第二幕



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投稿者: ditto @ ykha119.tky.3web.ne.jp on 98/2/21 23:54:42

In Reply to: 第一幕

posted by ditto @ ykha119.tky.3web.ne.jp on 98/2/21 23:50:44

(第二幕)

「お待ちしておりました。さあさあ、こちらでございます。」
着いたのは、大きな本陣宿だった。遠山は、どちらかと言えば、こういうところは苦手である。むしろ、庶民の匂いのする旅籠の方が好きであった。しかし、今日は奈津が一緒だ。彼女は箱入り娘、こういう上流者が利用する宿でないと拒絶性が出てしまうかも知れない。そのため、遠山はここを選んだのだった。
「遠山様...申しわけございませんが、あいにくと特別来賓席の切符はキャンセル待ちでまだ手に入っておりません。ここに、一般大衆用の席の切符はございますが、さすがに御奉行様ともあろうお方がこのようなところではなにかと不都合がございましょう。今暫くお待ち頂けませんでしょうか?」
「その大衆用の切符で良い。2枚頼む。」
「え!?こんな下々の席でよろしいのでございますか?」
「日数が限られている上に、あまりゆっくりできぬのでな。奈津、それでいいだろ。」
「はい、私は構いませぬ。」
「はあそうでございますか。」

こうして切符を買った遠山夫妻は、本陣宿の番頭に部屋まで案内された。しかし、その途中で遠山は気になる人物を見かけていた。
「珍しい異人の団体か?選手ではなさそうだな...。」
異人の一人も遠山のことを気にかけていた様子だったが、お互い見覚えのある顔ではなし、言葉を特に交わすわけでもなく、それぞれの部屋へ別れていった。

「アイツハ ダレデスカ?」
その異人は、小声で本陣宿の仲居に尋ねていた。
「ええっと、そうそう江戸から来た御武家様で、確か町奉行様ですよ。」
「マチブギョウ?...」




「あなた...何で私までが町人着に?」
「そりゃあ、あんな侍姿行ったら大騒ぎになるからよ。それで釣り合いをとるために、お前も着替えてもらったんだよ。」
「ちょっと、私似合いませんわ...。」
「暫くの辛抱だよ。おっと、もう競技が始まってるじゃねえか。」


「これ半次、揺らすでないぞ!」
「ううん(~_~;)」
パシャ!
「なかなかの出来だな。これなら本番でも使えそうかな(^o^)」
「三脚代わりにされてる俺の身にも、たまにはなれや!」
「何言ってんの?それがあんたの役割でしょ!」
「へえんだ!こんなことまでさせられるたあ思ってもみなかったよ!」
「おい、沼津のぅ!四の五の言わず、言われたとおりにすりゃいいんだよ!」
「まったく旦那までが、勝手なことぬかしやがって!」

「あなたどうかしたんですの?」
「う、うん...ちいとばかしここはまずい(^_^;。(イヤな予感が当たってしまってる)あっちでよく見える場所を探そう。」
「ちょ、ちょっとあなた、そんなに引っ張らないで下さいまし。」

「ん!?ありゃ、金さんじゃないの?」
「何だとぉ? おお、そういえばそうじゃねえか。おおい金治!」

「(゜_゜;)げげげ!見つかっちまったい...。」
「なんだ金さんも来てたのかい。来てるんだったら、来てるって声かえてくれりゃいいものをよ、人が悪いなまったく...!おお、女連れたあ、なかなか隅におけないねえ!」
パシャ!
「これはスクープね。遊び人ゲーマーの金さん、駆け落ちか!?って見出しはどう?」
「うう...魂を吸い取られた....。」バタン!
「あたしゃ、ワイルド星人かい!?(怒)」