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投稿者:
神崎 操 @ pppa81d.pppp.ap.so-net.or.jp on 98/1/05 07:06:39
In Reply to: 正月大戦〜謎の霊子甲冑の秘めしもの〜その1(長文)
posted by 神崎 操 @ pppa81d.pppp.ap.so-net.or.jp on 98/1/05 07:05:29
そこは、軍の敷地に近い場所だった。
辺りには、民家は無く静まり返っていた。
只、静かに雪が舞い落ちてくるばかりだった。
操は、遂に酔いが回ってしまい寝てしまったすみれを担いだまま、まだ走り
続けていた。
すみれを奪取した事で操は少々興奮状態に有った。
しかし、彼の持つ高性能な各種レーダーは正確に作動していた。
前方2時の方向に霊子機関反応…距離550…総数1…エネルギー波形照合…
「にゅ?今せっかくすみれ様とラブラブ計画練っていたのに邪魔なシステム
でしゅね!」
照合結果…帝國陸軍所属突撃・強襲無人霊子甲冑「じぇねらるHRK型」
もしくは「じぇねらるMOON型」もしくはその発展改造型の可能性大…
データバンクにアクセス…「じぇねらるシリーズ」の機体との戦闘に突入した
場合の現状での勝率……………2.67%誤差0.74%以内……………
主機関のオーバードライブモードへの移行後の勝率計算………
その場合の勝率……………7.45%誤差0.71%以内……………
「うるさいでしゅね〜どうせ僕を攻撃する訳ないでしゅよ!」
戦闘回避を選択……戦闘領域より離脱開始……
「にゅ?こ、こら!勝手に身体を動かすんじゃないでしゅよ!」
霊子機関反応急速接近中……現時点での移動速度では戦闘領域離脱不能…
「そんな事言ってもすみれ様を担いでるからしょうがないでしゅよ!」
戦闘領域離脱最優先の為、捕獲物を破棄し総重量軽減により移動速度向上を
計ります……
「な、なんですと!すみれ様を捨てるなんてとんでもないでしゅ!!!
それに、僕はすみれ様を守るのが最優先命令のはず………」
「馬鹿な!命令の優先順位が書き換えられてる!?機体維持が最優先だと!!」
「あう!こら!すみれ様を捨てるなんて僕がさせないでしゅ!!!!!!」
「こんなシステムなんか僕が書き換えてやるでしゅ〜☆彡」
…………………………
…………………………
基本命令データ書き換え終了……
システム再起動……
「ふう、上手くいったでしゅ!」
操がそう言った瞬間………
突如として至近距離で爆発が起こった!
その爆発の凄まじいまでの衝撃に操は吹き飛ばされていた。
「きゃあああぁぁぁぁ〜〜〜!!!」
操に担がれていたすみれも爆風で吹き飛ばされ地面に叩き付けられた。
「う、何が起こったでしゅか……まさか僕を攻撃してくるなんて信じられない
でしゅ……同じ陸軍所属の友軍機なのに……」
地面に叩き付けられていた身体を起こすと操はそう言った。
そして……
「おのれ!僕を怒らせるとはいい度胸でしゅ!!こてんぱんにやっつけて
やるでしゅ〜〜!!」
そう言うや否や操は目前に迫っていた自らの数倍は大きい霊子甲冑に向かって
行った。
操は素早い動作で後ろに回り込んで攻撃を加えた……はずだった。
しかし、次の瞬間に操は敵霊子甲冑の攻撃を受け吹き飛ばされていた。
「くっそ〜!なかなかやるでしゅな!」
そう言って操はすぐに体勢を整えて再び攻撃に移った。
しかし、今度も敵霊子甲冑の攻撃の方が早かった。
操は再び糸の切れた操り人形が落ちる様に無様に地面に叩き付けられていた。
「くっ!まだまだでしゅ〜!!」
操は、そう言い放ち何度も攻撃を仕掛けた。
しかし、その度に敵の攻撃を受けて地面に叩き付けられる操の姿が有った。
10分近い時間2体の攻防…否、一方的な攻撃が続いた。
そして、二十数度目の攻撃を受けて叩き付けられた操にはもはや立ち上がる
力も残ってはいなかった。既に、ネオ・シルシウス鋼の装甲はズタズタに
引き裂かれ身体の至る所に走った亀裂からは、蒸気が吹き出していた。
人間が刀で切られその傷口から血が噴き出す様に………
「うっ…ぐ……僕は負けたんでしゅ……か…?」
「ごめんでしゅ………すみれ様…こんな所に連れて来なければすみれ様を
巻き込まずにすんだのに………」
操はそう小さく呟きすみれの方を見た。
すみれは気を失ってぐったりとし、顔は血の気が失せて蒼白だった。
そして、すみれの身体に積もる雪が少しずつ紅くなって行くのを見た瞬間
操は理解した。このままではすみれの生命の灯火が消えてしまう事を……
「す、すみれ様!……早く医者に見せ…ないと……その為にはあの霊子甲冑
を倒さないと……」
「待ってるでしゅ…今あいつをやっつけてすぐに医者に連れて行くでしゅ…」
右側胸部装甲板剥離……視覚センサーに障害発生…視力レベル低下……
メインシステムに一部異常……戦闘データROMにアクセス出来ません……
「くっ……か、神様……僕に少しだけでいい…ですから力をくだ…さい……
あいつを倒す力を……………」
バックアップエネルギー残量……0.4%……
「2度も…すみれ…を…助け…られない…なんて…嫌……………だ……」
機関損傷…出力0.73%に低下……熱感知センサー損傷……
装備機器使用判断プログラムに異常…蒸気圧力低下中…機関維持不能…
「うるさい!ぼ、僕はすみれ様を絶対助けるんだ!……すみれ様を………
す、すみ…れ…さ…様…を………す…み……………」
機関停……止……
そして、操は動かなくなった………
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