第一幕



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投稿者: ditto @ ykha119.tky.3web.ne.jp on 98/2/21 23:50:44

In Reply to: サターンの金さん 第48回

posted by 金さん製作委員会 @ ykha119.tky.3web.ne.jp on 98/2/21 23:46:20

(第一幕)

−ソフト屋お律の店−

ゲーマーの金治(以下ゲ金)「四年に一度必ず冬季競技のソフトが出てくるな。」
女将・お律(以下律)「五輪だからねえ。しかも日本開催、この機を逃す手はないということよね。」
ゲ金「ふうん。でも、こういうのって四年前に出したソフトの(国とか選手とかの)パラメーターをちょいちょいといじるだけで新しいソフトになるんだから、メーカーにとってはおいしいよな。基本的なシステムは変わってないんだし。」
律「そんなお手軽なものでもないのよ。聞いた話なんだけど、競技もいくつか新たに採用されてるし、ルールもよく変わるらしいからね。四年前に出したソフトを転用するのは難しいのよ。」
ゲ金「そうかい。で、売れ行きは?」
律「このウインターハートは、まあまあかな?男女が一緒に競技してるというもの珍しさも手伝ってるし、某誌でも評価良かったから。」
ゲ金「ふむふむ、おっとそろそろ時間だな。また来るぜ!」
律「中古屋でなく、一度くらいうちで買っていったらどうなのよ?まったく(-_-メ)」

律「もしかして私、今週はこれでおしまい?」
委員会(以下委)「はい(^^)」
律「最近出番が少なくない?(^_^メ)」
委「登場人物が増えたからね(^_^;)。同様に平次とハチも微妙な立場になってるし。」
律「もしやパープルムーンだけがのさばるんじゃないの?(ー_ー)」
委「(どきっ!)でも、今週は出てないし、来週だって多分出ない...」
律「怪しい...」





−数日後・遠山家屋敷−

遠山の妻・奈津(以下奈)「ねえ、あなた...。巷では五輪なるものが、たいそう評判みたいですわ。お志摩さんも、先週信州まで見に行ったんですって!あたしも行きたいわ...。」

久々の休日を我が家でのんびりと過ごしていた遠山に、奈津はこう切り出したのだった。だしぬけに五輪の話をされて、少しとまどう彼であった。

サターン町奉行・遠山金三郎(以下金)「し、志摩さんって、勘定奉行小林殿の奥方のことか?」
奈「そうですわ。夫婦生活がもう十五年にもなろうと言うのに、いまだに仲睦まじくていいですわ、羨ましい。それに引替うちは、...亭主がいつもどこほっつき歩いているかわからないし、つまらない...。」
金「ぎくっ(+_+;)」

遠山と奈津は、いわゆる見合い結婚である。
遠山は、長い放蕩生活の癖が抜けず、遠山家当主として呼び戻されてからもしばらく結婚しないでいた。しかし今を遡ること三年前、北町奉行に抜擢されたとき、さすがに奉行たる者が独り身とは格好が付かぬのではと諭され、御老中の紹介で夫婦になったのだった。
幾分成り行き任せの夫婦であったが、徐々に愛情も深まり、一時は人も羨むような仲になっていった。しかし、遠山の遊び癖(いつものことなんだが)は簡単に治まらず、特に最近は奈津に殆ど構ってもいなかったので、少しだが(当然と言えば当然だが)夫婦仲に亀裂が生じていた。
「これはちとマズイな...」
奈津が五輪のことを切り出した時、遠山は直感的に感じ取った。
"子は鎹"という諺の通り、子宝でも授かっていれば事情は違ったのであろうが。
たまには妻へのサービスをしなくてはならんと思った遠山は、このところ難儀な事件続きで疲れているにも拘わらず、重い腰を上げ信州まで奈津と五輪なるものを見に行くことに決めたのだった。



金「...というわけで、暫く信州白馬村まで行くことになった。留守を頼むぞ。」
与力・脇坂(以下脇)「承知いたしました。ではごゆるりと。帰ってくる頃には例の依頼人名簿(第47回参照)の解読も終わっている頃でしょう。」
金「では任せたぞ。」



沼津の半次(以下沼)「まったく冗談じゃねえや。こんな重てえもの持たされた上によ、こんな雪の深い道を歩くだなんてよう。」
瓦版記者・綾「泣きごとを言わないの。五輪がただで見れるなら、なんでもやりますって言ってたのはどこのどなたさんですか?」
沼「ありゃあよう、ちいとものの弾みで...。」
綾「とにかく、男が一度口にしたんだから、ウダウダ行ってないで早く歩きなさいよ。」
沼「ナマぬかしやがって、このぉ!」
綾「あ、こら!やったな半次。」
( `_')/ @ ※(`o´)
素浪人・花山末吉(以下花)「おい、そんなところで遊んでいるとおいてくぞ。」

エイホ エイホ!
沼「?」
「おい、邪魔だ邪魔だ!」
じゃれている半次の後方から、突然雲助たちが駕籠を担ぎながら追い抜いた。
沼「うわっと!」
綾「ああ、危ない!」
バタッ!
綾「ふう..危なかった(^^;」
沼「...おい..綾ちゃんよう。俺を助けずして、そんなガラクタが落ちるの防ぐなんてよ。俺よりそんな機械の方が大事か?」
綾「あたりまえじゃない!これは父から借りた高価な物なのよ。」

半次が持っていた重たそうな物とは、当時はまだ珍しい南蛮渡来の写真機だった。珍し物好きの綾の父・一成が大枚叩いて買った物だったが、実は綾がこっそり持ち出してきたのだった。
花「どう考えても写真機の方に決まってるだろ。これが大事な金づるになるんだからな。」
先日来、瓦版屋に出入りしている綾が、写真機を貸すのを条件に見習いで記者になっていたのだった。そして今日はその写真機を使って、五輪の記事を書こう信州まで行く途中だったのだ。
素朴な愚問「これはいわゆるスクープバニーというやつですか?」
委「ちがいます、それはもうやりません!」




奈「どうしたの?あなた...。」
金「う、うむ...ちと面倒な一行を垣間見てしまったな...(^_^;)」
駕籠に乗っていたのは、実は遠山夫妻。
そんなかんなで舞台は、まだ作者も一回しか行ったことのない白馬村へと移るのであった。