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投稿者:
天下無敵の無一文 @ ppp179.tokyo.xaxon-net.or.jp on 97/12/16 23:13:33
12月31日 帝都
師走のせわしさも、今日ぐらいになるとそろそろなりをひそめてくる。
それでも、買い忘れたものや、正月の最後の準備などで走り回る人々がいる。
そんな人達で、今年最後のにぎわいを見せる銀座の通りを、大神とさくらが歩いていた。
さくら「本当に覚えていないんですか?」
大神「ああ、どうもここ数日記憶があいまいで...かすみさんに誘われて飲みに行った所までは覚えているんだけど。」
さくら「マリアさんや紅蘭も、同じようなことを言っていたし。一体あれは何だったんでしょうね。」
大神「俺に聞かれても答えられないな。なんせ、記憶がなかったんだし。」
決まり悪そうな大神の様子に、さくらはふふっと、自然に笑みを漏らした。
さくら「でも、大神さんの木の役、結構面白かったですよ? 見せてあげたかったけど、誰も記録していなかったのが残念かなぁ。」
大神「おいおい、勘弁してくれよ。」
いたずらっぽくそういうさくらに、大神は決まり悪そうに苦笑する。
そうなのだ。当時あれほど絶賛した記事を載せていた新聞各社にも、ラジオ局にも、写真の一枚からメモの切れ端一つまで、一切の記録がなくなっていたのだ。
これで、さくらをはじめかろうじて素面だった人達の証言が一致していなければ、そんな事が有ったなどと、誰も信じなかっただろう。
大神「でも、まだ信じられ無いなぁ。おれやみんなが本当にそんな事を?」
さくら「本当ですよ。その証拠に、見てください。」
さくらの指さす方を見てみると、家の軒先や庭先に、大量の丸太がつまれていた。
さくら「紅蘭が売った松明が、あんなに沢山残ってますし、帝都中のアリさんというアリさんはいなくなってます。加えて帝撃の帳簿は黒字になっているはずですし、厨房にはまだ黒豆がたーくさん残っていますよ。」
少し声をひそめて言う。帝国華撃団が秘密部隊だと言うのもあるのだが、実は紅蘭の松明の処遇が上層部で少し問題になったからのだ。
場合によっては、彼女が詐欺で訴えられてもおかしくない状況だったのだが、どういうわけか紅蘭が露店を出していたことを覚えている人間が、(さくらを除いて)表れなかったのである。
当時いっちゃっていた人間はともかく、その事件の事を覚えている人達の中にも、彼女が店を出していたことを目撃したものがいなかったため、表面上は『何故か、気が付いたら松明がいっぱいあった』ということで処理されたのだった。
その代わりといってはなんだが、最近の新聞はその奇妙な事件よりも、この頃大帝国劇場付近で起こっている連続失踪事件について、派手派手しく書き立てている。
『そういえば...紅蘭に魂を捧げている熱狂的なファンの姿も、劇場のそばで見かけることが多いな。大きな動く麻袋を持っているのが...』
そこまで考えた大神は、コワい想像になりそうだったので、それ以上深く考えるのをやめた。
大神「それで、話は変わるけどその歌合戦というのは面白いのかい?」
さくら「ええ、もちろん! 毎年、その年に話題になった歌手の方達が赤組、白組に別れて歌って、得点を競うんです。」
大神「ふうん。」
さくら「もっとも、勝敗自体はあまり関係なくて、素敵な歌を沢山聞くことが目的みたいなんです。
とっても楽しいらしいですよ?」
大神「花組のみんなは呼ばれなかったのかい?」
さくら「...大神さん? 私たち花組は、歌劇団ですけど歌手じゃありません。役者なんですよ?」
大神「ああ、そうか。」
一応納得はして見せるが、実は彼にはその違いがよく分からなかった。
『まあ、なんにしても初詣以来、さくら君と二人きりで出かける機会がなかったし。今日は細かいことは気にしないようにしよう』
そうひとりごちる大神。しかし丸一年何も進展しなかった上に、今日もさくらの方から誘ってきたのだから、この一年、この男は何をしていたのやら...もっとも、何か有ったら俺が生かしてはおかないが。(大マジ)
そんなこんなで、しばらく行くと、歌合戦の会場であるコンサート会場が見えてきた。
さくら「あ、あそこですよ!」
嬉しそうにさくらが指をさす先には、『年末恒例 紅白歌合戦』と書かれた大きな看板が掲げられた大きな劇場が有った。
入り口のあたりは、まさに黒山の人だかり。チケットを見ると、開場時間からかなり時間がたっているはずだが、まだ会場に客が入り切っていないようだ。
二人は連れ立って、入場者の列の、最後尾に並ぶ。
大神「しかし、すごい人だなぁ。」
さくら「そうですね。年末だけで良かったですよ。もしも一年中やってると、私たちの劇場に来るお客を取られちゃいますね。」
大神「違いない。」
そう言って、大神が明るい笑い声を上げたその時!!
