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編隊飛行 @ 202.221.190.140 on 97/11/05 23:32:57
In Reply to: ハロウィン大戦〜星空の下で〜その1
posted by 編隊飛行 @ 202.221.190.140 on 97/11/05 23:30:10
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星空の下で
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(ハロウィン。聖人を讃える日か・・・。あの女性(ひと)は大天使・・・。)
(守りきれなかった。あの日、天へと帰っていったあの女性。もう会えない。)
「少尉・・・・・」
物思いにふける大神の背後から、か細い声が聞こえた。瞑想のじゃまをする
のをためらうかのようにそよ風の音にさえかき消されるような少女の声。
「すみれ君か・・・」
(聞き慣れた声だ。あの日、神崎財閥のパーティーで踊って以来、いつもそば
で聞いている声。花組の女の子に対してとは別の、そう、俺だけに向けられる
声。世界中で俺だけにしかみせることがない本当のすみれの内面・・・)
「少尉。またあやめさんのことを思い出していらしたのね・・・・」
ゆっくりと大神の横に並ぶすみれ。控えめで従順な大和撫子。さくらやカンナ
が見たら腰を抜かすであろうこのすみれの姿は、大神以外の誰にも向けられる
ことはない。
(勘のするどい娘だ。それに、俺の気持ちを察して細やかに接してくれる。)
(この娘も、傷付きながら生きてきたのだ。もしかしたら俺以上に・・・。)
いつもの甘い香りが、晩秋の冷たい風をどことなく暖かいものに感じさせてい
た。
「いや。久々に故郷に帰ってきたからね。子供の頃を思い出していたのさ。」
「うそ。あやめさんのことを考えているときは、そぉ、いつも同じ・・・。
抜け殻みたいに沈み込んで・・・」
「栃木には海がないんだ・・・」
すみれの声を途中で遮り、大神は話し出した。
「俺は、士官学校へ入るまで海を見たことがなかった・・・。」
「あこがれていたんだ。大海原に。こんなちっぽけな山の中ではなく、世界に
出ていくことを。七つの海を旅することを・・・。(あの女性のように)」
独り言のように天空をみつめ、ゆっくりと思い出を噛みしめるように語る。
そばではすみれが同じように星を見つめ、だが、大神の邪魔をしないようにひ
っそりと佇んでいた。
「そういえば、すみれ君の子供の頃の・・・夢は?」
「わたくしの?」
突然の問いかけに驚いて答えるすみれの口から白い吐息が流れる。
「わたくしは、神崎財閥の一人娘として生まれ、親が決めた男性と結婚して跡
を継ぎ・・・・・子を成し・・・・」
「でも成金、成金と・・・・・学友からも蔑まれ・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「すみれ君?」
突然襲った沈黙に大神がすみれの方へ顔を向けると、そこには16歳の女の
子の素顔があった。心の内を仮面に隠し、お嬢様然と構えたいつものすみれで
はなく、抱きしめれば折れてしまいそうなほどか弱い素顔のすみれ。陽光に咲
く大輪の三色すみれではなく、雑草の中にひっそりと芽生えた野のすみれ。
目に涙を溜め、それでも流れ落ちないようにと必死に上を向いている。それ
だけがいつもの気丈な部分をかいま見せていた。
(野性的で、一人で生きていけるほど気高いのに、このか弱さはなんだ?)
(あやめさんは一人でも生きていけた。でも・・・)
「すみれ・・・」
大神はその震える肩に手を当てると、そっと自分の胸の中へ優しく包み込ん
だ。暖かな温もりがすみれの体から伝わってくる。
「俺がついている。そう。君には俺が・・・」
顎にそっと大神の手が添えられ、ゆっくりと引き寄せられる。すみれの濡れ
た目は真っ直ぐに大神の視線へ吸い付けられ、そしてゆっくりと閉じていく。
きゅっと結ばれたはずの桜色に光る唇は、かすかに震えていた。
(落ち着いて・・・。少尉とはあの舞踏会の日に既にくちづけを・・・・・)
(あぁ。でも・・・こんな素直な気持ちには・・・。少尉・・・)
大神の温もりが、頬の当たりに近づいて来るのがわかる。そして、吐息が唇へ
と・・・・。柔らかな感触がほんのりと唇にふれる・・・。
(少尉。好きです。あなたなら私の心をわかってくれる・・・)
「あ痛っっ!!」
「ど、どうしましたの?」
「ちょうど唇の傷に・・・」
散々殴られた大神の唇はどす黒く腫れ上がっていた。
「今回はこれでおあづけだな。あっ痛ぇっ!」
にっこりと微笑んだつもりが、痛みのおかげで泣きそうな顔になった。
「くすっ・・」
つられて微笑むすみれ。
「はははっ・・・いてっ」
「ほほほほほ・・・・・」
見つめ合ったまま笑う二人を満天の星が照らしていた。
「さぁ、寒くなってきたし、中へ入ろうか?」
右手の人差し指でそっとすみれの目の下の涙を拭いながら、大神が囁いた。
「はい。少尉・・・・」
恥ずかしそうに頷くすみれ。
「おぉ〜い。すみれ〜!酒は取ってきたのかぁ?」
室内からカンナの声が漏れてくる。どうやらすみれを探しているようだ。
「先にお入り。俺もすぐに行くから。一緒に帰るとうるさいからな。」
「はい。」
腫れた目でウィンクをしようとして痛がる大神に、微笑みをかえすとすみれ
は部屋の方へ駆けていった。
澄んだ空気の中で瞬く星々を見上げながら、大神はつぶやいていた。
(あやめさん。彼女には俺が必要なんだ。そして、俺にも・・・。天上から見
ておいてください。俺は彼女を最後まで守って見せます。)
「強くなったわね。大神君・・・」
一瞬、星々が明るさを増し、あやめの声が聞こえてきたようであった。
「なんだ?すみれ。おまえ顔が真っ赤じゃないか?さては酒をかすめて飲んで
やがったな!!この盗人うわばみ女!!」
「なんですって?!このわたくしが、そんな貧乏ザルのようなことをする訳あ
りませんわ!!この大酒のみのバカザル!!」
「なんだとぉ。」
「あちゃぁ。また始まってしもうたわぁ」
「二人とも、やめなさい!!あっ!隊長。・・・」
「こらっ!二人ともやめないか!!」
いつもの花組へと戻っていく二人。こうしてハロウィンの夜は更けていった。
淡きくちづけ。二人だけの秘め事・・・・。
======完=========
最後までおつきあいいただきましてありがとうございます。
はっきりいって、天下無敵の無一文さんのパクリです(^^;
(紅蘭をすみれに替えただけ(笑))
さすがに、あそこまで美しくは書けません。私、文才は無いですから。
#みんな文章がうまいよなぁ・・・。
#ネタもいっぱいあっていいよなぁ。。
ではでは。超恥ずかしいので寝ます(^^;;;
#書いたからね。あとの人、頼むよ!!
#俺にだけ恥をかかせないでくれ!!
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