正月大戦〜チキチキ大神は誰のもの選手権(長文)



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投稿者: 天下無敵の無一文 @ ppp144.tokyo.xaxon-net.or.jp on 98/1/03 23:14:29

帝都東京 煉瓦邸

ここでは、大帝国劇場の面々が集まり、新年会が催されていた。『無礼講』ということで始まった史上空前の大宴会は、酒が入り、杯を重ねることにより徐々に異様な雰囲気を醸し出していったのだった。

すみれ「らからぁ、しょういさんはぁ、わらくひのもの、れすのよぉ、ういい、ひっく」

さくら「いいえ! 誰が何と言おうと大神さんは私のです! これだけは誰にも譲れません!!」(言っておちょこを一気に空ける)

アイリス「お兄ちゃんは、アイリスの恋人だもん!」

紅蘭「いや、大神はんはウチのもんや! 何と言ってもウチは大神はんの夢に出てきとるんやで!?」

さくら「そ、そんな!」

マリア「でもそれを言うなら、あのときの夢には私たち花組の全員が出ているはずよ?」

紅蘭「なんやて!?」

マリア「正確には、2度目に隊長が気を失ったときに。」

かすみ「マリアさん、なんでそんなこと知っているんですか?」

マリア「いえ別に。」

カンナ「何でぇなんでぇ、隊長はあたいのだ! あの深川の廃屋で、隊長はあたいのために必死で薬を探してくれたんだ!!」(だん!と、ジョッキをテーブルにたたきつける。ジョッキはその衝撃に耐え切れずに粉々に砕け散る)

すみれ「それをいうならぁ、あのときしょういさんはぁ、わらくひのためにもぉ、くすいをさぁしてくれましらのよぉ?ういい(訳:それをいうなら、あのとき少尉さんは私のためにも薬を探してくれましたのよ?)」

カンナ「な、なんだとぉ!!」(絶句)

あやめ「でも、それは全国の大神君次第じゃないかしら?」

マリア「...そういえばそうですね。その点私が刹那に捕まったときとは違います。あのとき隊長は自分の身の危険を顧みず、命懸けで私を助けに来てくれました。...前日に、私が罵ったにもかかわらず。これはシナリオ上避けられませんし、やはり、隊長は私のものでしょう。」(静かにグラスを傾ける)

ちなみに当の大神は、みんなからの酌の嵐を受けて、既に轟沈している。

椿「いいえ!大神さんは、私たち帝劇三人娘のものです!!」(内心、ひいては私のよ! と思っている)

さくら「なんでですか!」

由里「だって、大神さんは私たちが用事を頼めば無条件でやってくれるじゃない。言ってみれば私たちの下僕よね。」(内心、より正確には私の下僕よ。と思っている)

かすみ「彼のモギリの仕事を監督しているのは、事実上事務を任されている私たちですし。」(内心、つまりは私の監督下にあるのよね。と思っている)

あやめ「あら? でもそれを言うなら隊長としての大神君は、私の指揮下にあるのだから、やっぱり私の所有物じゃないかしら。だいたい彼には、私のような年上の女性の方が似合ってると思うのだけれど...」

かすみ「某同人誌の裏表紙で『笑っていいとも』見ていた茶飲みおばさんは黙っていてください!!」

あやめ「あらあら、いけないこというのはこのお口かしら?」(笑顔でかすみの口を左右に引っ張る。こめかみにピキマークが浮かんでいる)

かすみ「い、いひゃいいひゃいひぇふ、ひゃへへ!ほへひゅひゃひゃいい!!」

椿「ついでにいえば、一日で一番大神さんの近くにいる時間が長いのは、私なんですから。」

マリア「...そういえばそうね。これは侮れないわ。」

鈴音「ここまでの会話を整理すると、決定的打をもっていないのは...さくらさんと、すみれさんと、カンナさん。それにアイリスちゃんと紅蘭さんね。」
(編者注:鈴音については http:www.tokyo.xaxon-net.or.jp/~takosuke の、隠し部屋を参照)

さくら「い、いつの間に。」

鈴音「え? はじめから居ましたけど?」

俺もずっといたぞ?

