(ちと長文)CESAと中古業界のこと



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投稿者: みなさんこう考えられては? @ a1.annie.co.jp on 98/1/16 05:37:52

これは下のツリーでの”未定くん”さんへのコメントでしたが、新規発言にしました。
(なので引用部分は未定くんさんの発言からのものです)

細かいことは後でとして、大まかなところから。

>  問題が深刻になる前に潰してしまうべきでしたね。
>  癌も小さいうちなら治しやすい。

このツリーの最初の発言に指示されていたページにも書かれていましたが、
任天堂でのROMの時代に比較してゲームの制作費が高騰しているからではないで
しょうか?
かのグランデアで7億円だし、今のCD−ROMだと少し大がかり(デモが豊富とか)
になるとPCエンジンでの天外2並に億の制作費がかかるのも少なく無いみたいです
けど。
例えるならば、雑誌や単行本の単価か¥5800だったら出版業界も同様に黙って
いないだろうと言うところでしょうか。
CDやビデオレンタルについてはご存じのように著作権者に支払うシステムが
できていますね。

>  実は卸しの時点で昔のファミコンのソフト抱き合わせ販売みたいな
>  ことがあるようです。

小売店が消費者に対して抱き合わせ販売をするのは問題ないですが、
卸業者が小売店に対して抱き合わせ出荷をすることは違法です。
その事例を具体的にご存じでしたら、是非とも公正取引委員会の方へ
提訴(連絡)することをおすすめします。


>  新品屋さんは卸しの段階で正当な利益を払っていると思いますが。
>
>  なんか新品屋さんの不良在庫は自分の会社のものではないけど中古
>  で出回っているものは自分の会社のもの。って感じですね。
>
>  消費者は弱者ですから。
>
>  ちなみに僕の場合、CD及びCDのケースは痛みやすいのでなるべく
>  新品を買いますが。ゲームは劣化すると思ってます。

さて、まとめていきますが。

まず、CESAが問題にしているのは中古業者であって消費者ではないと思います。

次に、”ゲームは劣化する”の点ですが、あるゲームを所持している人にとっては
「クリアした」とか「飽きた」とか「つまらない」とかでそのゲームの価値を消費
したと言えると思いますが、
その「(消費したから)中古に売ったゲーム」を「中古で新たに購入する人」に
とってのゲームの本質的な価値(おまけやパッケージ以外)は新品であると言える
のではないでしょうか?

それで、その中古新品(こう表現させていただきますが)に対して
価値をつけて利潤を得ているのは、
ゲームを制作したメーカーではなく、中古業者さんだけですね。
これは、買い取りが\100で売値\500のクソゲーでも、
買い取りが\8000で売値\15000のプレミアムのでも、
全て中古業者だけの利益です。
それでCESAの各メーカーは、自分たちの制作した物に対して発生する
この一方的な利益に対して正当な要求をしているのではないでしょうか?

かのページにも「許可を受けない中古の撲滅」と書かれているだけで、
中古業界そのものの撲滅ではないと思います。

>  在庫が余りまくって赤字だったというのは被害にならないですか。

あとこの点ですが。
中古業者にとってはこういう背景も確かにあるでしょう。
しかしながら逆に見れば、
「中古を扱う方が、売れるか売れないか解らない新作を扱うより楽でリスク無し」
「(中古で自由に利益を創り出せるから)新作はすぐ安くして客寄せ用に」
として中古を扱っているのが現状ではないでしょうか?
なので中古業者にとっては「新作による利益が得られない」ではなくて
「新作による利益を得るつもりが最初から無い」が本音ではないでしょうか?

これらのことは、一般的に値崩れしにくくなったPSソフトでの中古扱いが減り、
逆にとてもクソゲーとは思えない新作でも発売日に売れなくなったSSソフトの
現状を見たらそう思われます。

また最終的な販売数で10万〜50万いっても、SSソフトだと値崩れ後なので
とても正常な流通としての意味を成してないと思われます。
私はグランディアを発売日に¥7000で買いましたが、翌週や年末には、
もう¥5000くらい(酷いところでは¥3000くらいだとか)で売られていた
のにはちょいと悲しくなりましたが。
これは別にSEGAやゲームアーツの企業努力によって安売りされているわけでは
決してないし、これでは初回出荷数以降のリピートはまず望めないので
それだけ頑張ったメーカーが可哀想だと私は思います。
PSのパラッパラッパーやバイオハザードがたたき売りで100万売れたわけでは
ないし発売日に100万出荷していた訳でも無いのですから。
ついでで恐縮ですが、「グランディアの¥7800は高い」と感じてしまうのは、
値崩れ待ちで安く買えることに慣れてしまったユーザーの我が儘なような気もします。

確かにゲームメーカーも利益を追求しなければならない企業ですが、
素晴らしいゲームを作る者にとって、そしてそのゲームを長く楽しみたい者にとって、
本当の「ゲームのことはどうでもいいから、利益を追求しているだけ」は誰なのかを、
この機会によく考えてみた方がいいのではないでしょうか?

そして、中古流通がメーカーに対して利益還元されるようになった場合に、
中古利用者に対してどれだけの負担を強いるかは、中古業者の企業努力であって
ゲームを提供するメーカー側ではないと私は思います。