>>4386 DNS勉強中 > ここは私なりに解釈して記述しています。 わたしの意図どおりの実装になっています。 > またstruct DNS_Query *q;の必要性が分からなかったので、これは記述していません。 struct DNS_Question { short id short flag; short QDCOUNT; short ANCOUNT; short NSCOUNT; short ARCOUNT; struct DNS_Query *query; }; と書くと、DNS_Question というものは 「id・flag・{QD,AN,NS,AR}COUNT・DNS_Query から成り立つ」 という関係がソース上に明示されます。プログラムは「データ構造+アルゴリズム」 ですので、正確なデータ構造を最初に明示しておけば、ソースを理解しやすくなる ということです。 また、こうしておけば、 main(){ make_question(&DNS_question); } make_question(DNS_Question *question){ question->id = ...; question->flag = ...; make_query(question->query); } make_query(DNS_Query *query){ query を作成 } というふうに、変数の受け渡しがすっきりします。 ただ、フラットな構成の方がわかりやすい場合もありますので、ケースバイケースかと 思います。 > もっともパディングが心配という事が良く理解できていないので、 わたしの環境では int main (){ struct { char a[1]; int b; } hoge; printf("%d\n", sizeof(hoge)); } の結果は 8 になります。構造体のメンバ間にどれだけのパディングが入るかは 環境依存なので、パディングが入らないことを前提としたコーディングをするのは 怖いなぁ、ということです。 > 後このソースの問題点ですが、いま自分が気づいているところでは2点あります。 > 変数 search と 変数 DNS_question.flag の保守性です。 なるほど、学校の課題にも関わらず細かな部分の完成度を高めたいというのは 素晴らしいですね。余計なお世話かもしれませんが細かいところまで見てみました。 > #include <netdb.h> 必要なヘッダファイルを include していません。その結果、引数チェックが 行われず、戻り値は int として扱われているはず。 このことに気づかないということは、警告オプションを有効にしていないと推察 されます。gcc であれば -Wall オプションを付けると幸せな人生を送れます。 > char *make_domain(char *domain_name); プロトタイプ宣言で変数名は不要で、 char *make_domain(char *); でよいです。別に引数名を記述しても動作には影響ないですが、引数名を変更 したときに直し忘れてズレが出るので、わたしは書きません。/usr/include/*.h にも書いてないです。 > fprintf(stderr, "Error: Socket作成失敗\n"); なぜ失敗したのかがわからないため、システムコールのエラー時には errno を 出力しましょう。わたしは fprintf(stderr, "Error: Socket作成失敗。errno[%s]\n", strerror(errno)); とするのが好みですが、perror(3) などを使う人も多いです。 bind 失敗時も同様。エラーメッセージが Bind error であるのと Bind error [Address already in use] と表示されるのでは、対処時間に大きな差が出ると思います。 ちなみに gethostbyname(3) のエラー処理が抜けています。gethostbyname は ソケットまわりのシステムコール呼び出し時のエラー以外にも、データ内容の エラーが発生する可能性があるので herror(3) や hstrerror(3) を使います。 > return -1; main で戻せる値は 0〜255 です。あと、exit と return が混在しているのが 気になります。 > questions = two_bytes(int_buf[search], int_buf[search+1]); > search += 2; two_bytes・four_bytes のインタフェースがいまいちです。データ取得と インクリメントを別々に行うと、インクリメント忘れ・インクリメントミスが 発生する危険性があります。 たとえば questions = two_bytes(&int_buf, &search); とインタフェースを変え、 int two_bytes(int *int_buf, int *search){ int sum; sum = int_buf[*search] * 16 * 16 + int_buf[*(search+1)]; *search += 2; return sum; } とすればデータ解析とインクリメントを同時に行えます。ここまでくれば、 struct DNS_Response { char data[10000]; int int_data[10000]; int pos; }; という構造体を作った方がよいかもしれません。 上記と関連しますが、 additional = two_bytes(&int_buf[search], &search); search += 1; これは一見すると謎なコードです。2バイト取得しているのに 1バイトしか進めて いないので、わたしはしばらく悩みました。結局は get_domain() の先頭で 1バイト 進めているから問題ないのですが、直感に反するコーディングだと思います。 > int conv_class(char *class){ > switch (class) { > case 1: printf("1 (INTERNET)\n"); break; > case 2: printf("2 (CSNET)\n"); break; > case 3: printf("3 (CNAME)\n"); break; > case 4: printf("4 (HESIOD)\n"); break; > case 5: printf("5 (ANY)\n"); break; > } わたしなら、 typedef struct { char name[100]; int code; } codelist_t; としておいて、 int conv_class(char *class){ codelist_t class_list[] = { {"INTERNET", 1}, {"CSNET", 2}, {"CHAOS", 3}, {"HESIOD", 4}, {"ANY", 5}, }; for ( i=0 ; i<sizeof(class_list)/sizeof(class_list[0]) ; i++ ){ if ( strcmp(class, class_list[i].str) == 0 ){ return class_list[i].code; } } と直します。class_list は void class_print(int class) で共用してもよいでしょう (resolver-1.pl と同じやり方)。 > memset(&client, '\0', sizeof(client)); > host[j] = 0; /* 最後に0を代入する */ memset は 0 で埋めて、host[j] は '\0' で終端すべきです。文字終端の '\0' と 値としての 0 を区別しておくと、後から読んだ人に意図が伝わりますので。 あとは命名について。関数名は動詞、変数名は名詞という基本ルールがあるよう ですが、徹底されていないように思います。 いまいちだと思う関数名: int domain_count(char *); → get_domain_length などが適切では。 int end_domain(int, int *); → is_XXX とか check_XXX がよいのでは。 int resource_data(int *, int, int, char *); → 名詞になっている。しかし他の hogehoge_print より一段レベルが高いので、 混同しないような命名をしたいところ。 void conv_time(int); → 「変換」といいつつ実際に行っているのは「出力」。 いまいちだと思う変数名: int search; → 動詞に見える。pos あたりでいいのでは。 int questions; int answer; int authority; int additional; → s が付いていたり付いていなかったり。あと、この変数の本質は「個数」で あるはず。であれば question_count とか question_num などにしたい。 int flag = 0; → flag や tmp という変数名が許されるのは変数スコープが 5行以内の場合 (わたしの中では)。それ以上ならもう少し長い名前を。 > int resource_data(int *int_buf, int search, int max, char *print); int max → record_num あたりで。 char *print → record_name あたりで。 > int domain_count(char *argv) argv は渡す側の変数名であって、この引数の本質は「ホスト名」であるため、 int domain_count(char *hostname) int domain_count(char *host) などがよいと思います。 と、わたしならこう書くという部分はあるものの、それでも可読性が高い と感じました。たとえば codelist_t は保守性は高いのですが、ぱっと見 読みやすいのは case 文の羅列です。勉強用のソースであれば、下手に 構造化しすぎることなく、あえてベタ書きしたほうがいいのではないかと 考え始めています。 あと、hoge_print 関数も、わたしはこういう書き方をせずに char *a_record_print(int_buf, search); と文字列を返すほうですが、メモリ確保を行うのは呼び出し側か、関数の 中で static に持つか、など悩ましいです。すっぱり割り切って関数内で printf するのも、保守性はともかく可読性は悪くない、と思いました。 あと、 - two_bytes・four_bytes という関数は便利で読みやすい。 - int_buf にコピーするのは、型変換のバグを避ける手法としては 優れているのかも (ちょっと逃げっぽいけど)。 - perl 版の可読性を落としているのはやはり pack。num2bin などの 関数を作り、直接 pack を呼ぶのは避けた方がよいのかも。 - やはり C は構造体がすっきり書けるのがよいところ。perl の場合、 ハッシュだとタイプミス耐性がないし、Class::Struct だとインクリメント が面倒だし、package を作るのは大げさ。 などといろいろと思うところはありました。自分が書いたものを他人が リライトすると、いろいろと気づくことがあっておもしろいですね。 いろいろ偉そうに書きましたが、指摘したことは当ページでは全然実践できて いません (エラーチェックは甘いし、herror(3) は使っていないし、resolver-1.pl ではデータ取得とインクリメントを別々に行っているし)。その辺はご容赦ください。 |