さくら「...無一文さんまで、油断できないわね。」(ふとあたりを見回すと、すみれのそばには霊子甲冑がいたり、ところどころに分かる人にはわかる人影が見える)

でも鈴音、お前のリストから紅蘭は外しとけ。

鈴音「なんでよ。」

紅蘭は、大神を改造した経験があるはずだ。これは決定的だろう。

さくら「紅蘭! そんなことしたの?」

紅蘭「まー、ちょいとな。」(メガネがキラリと光る)

さらに言えば、アイリスはその気になれば大神を操り人形にすることも可能なはずだ。古来より、こういった物語の超能力者には、そういったことができる。

アイリス「あ、そっかー。お兄ちゃんもジャンポール達のお友だちにしちゃえばいいんだー。」

鈴音「子供に何を教えるのよ!」

あやめ「そうよ、そんなことしたら、大神君が私の命令を聞かなくなっちゃうでしょ?」

そ、そうですね。(かすみの口を引っ張ったままのあやめさんに、ちょっとびびる無一文)

紅蘭「ほんなら、すみれはんも神崎財閥の力で同じようなことは可能なんやな。」

さくら「...そういえば」

すみれ「いひゃれすわぁ、こうらん。ぅいっぷ。そんらの、あたいまえやぁないのぉ、ういい(訳:いやですわ、紅蘭。そんなのあたりまえじゃないの)」(ろれつは回ってなくても、頭ははっきりしているらしい。目がマジ)

鈴音「そうなると....さくらさんとカンナさんが圧倒的に不利なのね。」

マリア「そうなるわね。」

さくら「そんな!」

カンナ「ちっくしょう! こーなったら奥の手だ! やいやいやい、みんな黙って聞いてりゃ好き放題言いやがって!」

椿「あ、カンナさんが切れた。」

カンナ「あたいはなぁ、あたいは、なんと! 隊長の命の恩人なんだぜ!!」

うーん、そういえば、初登場のときに柱を支えてアイリスと大神を助けていたな。

さくら「あ、そういえば」

さらに言えば、カンナ役の田中真弓さんは声優界の大御所といえるだろう。これは大きい。

鈴音「...でも、苦しまぎれって気がしない?」

あやめ「確かに、決定的、というわけではないわね。」

カンナ「うっ!」

マリア「大体、命の恩人と言うのも、戦闘パートでは誰にでもありえることよね。」

カンナ「ううっ!!」

鈴音「たしかに、カンナさんは不利、ですねー。」

カンナ「うう...」(涙)

だがその分、カンナさんには固定ファンが多いからな。一部カリスマ的信者もいると言ううわさだから、
いざとなれば強いかもな。

さくら「...それで、私は?」

ああ、それなら大丈夫。

さくら「え? どうしてですか?」

君には俺が付いている。

さくら「...は?」

サクラ2になって新キャラクターが増えよーが、難易度があがろーが、俺は真っ先にさくらさんを選ぶ。
言うなれば俺の操る大神は、いつでもさくらさんの事を思っているわけだ。

さくら「...あんまり嬉しくないです。」

鈴音「あ、そーだ。この馬鹿は放っておいて、さくらさんなら決定的なものがあるわよ!」

さくら「え! なんですか!?」

鈴音「嫉妬センサー!!」

マリア「あ! しまった!!」

鈴音「他の人達が何をしようとも、瞬時にそれを察知することが出来るじゃない!!これは最強ね。」

さくら「あ、そうか! そうですね!!」

おいおい、いーのかおい。

アイリス「あー、さくらずるーい! こーなったらアイリスがお兄ちゃん連れてっちゃうんだから!!」(大神を抱えて瞬間移動する)

あ、消えちゃった。

由里「どこ行ったのかしら。さっそく私の情報網で見つけなきゃ!!」

紅蘭「それよか、ウチが大神はんに取り付けた発信機の方が早いでぇ!」

鈴音(店の出入口の方を見る)「それよりも、さくらさんの方が早かったですね。もう追いかけて行っちゃいましたよ?」

椿「えーい、毎日の売り子仕事で鍛えた健脚を披露してあげるわ!」(戸口の方へ駆け出す)

マリア「あ、しまった!」(戸口に向かって駆け出す)

カンナ「退け退け退けどけどけぇー!!」(戸口を突き破って駆け出す)

あやめ「待ちなさいさくらさん、これは命令よ!!」(相変わらずかすみの口を引っ張ったままさくらを追いかける)

かすみ「...」(ぐったりしている)

あ、霊子甲冑がすみれさんをかついで走っていった。

鈴音「みーんな、行っちゃいましたね。」

うーん....なぁ鈴音。

鈴音「なに?」

みんな、実はダークホースを忘れているんだが、気が付いたか?

鈴音「ダークホース?...米田さんとか、花小路さんとか?」

いや、権力の面でそれもあるんだが、他に。

鈴音「えー?....わかんないよ。教えて。」

クロノス会、及び降魔の連中。どっちも『降魔の種』を植え付ければ、呪術で意のままに操れる。

鈴音「...なるほど。」