謎の通行人鞍矢真鈴音本性バージョン詳しくは私のHP URL:http://www.tokyo.xaxon-net.or.jp/~takosukeを見てくれついでに読者参加企画に誰か応募してくれ懇願ちなみにこいつはめったなことじゃ悲鳴なんか上げないぜそんなかわいらしい事なんかありゃしねえなんですってこのどげし痛てが、突然悲鳴を上げた。
鈴音「きゃーーーーーーー!!」
突然の事に驚いて、声のした方を見てみると、うら若き、はかなげな雰囲気を漂わせた今世紀最大の美少女(ったく、本気で殴るこたーねーだろ、ぶつぶつぶつ)が、
怪物「ギギギーー!!」
降魔に襲われていた。
大神「降魔!まさか!! 何でこんな所に!!」
あまりのことに驚愕する大神。
だが、さくらはあわてず騒がず
さくら「大丈夫です! こんな事もあろうかと花屋敷支部が開発した新兵器を!!」
大神「おお! でかしたぞさくらくん!!まるで紅蘭みたい...」
さくら「ちょろまかして私なりに手を加えた究極兵器があるんです!!!」
大神「...は? えーと、よく分からないけど、とにかくでかしたぞ! それで、どんな武器なんだ?」
さくら「これです!」
誇らしげに彼女が差し出したのは、なにやらやたらとおめでたいデザインのバトンだった。ご丁寧に、先っぽの方にはハートマークが付いている。
大神「...え、えーと、デザインはなんとなくイッちゃっているような気がするけど、どうやって使うんだい?」
そこはかとなく不安を感じながら訊ねる大神に、さくらは
さくら「はい、こうして、こうポーズをとって、呪文を唱えるんです!!」
自信たっぷりに言う。
大神「呪文? なるほど! 魔術でやっつけるのか!!」
さくら「いえ、魔法です!!」
きっぱりと断言。
大神「ど、どう違うのかイマイチよく分からないけど、その呪文を教えてくれ!」
あせった声を出す大神、彼の心には、はやく少女を助けなければという思いと、帝都の平和を守る帝国華撃団の隊長としての使命感が燃えていた。
さくら「いえ、これは私しか使えないものなんです。少し下がっていて下さいね。」
大神「あ、ああ。気をつけてくれよ!何しろ相手は降魔だからな。無理はするなよ!」
さくら「大丈夫です! おまかせ、ね!」
さくら一人を戦わせるのは気が引けたが、彼女があまりに自信たっぷりなので、自分はサポートに徹することにする。
一方さくらは降魔をにらみすえ、声高に呪文を叫ぶ!!
さくら「じゅげむじゅげむごこーのすりきれ! さみーでいびすぶろいらーちきん!!」
...数瞬の間
.........何も起こらない。
大神「さくらくん! どうしたんだ!?」
さくら「すみません、古い方の呪文を使ってしまいました! 今度は大丈夫です!!」
さくらは降魔を(以下略)
さくら「プリティーミューテーション! マジカルッリコーーーーーーーーーール!!」
バトンがまばゆい光を放ち、あたりが白光に包まれる。そして光が収まった後には、今世紀最大の魔法少女が....
