最終幕 ご愛読ありがとうございました(^o^)



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投稿者: 遠山金三郎 @ tproxy.tky.threewebnet.or.jp on 97/6/30 02:38:26

In Reply to: 第七幕 大荒れだね今回

posted by 遠山金三郎 @ tproxy.tky.threewebnet.or.jp on 97/6/30 02:32:59

(最終幕)

「サターン町奉行遠山左右衛門之丞様ご出座ぁ」
サターン町奉行・遠山金三郎(以下)「さてこれよりサターン転覆の企てという大罪につき吟味いたす、皆のもの面をあげい。」
砂原「御奉行、我ら浪人の身であるとて武士の端くれ。このような場で罪人扱いされる覚えはござらぬ。」
「当奉行所の調べによれば、砂原、江上、中町、平森、桝川のその方ら5名、イリーガルなる隠れ組織を作り、サターンを転覆せんと企てたこと明らかなるぞ。」
中町「何を馬鹿なことを。証拠でもありなさるのか!」
「証人をここへ。」 お菊が通される。
平森「だれですか、この娘は?」
「その方、名を何と申す。」
「お菊と申します。...私の父は、かつてこの人たちの仲間でありました。父は悪事と知りながらも忠義ゆえに、この人たちに加担しておりました。しかしある事件が元で、命を落としてしまいました。己の業の報いだったのでしょう。しかし、今はの際に父は私にこう言い残したです、{お菊、俺のしでかした過ちを止めてくれ。}と。」
「その過ちとは、サターン転覆計画のことであるな。」
江上「でたらめだ。作り話しにも程がある!」
桝山「何処の馬の骨ともわからねえ小娘連れてきて、証人たあ大したお裁きだぜ。」
「では、これを」といって右肩の桜吹雪の入れ墨を見せる。
悪人5人「うおぉ!?(まさかあの時の!)」
「その方、ただの町娘ではないな。名は?」
「はい、世間を騒がす任天小僧とは、私めでございます。」
「如何に義賊といえど、その罪極刑に値するぞ。それでも自分が任天小僧と言い張るのだな。」
「はい。元より覚悟は出来ております。」
砂原「こいつはお笑いだ。本物かどうかもわからねえ賊の証言でもって、お白州をなさる。本当に遠山様はてえした奉行だぜ。」
他の悪人4人「そうだそうだ、茶番もいい加減にしろ。」
「てめえら、天網恢々疎にして漏らさずって言葉知ってんのか!たとえお天道様の目の届かぬ夜だとしてもぉ、てめえらの悪事、しっかり見張ってるものがある!!それがこの土星でぇぇぇぇぇ!!!。」
悪人全員「どっしぇぇぇぇーーー(絶句)。」
「き、金さん!?」
「裁きを申し渡す。その方5名、極刑にいたす。ひったてい!」 一同「はっ!」
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「さて、お白州はまだ終わっちゃあいねえな。お菊、その方に申すべきことがある。」
「なんでございましょう。」
「奴らの企み、よう知らせてくれた。おかげでサターン町の住民の命、ひとつも落とすことがなく済んだ。礼を申す。」
「そんなもったいないお言葉でございます。私はただ父の犯した罪を少しでも償いたいと思っただけのこと。けっして誉められるようなことではありませんのに、...。冥土にいる父へのせめてもの土産になります。」
「もはや決意は固いようじゃな。...お菊、いや任天小僧お菊、裁きを申し渡す、...、、死罪。」
「ありがとうございます。」
平「ま、待っておくんなせえ、御奉行様。いくらなんでもそれはあんまりだ。せめてお情けを。」
「...法は曲げられぬ。」
平「な、なんてこったい。これじゃ先代までのぼんくら奉行と同じじゃねえか。お菊ちゃんはなあ、このサターン町を救ってくれた大恩人でい。それを、ただの盗人と同じに裁きやがって、やい金治!見損なったぜえ。」
橋「これ平次!いくら旧知の中とて、御奉行に対し無礼であろう。控えよ!」
「ありがとう平次親分。でもいいのよ、覚悟出来てた。それに、...金さんのようなお奉行様に、裁かれて満足よあたし。」
平「お、お菊ちゃん(号泣)。」
「平次、お主も十手を預かる身ならばわかるであろう。法を守ることの大切さ、そして辛さを。しかし、泣くでないぞ、この儂の方がもっと...(涙)。これにて一件落着!」
一同「はっ。」
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数日後、お律の店
律「ねえ、金さん。巷じゃ、遠山様もヤキが回ったって言われてるけど、最後にお菊ちゃん、遠山様にありがとうって言ってたそうだよ。あたしもその気持ちわかるなあ。」
「まったく、おめえも捕まんねえうちに、さっさと足を洗った方が身のためだぞ。俺はいつもヒヤヒヤしてんだぞ。」
律「あら、うれしい。そんな風に思っててくれたなんて。でもあたしは、簡単に捕まりゃしませんよーだ。」
「け、人の気もしらねえで、いい気なもんだぜ。」
平「お、いたいた、こら金治!また、やってくれたな、このぉ。」
「何を?」



それから10年後
ブラックベルト町奉行所(おいおい)にて
与力・内藤「御奉行様、こんな遅くまで、勉強熱心でございますな。」
奉行・成田「うむ、少しでも名奉行遠山様に近づこうと思ってな。裁きの記録を調べていたのだ。なかなか興味深いぞ。」
内藤「左様でございまするか。」
成田「見ろ、この任天小僧とか言う賊であるがな。女に化けるのが得意な男だったそうだ。」

(注)この作品はフィクションであり。登場する個人・団体名は、実在のものとは何ら関係ありません。