第二幕



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投稿者: ditto @ ykha083.tky.3web.ne.jp on 98/2/07 23:51:04

In Reply to: 第一幕

posted by ditto @ ykha083.tky.3web.ne.jp on 98/2/07 23:48:55

(第二幕)

−翌日、越後上杉藩・江戸屋敷−
「姫様!落ち着かれませ。さっきから、浮ついてばかりでございますぞ。パープルムーンにも勝ったし、もう思い残すことなどはないではありませぬか。」
「しっくりこない、しっくりこないしっくりこないぃぃぃ!
何かが足らんのじゃ!」
「その何かとは?」
「それがわかればこんなに浮ついては居らぬ!」
「はあ、確かに...。」
「爺...。」
「(ビクっ!(+_+)) な、何か...。」
「ちと出かけてくる。」
「出かけるって、何処へ?お待ち下されひ、姫ぇー。」

綾は、またお忍び屋敷を抜け出し、サターン町までやってきた。しかし、何やら町の様子が騒がしい。見ると先だっての美遊倶瑠社主人・慈英武寸(以下)が瓦版を配りながら、なにやら騒がしく叫んでいた。

「号外、号外!さあさあ、てーへんだ!てーへんだぁ!血祭りの奴らが、二年ぶりに現れやがったい!しかもいきなりの犯行声明!なんとあの、パープルムーンを血祭りに上げるという血文字を残していきやがったい!ささ、事の次第はこの瓦版に書いてあるよ。この記事で買わなきゃ、何時買うってんだい!?」
「えええ!?ちょ、ちょっとごめんよ。」
綾は人混みをかき分け何とか、慈英武寸の前まで来た。
「おいちゃん!あたいにも一部おくれよ。」
「おう!こないだの別嬪のねえちゃんじゃねえか。一部、十文だけど、特別にただであげるよ。」
「ありがと。何々...」



しばらくその噂を聞かなかった血祭組が、何の前ぶれもなく昨晩突如として現れたようだ。しかも活動再開の儀式としてパープルムーンを抹殺すると宣言!押し入った下野屋の土蔵壁に血文字で宣戦布告を行った。その内容は、『七日後の真夜九ツ、"さんばし"に必ず一人で来い。もしこれを守らねば、町人の無差別殺人を行う。』と。まさしく極悪非道の血祭組!許すな我等がパープルムーン!正義の拳で悪を討て!



「(ま、最後の行はともかくとして...)こうしちゃいられない!」



−サターン町奉行所−

サターン町奉行・遠山金三郎(以下)「血祭組めえ!いい気になりおって!このような無法がまかり通って良いはずはない。わが奉行所の威信を賭けても、血祭組の示威活動は阻止せねばならん。予告日よりも先に血祭組をあげい!」
与力・脇坂(以下)「御奉行...そのことで、少し相談があるのですが...。」
「何じゃと!?パープルムーンと血祭りを闘わせる!?脇坂、正気か?」
「正気も何も大真面目でございます。パープルムーンを捕まえるまたとない機会ではありませぬか?」
「ぱ、パープルムーンを捕まえる!?(¨;) し、しかし別に彼女は悪さをしているわけではないし...。」
「充分世間を騒がせておりまする。」
「それはそうだが...。」
「?いつになく弱気でございますな。別に捕まえて死罪にしようというわけではございません。」
「ん?」
「何処の馬の骨ともわからん美少女拳士に、町の治安の一部が任されているような状況では拙いでございましょう。それにパープルムーンとやらが必ずしも我等の味方とは限りませぬ。」
「いや、それは心配ない!」
「何故そんなことが言えるのでございますかな???」
「あ、いやいや、(^o^;)ゝ その...なんだ..つまりスーパーヒロインというのは、我等の期待を裏切るようなことはしないものだ。」
「御奉行...なにか隠しておられるのではないでしょうな?」
「(うぐっ!) ば、ば、馬鹿なことを申すでない!これ以上侮辱すれば、貴様とて容赦はせぬぞ!」
「こ、こ、これは申しわけございませぬ。つい口が過ぎてございます。」
「以後気を付けよ!(ふう...(^_`;)」
「考えてみれば、御奉行とパープルムーンが裏で通じ合っているなどとは、あり得ぬこと。我ながら馬鹿げたことを想像したものでございます。どうか、お許しを。」
「(ぐ......うーむ、こいつ知ってて言ってるんじゃないだろな?(ー_ー)」
「何か...?」
「いやなんでもない!」
「それで先程の件でございますが、パープルムーンを捕まえて、奴が何者かまず白状させ、奉行所の任務を手伝わせるのはどうかと?」
「つまり、パープルムーンを我等の手先として利用するというのだな?」
「仰せの通りにございます。」
「...、...その件はおぬしに任せる(俺はどうにも気が進まんから)。」
「はは!ご期待に添えてございます。」
「(あまりリキ入れんで良いぞ(^_^;))」

