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かとおおお @ 202.228.225.71 on 97/12/05 22:44:02
ここは日本橋。帝都一のゼネコン「テクノクラート・クロノス」の本社ビル。その最上階にある社長室。
「社長! 本当なのですか!? 会社を辞められるというのは!」
「ええ〜い、わしはもう社長ではない! わしは今、第2の人生を踏み出したのじゃ!」
「社長−っ! 考え直してください!!」
「うるさい! これからはわしのことを演劇集団・黒之巣会座長、天海様と呼べ! のう、又丹殿」
「……はい」
「な、なんだ、貴様は!? 見かけぬツラだな!]
「だ〜ま〜れ〜! このお方こそ帝都一の脚本家にして名演出家、葵又丹殿じゃ。又丹殿は、この度、あの『帝劇』に客演されることになったじゃ!」
「『帝劇』というと、去年われわれが銀座に建設した大帝国劇場ですか!?」
「そうじゃ。そしてわが黒之巣会の旗揚げ公演は、1カ月後に『帝劇』でやることになったのじゃ。どうじゃ、すごいであろう」
「社長! 本気ですか!?」
「え〜い、社長ではないというのに! もちろんおぬしたちも出るのじゃ。そのために呼んだのじゃからな」
「ええっ! われわれがですか!?」
「そうじゃ。もう役もきまっておるぞ。
まず、営業部長。おぬしは黒之巣死天王の一人、『蒼き刹那』じゃ。
次に、土木部長。同じく死天王の一人、『白銀の羅刹』じゃ。
そして、社長秘書。おぬしは死天王の紅一点、『紅のミロク』じゃ。
どうじゃ、センスのよいネーミングであろうが。よ〜し。では明日から早速けいこ開始じゃ!」
「しゃ、社長〜っ!!」
「ふふふ、始まる……愚か者の宴が……」
又丹は一人ニヒルにつぶやくのだった。
(続く)
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