥たちの種類を明確にし、神がその種類の呼称を
  用いることを用意にするため。

2.実施日時及び方法
   ○月○日、夜明けから日没までの間に谷に掛かる虹の中を飛ぶこと。その
  時にふれた虹の色により、それぞれの羽に着色される。



   作者のひとりごと〜公文書の書式で書くのは疲れるな(笑)。〜

 決められた日の朝、鳥たちは虹の中へ次々と入っていきました。

「やはり、わたくしには全ての色が必要ですわ。お〜ほほほほほ」
 孔雀は七色に染まった羽根を誇らしげに広げていました。

「ふん。金持ちの成金趣味じゃないですか。わたしは『さくら色』の羽根。これ
 だけで十分です!!」
 フラミンゴは、その艶やかな『さくら色』の羽根を自慢げに見せました。

「ウチの羽根、ちょっと派手やったかなぁ・・・。なんや、照れるなぁ。」
 オウムも色鮮やかな羽根に染め上げていました。

「アタイはちょっとシックに決めてみたんだけど。へへへっ。」
 タンチョウは白と黒の羽でしたが、頭の赤いワンポイントがひときわ輝いてい
ました。