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かとおおお @ 202.228.225.73 on 98/1/16 18:59:32
帝都・日本橋。久しぶりに黒之巣会地下本部を訪ねた葵又丹は、わが目を疑った。そこにはでかでかと『帝劇ファン倶楽部・日本橋支部』の看板が掛かっていたからだ。
「ふぇ〜っふぇっふぇっふぇ。アイリスちゃわわ〜ん!」
「ああ、マリア……君のためなら死ねる」
「うがーっ! すみれさまあああっ!」
「ああ、カンナァ……アタイをどうにかしておくれよォ……」
「な、なんだ。このありさまは?」
しばし茫然とする又丹……。
「おお、又丹か。よいところに来た。どうじゃ、おぬしも会員にならぬか? 今キャンペーン期間中での、特製テレカがもらえるぞい。ふぇ〜っふぇっふぇっふぇ!」
「く、くだらん。失礼する!」
「なんということだ……。これで黒之巣会も終わりか?
しかし、私はあきらめぬ。一人でもわが野望成し遂げてみせるぞ!」
ぶつぶつ言いながら歩く又丹。
と、建物の中から急に飛び出して来た女の子とぶつかった!
「あっ!?」
「きゃっ!」
「す、すみません。あの、おけがはないですか?」
「ああ……」
「じゃ、あたし急いでますので」
ぺこりとおじぎをして向こうへ駆けて行こうとする少女。その後ろ姿を見て又丹は何か感じるものがあった。
「待てい!」
「えっ、何ですか?」
振り向いた少女はいぶかしげな瞳を又丹に向けた。
「貴様の体から発散されるその霊力……俺にはわかる。貴様、ただものではないな。
名を名乗れ!」
「……帝国歌劇団・花組、真宮寺さくら。あなたは?」
「何、帝劇だと!? ……くくく、これはいい。わが新しい門出の血祭りにあげてやろう。 抜けい、娘!」
「抜けいって……あたし何も持ってませんけど」
「………………」
「あっ、ちょっときびしい突っ込みだったかしら」
「ゆ、許さん! 死ねい!!」
又丹が抜き打ちにさくらの脳天めがけて斬りつける!
と、後の先をとってさくらの必殺技が唸る!
「破邪剣征・桜花放神ーーーっ!!」
「ぐあああああっ!!」
その場にくずれ落ちる又丹……。
「フン、まったく口ほどにもないんだから!
でも、結局この人なんだったのかしら?」
と言いおくと、用事を思い出したのかさくらは足早に去って行った。
(続く)
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