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投稿者:
紫苑レイ @ 202.248.232.141 on 97/6/30 11:47:31
In Reply to: <センチメンタル・ナイト>出張版(先行ロードショー)
posted by 紫苑レイ @ 202.248.232.141 on 97/6/30 11:44:48
センチメンタルグラフティ
<七瀬 優> ショート・ストーリー
#「星夜−偶然が運命に変わる日」
●七月某日、夜
ふう……。
なんだかもう夜も暑くなっちゃったなぁ。
あっ!?気持ちいい風………。
もう夏なんだなぁ。
アイツが転校していって、もう3年も経つのか……。
今、何をしているのだろうか?
私と同じ夜空を見上げ、この星たちを観ているのかな。
それとも……。
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●同日、昼−県立朱之宮高校プールにて
ザッブーン…、涼しげな水しぶきが舞う。
「ねぇ、優?今日帰りにカラオケに行かない?
本通りのゲーセン横のトコ。 プリクラ撮るついでにサ?
ね?いいでしょ?」
優子のいつもの勧誘。
別に悪くはないんだけど、こう毎日誘われてもねぇ(汗)
よくもまぁ、飽きないものだわと、つくづく思う。
とりあえず、断ろう。今日は新月だから星観にはもってこい
だし。優子に振り回されるのもゴメンだし…
「ご、ごめん。私ちょっと用事があるから、今回はパス!」
「ええっ!? …ったくぅ、最近つき合いがが悪いゾ!
ははぁ〜ん?さては<オトコ>だな?ほら、白状なさいっ」
な、なに言い出すのよ!突然!
何でカラオケ断ると<オトコ>になるワケ?
「なになに?七瀬にオトコが出来たってぇ?」
もう、潤子まで!
あなた級長なんだから、他人の戯言に惑わされないでよ。
ホントにもう!
「まぁ、今までいなかった方が不思議よね」
「そうそう、あんた結構かわいいし、スタイルも抜群だし…
クラスの男子にも結構人気あんのよね……ほら 」
そう優子が指差した先を見てみると、男の子達がこっちを
見ていた。
「なぁ哲哉ぁ、七瀬って<ないすばでぃ>だと思わないか?」
「そうだよなぁ……肌も色白でサ、彼女…着痩せするタイプ
なのかなぁ?しまった肢体してるし…」
「そうそう。七瀬の胸!七瀬の太股!」
「七瀬の ふ・く・ら・は・ぎ・!」
「こらぁ〜っ!男子ぃ!何スケベな目でこっち見てるのよ!」
はぁ……、揃いも揃ってバカばっか。トホホ………。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
●同日、夕方
私は、学校が終わるとすぐに広島城を抜け、中央公園へと向かった。
中央公園の突き当たりには、美術館と図書館、そして児童公園がある。
児童公園内には、プラネタリウムがあった。
今、そこでは、あの流星群が観られるという……。
私は、児童公園内にある、プラネタリウムへと急いだ。
私は、プラネタリウム入り口で一度大きく深呼吸をして、ゆっくりと入っ
て行った。
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●同日、夜
私は、夕食を済ませると中央公園へと向かった。
う〜ん、気持ちいいな。
一人きりの夜の公園。
夜空に輝くあの星たちを独り占めにしているカンジ…。
夏の風に吹かれ、あの何百、何千年も前の星の光に照らされていると、
私という存在が<星夜>に溶けていく気がする。
会いたいなぁ…、もう一度アイツに。
会って、この綺麗な星夜を見せてあげたい…。
今、どこで何をしているのかな。
あっ!
流れ星!
「…………………………。」
思わず、もう一度アイツに会いたいってお願いしちゃったけど…。
くすっ。 不純なお願いかな?
さてと………。
そろそろ帰らないと、母さんが心配しちゃうわね。
年頃の娘が、夜遅くまで一人で出歩くものじゃありませんっ!ってね。
あれ?めずらしい……。男の子が一人で夜空を見上げてる。
ふふっ。まるであの時のアイツみたい。
ちょっと、声をかけてみようかしら?
「ねぇ?キミもあの流れ星にお願いをしていたの?」
男の子が振り向く……。それは刹那で永遠の刻。
「!?」
声は出なかった。
懐かしい再会…。
涙が溢れ出てくる。
少年はゆっくりと立ち上がって問いかける。
「君は……。もしかして七瀬…くん?」
それは星夜が叶えた天使の願い。
偶然が運命に変わった瞬間(とき)………。
END
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