さくら「ああっ! 服のサイズがあわない!!」
大神「何をやっているんださくらくん! 早くしないと女の子が!!」
そこまで言って、はっとして鈴音の方を見ると、降魔が爪を振り上げ、振りおろす所だった。
大神「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
『こーなったら究極兵器2号よ!』とかなんとか言ってごそごそやってるさくらは気が付いていない!
あわてて飛び出す大神! だが間に合わない!!
降魔「ギギーーーーーーーーーーーーー!!」
鈴音「きゃーーーーー!!」
降魔の爪は振りおろされ、哀れ少女のはかない命は散っ....ていなかった。
彼女は何と、魔物の攻撃を躱していたのだ!(ほーらかわいくない)
降魔「ッギイ! ギギーーーーーー!!」
鈴音「きゃーきゃーー!!」
続けて繰り出される攻撃を、彼女はきゃいきゃいいいながら幸運にも(?)躱し続ける。
なんか、一瞬助けなくても全然大丈夫な気はしたが(助けなくていーよ)そういうわけにもいかない。
とりあえずさくらの方を見ると、彼女はもう元の服装...いや、何やら巫女だか陰陽師のような格好で、腕に輪具をはめている所だった。どうやら、あれが『究極兵器2号』らしい。
大神「今度は大丈夫なのか?さくらくん!!」
さくら「はい!大丈夫です。任せてください!!」
さくらは以下略!!
さくら「我解くる鬼神の呪縛! 秘呪の刃にて封呪を断つ! 破呪!!」
大神「おお! なんか今度は大丈夫そうだ!!」
彼女は指で五望星(あて字)描きながらつづける!
小明もといさくら「破呪! ヴァジュラオンアーーク!! 現臨せよ! 汝! 前鬼!!」
...数瞬の間
.........何も起こらない。
大神「何やってるんださくらくん!」
さくら「はっ! そーいえばチビ前鬼が居なかったわ!!」
大神「しっかりしてくれぇーー!!」
絶叫する大神。ほとんど泣いている。
さくら「えーい! こうなったら究極兵器...」
大神「それはもーいい!!」
二人がそんな馬鹿なことやってるうちに、降魔は鈴音が南部一四年式で一撃のもとに倒していたのだった...
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
大帝国劇場のさくらの部屋。
彼女の部屋には似つかわしくないものが転がっていた。お酒の瓶だ。
カメラはその瓶に近づいて、ラベルをアップにする。
そこには、こう書かれていた。
『銘酒 うぉーロックん』
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
銀座に突如として表れた降魔。
それは、黒鬼会という新たな敵の魔の手の第一歩にすぎなかった。
...余談だが、後日、大神一郎は久しぶりにあった知人に、何もかもが空しい、出家して人生をやり直したくなったともらしたというが、定かではない。
師走、しわす、しわあす、大神が傷心、傷心を英語に直すと ナーバス(ほんとか?)
...サクラ大戦2〜きみしにたもうことなかれ〜に続く...
(いーのかおい!)
のーみそくすぐっちゃうよ?
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いやー、卒論かかなきゃいけないのに、何やってるんでしょーねー。
とりあえず、神崎操さん。あなたが第9回「魂の叫び」大会を主催することは、もう決定事項ですから。ここはひとつ野良犬にでも噛まれたと思ってあきらめてください。
うぉーろっ君さんも同意してらしたし、もーかんぺきです!(^^)9
謎の声「そういって、また敵を増やす...」
楽しい大会を期待しています。
あ、そうそう、この私の一連の書き込みには、パロディーが全部で17個有ります。うちわけは、1に1個、2に1個、3に1個、4に9個、終に5個(サクラ大戦関係と、このBBS関係のもの、ことわざは除く)全部分かった人には、先着一名様に私からクズメールが飛びます。(^^;
それでは、さよーならー。
謎の声「...言いたいことはそれだけ?」
はい?
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