![]() ![]() 投稿者: 編隊飛行 @ sisetu-45.jimut.kyutech.ac.jp on 97/10/24 16:18:46
In Reply to: Re: 変身!転身!陽天心!!(爆)
「ばっかも〜〜〜ん!!」米田の罵声だけが、倉庫を応急に改造した部屋に響いている。 ここは大江戸地下空洞。元ミカサ格納庫である。日本政府は聖魔城の出現により壊滅的な被害を受けた 帝都の復旧に当たり、「こんなこともあろうかと」大江戸地下空洞を大改修し、政府及び軍司令本部、皇居 の中枢部を全て地下へ移転するよう計画を進めていた。(だが、まだ改修が完了したばかりで軍組織の一部 の移転が終わっていたにすぎなかったが。) また、ここには帝都市民800万人の避難場所としても利用できるよう仮設宿泊施設も備えられ、また、食料 や生活必需品3ヶ月分も備蓄されていた。 現在はドームの爆発をのがれた市民たちでごった返している。 ミカサの爆発と共に、格納庫は破壊されたが、防爆シャッターのおかげで地下の被害は最小ですんでいた。 皇室は軽井沢の別荘で休養中で、運良く爆発に巻き込まれることはなかった。 政府首脳は国会開催中であったのが幸いし、ほぼ全員が無事にここへ避難していた。 また、軍関係者は、今日がこの地下司令部の完成お披露目式の真っ最中であったらしく、司令部付きの軍人 はほぼ全員がここへへ揃っていた。 すさまじいご都合主義のような展開であるである。しかし事実は小説より奇なり。これくらいで驚いていては サクラ大戦などというゲームはできないのである(^^; 「大神さんよぉ。おめぇが付いていながら、また帝都は壊滅。 今度は死者、行方不明者合わせて155万3572名。負傷者推定250万人。 いったい、どうすりゃこんな被害が出せるんだ?えっ!!」 木製の支配人机の前には、大神以下花組のメンバーとかすみ、由里が直立不動で整列していた。 しかし、紅蘭と椿の姿はない。 「アイリスの話じゃ、みんな崩壊する帝都はほっぱらかしで、星を眺めてたそうじゃねぇか。 しかも、大神は宇宙に旅行に行ってたそうで。いいご身分だな」 (俺は遊んでた訳ではない。宇宙に飛ばされたのも不可抗力だ!!しかし・・・) 大神は心の中で、怒りを必死にこらえていた。自分さえドームに残っていれば、こんな大惨事にはならなかった だろう。自分に対する怒り。そして自分をおもちゃ扱いにするサクラBBSの「叫びの悪玉3人集」に対する怒り。 「お星様きれいだったね。マリア。それにドームの大爆発も花火みたいできれいだったよ♪」 「アイリス!!」困ったようにアイリスを制するマリア。 「まぁ、いいじゃねぇか。マリア。アイリスのおかげでみんな無事だったんだし。自分の心を素直に表現できる のは子供の特権だからな。」 とカンナ。アイリスのせりふに、多少緊張の糸がほころんだようである。 「子供じゃないもん!!」 怒ったようにアイリス。 「真打ちはこんな事では死んだりなどしませんわ。お〜ほっほっほっほっ」 すみれの引きつったような笑い声。しかし、やはりいつもの華麗さはない。場を盛り上げるために無理矢理 繕ってるようだ。 「静かにしねぇか。だが、紅蘭と椿は行方不明。帝都は復活した黒之巣会に占拠されちまったしよぉ。」 「黒之巣会が復活した?本当ですか?米田長官」 それまで30分も黙っていた大神が驚きのあまり声を上げた。 「あぁ?知らなかったのか?どうも爆発のショックで復活しやがったらしい。」 「それは大変!!すぐに出撃命令を!!」 正義感の強いマリアが米田に詰め寄る。 「まぁ、落ち着け。みんな。既に帝都は壊滅状態。壊されるものはなにもない。 黒之巣会の連中も復活したばかりらしく、生身のまんまだ。 しかも、帝国華 激 団と間違うくらいにおつむの状態も悪いらしい。 さらに、やつらはクレーターのど真ん中。半径200km以内はな〜んにも残っちゃいねぇ。 連中、歩いて移動するのも大変だろうって心配しているくれぇだ。 まっ、奴らが復活したおかげで、帝都崩壊の原因は黒之巣会ってことで丸く収まったがな。 連中はほっといて、まずは紅蘭と椿の捜索からだ。」 米田はゆっくりと全員を見回しながら話をしている。その表情には少し翳りがあった。やはり、復旧した ばかりであった帝都の突然の崩壊と、行方不明となった隊員のことが心配で、歴戦の勇士の心にも陰 を落としているのだろう。 「紅蘭は発信器を持っていないの?確かゲスト出演の衣装に戦闘服を持っていったはずだから」 さくらの表情も少し暗かった。 「あぁ?受信機の方も紅蘭が持っているから使いものにならん。ほんと紅蘭の発明は肝心なときに役にたたん。」 苦り切った表情で米田は吐き捨てるように答えた。 一同の沈黙が、薄暗い室内をさらに暗くしていくようであった。 きゃ〜〜〜突然、米田の背後から声が響いた。壁の向こう。