−大広間に同心達を集めて−
「皆、揃っておるな。さてと、もはや説明の必要は無かろう。血祭組の犯行声明の件、これはわが奉行所の威信に関わること。何があっても血祭組の示威活動は阻止せねばならん。虱潰しに探し出すのだ!」
同心一同「おお!」意気上がる同心達。
「具体的な計画は、脇坂の方から頼む。」
「はは。では私の方から説明致しまする。今回の事件、血祭組を一網打尽に捕まえるのは我等の使命である。しかし今回の目的それだけではない!」
一同「?」ザワザワ...
「血祭組とパープルムーンが闘っているのを機会に双方とも捕まえてしまうのだ。」
一同「えええ!?(@_@)
同心・橋本(以下)「脇坂様!それは納得がいきませぬ。双方が闘っている隙に漁夫の利を得ようなどと言う行為。武士道にあるまじき!」
同心・森「左様!血祭組ならともかく、パープルムーンまで捕まえてしまおうというのは、許されざること!」
「い、いや、こ、これはだな...(~_~;)。」
同心・加藤「御奉行!この策略、御奉行の発案でございますかな?だとしたら見損ないましたぞ!」
「そのぉ...なんだ。捕まえるというのは、ちと語弊があってな...。まあ、平たく言えば、パープルムーンとお友達になろうじゃないかと言うことだ。(^_^;」
一同「?ん...。」
「つ、つまりだ、いつもなら呼びかけてもすぐに立ち去ってしまうのでな。ゆっくりお話しをする機会もないのでな。千載一遇の好機ではないかと...。」
一同「...。」
「美少女と言われてる仮面の下の素顔も見たいしな...。ってことでわかったあ?(^_^;」
「そういうことなら早く言って欲しいでござる(^^。」
森「パープルムーンと友達だと言えば、子供達にも鼻が高い!」
加藤「さすがは御奉行!我等の心を捉えておられる。」
「う、うむ...。(はあ〜、こんな奴らで先行き大丈夫かいな)(^_^;) 」

「で、では気を取り直して、作戦会議と参る。まず、血祭組が指定した場所だが、ただの"さんばし"では何処かわからぬ。この場所を突き止めることが先決である。」
加藤「"さんばし"と書いてあったが、それは桟橋と読みとるのが自然でござろう。普通、桟橋と言えば竹芝桟橋でござる。しかし今回の件、我が奉行所が動き出すのは必然のこと。それくらい血祭組としても、わかっているはず。竹芝桟橋では、当たり前すぎると思われまする。裏をかいて、別の場所ではないでござろうか?」
森「ふむ、北条桟橋はさすがに遠すぎるし...。」
橋「とすれば、芝浦桟橋か日の出桟橋ではないかと?」
「うむ...、ならば手勢を二つに分け芝浦と日の出に置くことにしよう。」
一同「はっ!」
「それからだな...今回の作戦。他言は無用。目明かし連中にも漏らすでない。パープルムーンを陥れて捕獲したなどという噂が立てば、世間の非難を買うであろう。あくまで、闘いで苦戦している彼女を、治療のために保護したというシナリオにせねばならん。」
一同「......はっ!」