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かとおおお @ 202.228.225.71 on 97/12/09 22:45:28
In Reply to: Re: 真説・サクラ大戦「俺は隊長失格!?」その2
posted by かとおおお @ 202.228.225.71 on 97/12/09 22:43:12
「なんや、元気ないな、大神はん。ウチで最後や。がんばろな!」
「紅蘭は何をするんだい?」
「ウチのテストは花札や。ほな、さっそく始めよか」
「花札!? 隊長の役といったいどういう関係が……]
「なにゆうてんねん、大神はん。役者でいちばん大切なんは、運すなわちツキがあるかどうかなんや。いくら上手でもツキのないやつが一人でも舞台におると、その芝居は絶対成功せえへん。花札はそれを試すのにごっつうええんや。大神はんもモギリといえど帝劇の一員や。きっとツキがあると思うで!」
「よし! やろう、紅蘭。絶対勝ってみせるぞ!」
「ほんなら始めるで。こいこい3回勝負で20文以上取ったら勝ちや。最初は大神はんが親でええわ」
5分後……。
「どうしたんや、大神はん。あと一文しか残ってへんで」
「いいや、紅蘭。まだ勝負はついてないぞ。早く配ってくれ。
ようし、なかなかいい手だぞ……まず盃を取ってと……よし!これで二杯だ。
松を捨てて……やった鶴が来た! 三光に赤タン、おまけに猪鹿蝶テンパイだ! 大逆転だぜ!」
「あっ、悪いな大神はん。カスができたよってあがらせてもらうわ」
「ガガ〜ン!!」
「やったーっ! ウチの勝ちや。それにしても大神はん、一回もあがれへんなんて、隊長失格やなァ…」
テスト終了。
「大神くん、残念だけど結果は結果よ。これではとても隊長役は務まらないわ」
「大神、おめえもよく頑張ったんだ。あきらめて明日からモギリの仕事に……」
「待ってください!!」
「さ、さくらくん!?」
「わたし、大神さんなら隊長役をできると思うんです」
「さくらくん……」
「わたし、思うんです。花組の隊長になる人は、わたしたち花組を…そして、この帝劇全体を愛してくれる人でなきゃだめだって……。大神さんほど、わたしたちのことをいつも見守ってくれている人はいないと思うんです。ね、そうですよね。大神さん?」
「………………」
「あたしたちも大神さんがいいと思います!!」
「椿くん! 由里くん! それにかすみくんまで!?」
「モギリのお仕事ならあたしが替わってあげるから、大神さんを隊長にしてあげてください」
「椿くん……」
「アタシも大神さんの軍服姿見てみたいナ」
「由里くん……」
「支配人は、ほんとは大神さんになってほしいんじゃありませんか?」
「かすみくん……」
「大神、おめえは幸せ者だな……。よしっ! お前を帝国華撃団・花組隊長に任命する!
最初の任務は……」
「は、はいっ!」
「今晩中に大道具部屋の掃除だ! さくらくんと一緒にな。明日からは稽古が始まるから早く終わらせるんだぞ」
「はい! ありがとうございます!」
「よかったですね、大神さん!」
夜、大道具部屋にて。
「じゃ、がんばりましょう。大神さん」
「ようし、やるぞ! さくらくん」
(しかし、結局あのテストはなんだったんだ?)
広〜い大道具部屋を拭きながら大神は思うのだった。
「頑張って! 大神さん」
(ひょっとして俺に雑用を押し付けるための陰謀……いや、まさか?)
本当に俺は隊長になれるのか…と、ふと不安がよぎる大神であった。
<完>
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