第三幕



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投稿者: ditto @ tpro1.tky.3web.ne.jp on 97/12/14 00:25:29

In Reply to: 第二幕

posted by ditto @ tpro1.tky.3web.ne.jp on 97/12/14 00:24:01

(第三幕)
−サターン町中にて−

大工の棟梁・源さん(以下)「こらこらこら、こらぁ!そこの若けえの、ぼやぼやしてんじゃねえ!死にてえのか!?」
ゲーマーの金治(以下ゲ)「おう源さん、久しぶりだな。相変わらず威勢がいいねえ。」
「あたぼうよ!でも、金さんよう。いってえどこほっつき歩いてたんでい?随分と暫くぶりじゃネエか。」
「ああ、ちと上方までな。」
「おお、そうかい。で、面白えもんは、あったのかい。」
「ああ、これを見とくんな。うりゃ。」
パチパチパチパチッ、うりゃパチパチパチパチッ、うりゃパチパチパチパチッ
「き、金さんよぅ...(・・;。そりゃいってえ何の真似でい???」
「これが上方名物パチパチパンチや。」
目明かし平次(以下)「まったくどうかしてるぜ。さっきから人に会う度それしかやってねえじゃねえか。次のお白洲で、それやったらどうだ?」
平次の子分ハチ「へ?」
「お白洲で...か...。」



「やいやいやいやいやい!そろいもそろって、往生際の悪い連中め!」
悪人「?」
「悪事千里を走るという。てめえらの悪事、この!うりゃ、パチパチパチパチッ、うりゃ、パチパチパチパチッ。」
悪人「!」
「このパチパチパンチが全てお見通しよ!観念しやがれってんだい!」
悪人「どっっしゃえー
あ、あの時の!」



「って、ま、まさか?...ね(-_-;。」
「ま、...が、元気そうで何よりだな。」
「仕事の邪魔して悪いねえ。また、今度ゆっくり酒でも飲もうや。」
「ああ、いつでも誘っとくんな。」

「えーと、最後はお律の所だな。そこいけば一通りの挨拶は終わるな。」
「お律かあ...、先日行ったら社員旅行とか言って留守だったけどな。」
「社員旅行!?」
「よくは知らねえが、いねえことが多いんだよ。ソフト屋を続けるかどうかで悩んでいたみてえだったけどな。」
「親分よう。そう言うときはちゃんと相談に乗ってやりなよ。」
「のったさ。早まるんじゃねえって。...まあ、あんまし納得した様子じゃなかったけど。」
「そうかい。...とにかく、行ってみるか。」
―――――――――――――――――――――――――――――
お律の店。やはり閉まっていて人気(ヒトケ)がない。表戸には前と同じ、『社員旅行のため年内休業します。』の張り紙が、木枯らしに吹かれて半分破れ気味ではあるが、相変わらず張ったままだ。

「...いねえようだな。」
「まったく心配かけやがる。何処いっちまったんだよ。」
「本職(作者注:ねずみのことです)に戻ったのかな?」
「なんでい、それは?」
「い、いや 飲食店でもやろうかな..て、言ってたのを思い出したのよ(^_^;」
「ほんとかよ!」
ハチ「しかし、それじゃ寂しいでやすね。いくら、最近あんまし売れ行きが良くねえとはいえ、あっしらの憩いの場でもあったでやすからね。」
「おめえがもっとソフトを買ってやりゃ良かったんだよ。」
ハチ「親分こそ、ほとんど買ってなかったじゃありやせんか。」
「なんだとう!おれはな、買いたいソフトがあればだな...。」
「まあ、二人ともよさねえかい。」
ハチ「それにしても、お朗先生も最近あっちこっち出かけているようで、顔見ないでやすね。ホント、男ばっかしで色気ないでやすよ。」
「それは俺の台詞でい!」
「まあ、使えねえ奴ばかりが残ったって事かな。」
「へ!?」