投稿者: ditto @ tpro2.tky.3web.ne.jp on 98/1/04 01:41:50
In Reply to: 新春特別番組 「サターン黄門」
(第一幕) ♪人生ぃー苦労ありゃ楽あるさぁー♪うっかり八兵衛(以八)「御隠居ぉー、上機嫌でやすねぇ。のっけから鼻歌なんざぁ。」 サターン黄門(以下黄)「ハチベエ!べつに好きでやっているのではありません!何の番組か判ってもらうためにやっているだけです!」 脇坂格之進(以下格)「それにしても御隠居!なぜ長崎くんだりまで来て、こんなことをやるのですか?」 黄「まあよいではありませんか。約束ですから。はっはっはっ!」 格「なんですかそれは?」 橋本助三郎(以下助)「いいよなあハチは。あっちでもこっちでも名前が変わんねえんだから。」 八「助さん!言っときますけどねえ、あっしの名は八兵衛!あっちは八五郎です!同じにされたらたまんねえや。」 助「はは。それはきっと向こうでも迷惑がってるよ。お前のお陰で俺はいつも"うっかり"と呼ばれてんだってな!」 八「そりゃないですよ助さん...(j_j)」 黄「はっはっはっ!」 格「ご隠居。もうすぐ長崎の町に着きます。」 黄「うむ。お前たちは長崎の名物はなんだと思いますか?」 助「たとえば有田焼などですか?」 陽炎お銀(以下銀)「時計や手鏡といった南蛮渡来品ではないでしょうか?」 皆さんもよくご存じの通り、長崎出島では南蛮貿易が行われていた。しかし、江戸時代には長崎だけが海外へ門戸を開いていたのではない。松前藩はアイヌ自由民を通じてロシアと交易していたし、対馬の宗氏は李氏朝鮮から朝鮮人参を輸入していたし、薩摩藩は琉球 を通じて清国と貿易をしていたのだ。 八「もう皆さん何言ってるんですかい。長崎と言えば、カステラ!カラスミ!ムツゴロウ!ですよ。ね!?ご隠居!(^^」 黄「これこれハチベエ!どうしていつもお前は食べることしか考えていないのですか!」 ハチ「いいじゃありやせんか。人間腹が減っては戦が出来ねえってねえ。」 黄「全くお前達は何もわかっていないようですね。」 格「というとご隠居。長崎の名物は一体何なんですか?」 黄「長崎の名物と言えば、シューティングに決まっています!」 格・助・八・銀「?」 黄「ところで、弥七とお新はどうしました?」 助「はっ!すこし遅れて長崎に入るとか言っておりました。旅籠で、この笠を目印として置いておけば、彼らのことです、すぐに見つけるでしょう。」 「何をするのです!」 「へへへ、おめーらに商売されると、ちと都合が悪くなるんでね。」 「やめて下さい!ああ、荷が...」 黄「お銀!」 銀「はい!」 助「ご隠居ぉー。こういう時は、助さん!格さん! というものでは?」 黄「いやなに、ついいつもの癖で頼りになる方を選んでしまったのじゃ(^_^)」 格「信用無いのね...儂らって...T^T」 銀「やあ!」 o(`_')○ ★(☆_★) パンチ! o(`_') o /★(・_°) キック! 「ち、畜生。邪魔が入りやがった。おい、ずらかれ!」 銀「待ちなさい!」 黄「お銀!深追いはやめなさい。」 銀「はい。」 黄「お怪我はありませんかな?」 若者「はっ、お陰様で大丈夫でございます。危ないところを助けていただきましてありがとうございます。よろしければお名前を。」 黄「私は越後の縮緬問屋の隠居で光衛門、こちらは番頭の格、助、それに旅の者でございます。」 若者「それはそれは遠いところから。私は手駆野屋の息子で清次といいます。せめてもの御礼でございます、よろしければ旅の宿などを提供したいと存じますが。」 黄「そうですか。それでは甘えることにいたしましょうか。」 越後縮というのは麻織物である。麻織物は古来より日本の庶民層の代表的衣類であるが、越後縮は別格で主に支配層にしか手に入らなかった。織り出し量が少ないので、江戸の呉服問屋は競って買い付けに走らねばならなかった。越後の縮緬問屋と言えば、かなりのステータスを持った商人だったのである。 |