第六幕 ちょっと一息か?



[ このメッセージへの返事 ] [ 返事を書く ] [ home.html ]



投稿者: 遠山金三郎 @ tproxy.tky.threewebnet.or.jp on 97/6/30 02:28:40

In Reply to: 第五幕 まだ始まったばかりだよ

posted by 遠山金三郎 @ tproxy.tky.threewebnet.or.jp on 97/6/30 02:24:28

(第六幕)

「律ちゃん、お菊ちゃんいるかい?」
律「お菊ちゃんなら今買い出しに行ってるわよ。ち、ちょっと金さん、あー行っちゃった。つれないの。」
平「お律、金さんは来たかい。」
律「さっきお菊ちゃんは?ってきくから行き先教えてあげたけど、すぐに出て行っちゃったわよ。あっと、親分、待ちなさいよう。...。全く男ってやつはどいつもこいつも見る目がないわねえ。」
子供「おばちゃん、このソフトでちょっと遊んでいい?」
律「(ムッ、おばちゃんだとこの餓鬼ぃ、あたしはまだ32だぁ。)」
―――――――――――――――――――――――――――――

稲瀬川にて
「桜の入れ墨たぁ、おそれいったね。」
「あら、いやどすう。殿方に見られるなんて。」
「こいつはすまねえ。ついうっかり。」
「いいんですのよ。私気になんかしてませんもの。」
「それよりお菊ちゃんは、京の都の生まれかい?」
「えっ!?...そうですけど。」
「やっぱりそうかい、ところどころに京訛があるからね。」
「京でのことはあまり思い出したくないんです。」
そういって、お菊は立ち上がる。

「ねぇ、金さん。昨日は助けてくれてありがと。」
「へ!?っと、な、何のことだい。」
「とぼけてもダメよ。屋根から転げ落ちるあたしを助けてくれたの金さんでしょ。」
「う、あ、ああ。」
「いいのよ、隠さなくても。任天小僧の正体は実はあたし。もうわかっていたんでしょ。」
「お、おめえ。」
「逃げも隠れもしないわ。でも、まだやらなければならないことがあるの。それまではお願い、待って欲しい。」
と言い残して、お菊はその場を去る。

平「金さん。悪かった、この通りだ。」
「ハチから聞いたぜ。早とちりもいいかげんにせえ。」
平「だからすまねって。それより、お前知ってんだろ。」
「何を?」
平「とぼけやがって。」

そしてついに任天小僧から次の予告状が届く


弐拾九日 夜四つ半、銀座の陸流途屋に参上

「お菊ちゃん、早まっちゃいけねえぜ。」

(第七幕へ続く)