そこは大空洞をささえる分厚い岩盤のはずである。 「椿の声よ!!」 驚いたように由里。 「椿ちゃん、どこにいるの?」 かすみも目を大きく見開き、なにもないはずの壁の奥を透視するように見つめていた。 ==================================== きゃ〜〜〜「どうしたんや?急に大声なんてあげて」 大神の魂をクローンにサルベージしていた紅蘭は、操作していた機械から目を離すことができないらしく、 椿を見ることもなく尋ねた。 「大神さんが急に立ち上がって・・・」 「立ち上がった?成功や!!」 紅蘭は、装置のメーター類をチェックすると、椿のほうを振り向いた。しかし、機械の陰に隠れているために ベッドはみえない。 耳まで真っ赤になって両手で顔を覆い、しかし、しっかりと指の隙間からベッドの方を凝視する椿の姿だけが 紅蘭の目に入った。 「ん?大神はん、立ち上がってないやんか?」 怪訝そうに椿に尋ねる紅蘭。 「いえ、しっかりと・・・。」 消え入るよにつぶやく椿。目はベッドの一点に集中したままである。 「どないしたんや?」 椅子から立ち上がると、紅蘭は大神が横たわるはずのベッドが見える位置へと移動した。 「げっ!?」 絶句する紅蘭。 ベットの上には、白いシーツを掛けられたクローン大神が横たわっていた。 しかし、ある一点だけが天を突くように立ち上がり、シーツを高々と押し上げていた。 「ねぇ。立ってるでしょう?紅蘭さん」 「確かに立ってる。でもあれは勃起っちゅうもんや(*--*)」 答えた紅蘭も耳まで真っ赤である。 「浮気遮断回路は組こんだんやけどなぁ。それによって性欲も落ちるはずなんやけど・・・」 一応科学者らしき独り言をもらし、なんとか落ち着こうとするが、目は一点から離れなかった。 やはり、うら若き少女達にはシーツの下の出来事とはいえ、刺激が強すぎたようである。 だが、そこはなんにでも興味があるお年頃の二人。 「シーツ剥いでみようか?なんで実験が失敗したか調べなあかんし・・・」 「えっ?で、でも・・・。」 「大丈夫や。何事もチャレンジが大切や。失敗は成功の父っていうやろ?」 「そうですか?じゃ、ちょっとだけ・・・。」 「シーツのそっちを持って。「せ〜の」で一緒にめくるんや。一気に行くで!!」 「せ〜の・・・」 ど〜〜ん!!!!!!!「今度はなんやぁ??」 爆発音に驚いて、シーツから手を離して床に伏せていた二人は顔を上げ、音の方を凝視した。 もうもうと上がる白煙の向こうには、壁に開いた大きな穴と、その向こうに人影が一つ。 「誰や?あの大男。黒之巣会の刺客か?でもどこかで見たような・・・」 白煙が薄れてゆくにつれ、人影がだんだん濃くなっていく。 「男みたいで悪かったな!!」 笑いを含んだ怒声が響きわたる。 「かっ、カンナ!!」 「えっ?カンナさん」 「みんな後ろに揃ってるぜ!!紅蘭。椿。これでやっと花組全員集合だな」 そう。紅蘭の作った地下シェルターは壁一枚で臨時帝撃作戦司令室と接していたのだ。 椿の悲鳴を聞きつけたカンナが、必殺の一撃で壁を叩き破ったのだった。 「さぁ。それじゃみんなで復活した黒之巣会をつぶしに出撃だ!!」 元気に叫ぶ大神。隊員の無事を心から祈っていた彼の目は、知らず知らずのうちに涙があふれていた。 ================================= そのころ、帝都の地上では復活した黒之巣会の面々がさまよい歩いていた。 「叉丹様。私はもうだめです・・・・・。」ばったり。 高齢の天海は既に倒れ、羅刹、刹那兄弟もあとを追って自害した。ただ一人叉丹に付き従ったミロクも倒れ、 いまや叉丹一人がクレーターと化した帝都をさまよい歩いていた。復活したばかりの人間にとって、砂漠と 化した帝都はあまりにも過酷な環境であった。 「許さんぞ!!!帝国華撃団!!俺は黒き鬼となり復讐を果たす・・・・ 待っていろ。はっはっはっはっはっはっはっはっ・・・・・・・・・・・・・」 叉丹の乾いた笑い声だけが、元帝都の砂漠に殷々と響いていた。 黒き風と共に・・・・・・ ======== 第4話 完 ============ ふぅ。構想1分、執筆4時間(笑)の駄作です。 #単に、「立ち上がる大神」ネタを思いついただけ(爆) 最後まで読んでいただいた方へは感謝。って「叫び」主催者以外読むやついるのか? #読んだ方はレスちょうだい!!たぶんいないだろうけど(笑) なんとか帝劇のメンバーを再会させたぞ(^^; しかし、「クローン大神」はどうなった?? #また、誰か続きを書いてくれるのかな(笑) 会場壊れちゃった(というか、帝都が崩壊)ので、閉会式は開けないでしょうね(笑) 最後に、続きを書いてくださった、うぉーろっ君と天下無敵の無一文さんに感謝。。 ではでは。 ![]()
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