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投稿者:
虚無僧三郎太 @ tpro2.tky.threewebnet.or.jp on 97/6/28 23:07:45
ユーロロック紹介(英国編)part4: yes
一番典型的なプログレグループは?と聞かれれば、私は即座にyesだと答えるだろう。
yesにはクリムゾンのようにカリスマ的存在はいなかった。各人が非常に高い水準の演奏をこなし、見事なアンサンブルを奏でている。まさにプログレの醍醐味を、一番見せつけてくれるグループなのだ。
「Fragile」
通算4枚目のアルバムである本作は、プログレグループとしてのyesの黄金期の始まりを告げる傑作である。当時のメンバーは、J.アンダーソン、C.スクワイア、S.ハウ、R.ウェイクマン、B.ブラッフォードという壮々たるもので、まさに職人集団。R.ウェイクマンの七色キーボードもここから始まっているが、決して突出しているわけではなく、他のメンバーの演奏もそれと互角に渡り合っているのだ。忘れちゃいけないのが、カバージャケット、ロジャーディーンのイラストも本作より使われている。
「Close to the edge」
彼らの最高傑作。タイトルソング「危機」は、今日でも色褪せない名曲中の名曲。「同志」は評価の分かれる曲であるが、アンダーソンお得意(?)の壮大なテーマを歌詞に盛り込んでいる。「シベリアンカートル」は知名度は低いが、yesのエッセンスを凝縮した逸作だ。はじめてyesを聞くというひとは、本作より聞くべし。
しかし、本作を最後にB.ブラッフォードが抜けるという大事件が起こる。後任はA.ホワイトだが、彼は凡庸なドラマーであり、ファンからは非難が集中した。そんな時期の73年3月に初来日を果たすことになる。
「yessongs」
スタジオ版と寸分違わぬライブ版で、ファンの度肝を抜いた3枚組。ドラマーはA.ホワイトに代わっているが、他のメンバーの技量は大したもの。ウェイクマン、ハウそれぞれのソロパートはあっても決して浮いているわけではない。ビデオも発売されているようなので、こちらもお試しあれ。
「Tales from topographic oceans」
私はこれを聞いて悩んでしまった。わからん、なにがなんだかわからん。難しすぎてついていけないのか、それとも単なる駄作なのか。やはりブラッフォードの抜けた穴は大きいのか?
「Relayer」
R.ウェイクマンが抜け、代わりにP.モラーツが加入して製作された本作品は、大凡の心配とは裏腹に、非常に聞き易い出来となっている。残念なことに評価はあまり高くないようだが、「錯乱の扉」などはyesの全作品の中でも屈指の作品。前作がやけに疲れる作品だったこともあり。個人的にはお薦めしたい作品。
「Going for the one」
オープニングのタイトルナンバー(邦題:究極)は、ハードロック調で少々驚かされるが、yes節は健在。再びR.ウェイクマンが加入しているが、P.モラーツでも音楽性は変わらないような気がする、不思議なことだが。それよりも本作品の最大トピックとしては、ジャケットがヒプノシスに変わってしまったことだ。
「Tormato」
あまり見るべきモノのない作品。グループとしては、分裂解散の危機に瀕していたこともあり、完成度は低い。
「yesshows」
2作目のライブ版。P.モラーツの演奏も聴ける。しかし、「yessongs」にくらべると見栄えはしない。そしてこの頃、J.アンダーソンとR.ウェイクマンが抜けてしまった。誰もがyesは解散したものだと疑いもなく思った。
「Drama」
T.ホーンとJ.ダウンズのバグルス組みを加えて何とか製作に漕ぎ着けた。まさにC.スクワイアとS.ハウの意地で作られたかのようだ。しかし聞いてみたらしっかりyesしているのには驚いた。T.ホーンの声は、気持ちの悪いくらいJ.アンダーソンそのものだった。スクワイアとハウは、邪魔者がいなくなって(笑)伸び伸びとした演奏をしているし、隠れた名作と言ったところか。
しかしさすがに時代の流れか、yesは本作品をもって正式に解散した。
その後83年に「90125」で復活し、シングルで全米NO.1になるなど、従来以上の輝かしい実績を残す。しかし、もはや旧来のyesではなく、Journeyらと同次元の音楽を奏でるようになってしまっていた。
次回は、英国編part5、Pink Floyd。
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