第一幕



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投稿者: 倭寇三勇士 @ tpro2.tky.threewebnet.or.jp on 97/9/28 07:33:27

In Reply to: オープニング

posted by 倭寇三勇士 @ tpro2.tky.threewebnet.or.jp on 97/9/28 07:31:36

(第一幕)

ゲーマーの金治(以下ゲ)「おい、お律、居ねえのか。(ドンドンとお律の店のを叩く金治) こんな一大事ってときに何処へ行っちまったんだろ。」
大工の棟梁・源さん(以下)「おう金さんじゃねえか。最近ご無沙汰してんな。」
「よう源さん。いくつになっても相変わらず威勢がいいねえ。」
「あたぼうよ。こちとら江戸っ子でい。それが取り柄のようなもんでい。」
「それより、お律ちゃん知らねえかい?ここのところ店を閉めてるようだが。」
「そういやここ3,4日ばかり見ねえな。大方、お前や平次に構ってもらえねえんで、心配させることで気を引こうとしてるんじゃねえのか?もちっと大切にしてやんなよ。」
「(うう...それは重々反省してます(^_^) んで、平次の親分も見かねえんだけど?」
「平次の奴は、今回のねずみ騒動で酒浸りの毎日よ。大の男が、なさけねえぜ全く。もっとも今日は奉行所に呼び出されていたようだがな。」



サターン町奉行所・特別ねずみ対策本部
本部長の同心・伊東(以下)「お主が、ねずみを長年追いかけているという岡っ引きか。」
目明かし・平次(以下)「へい、左様でございます。」
「本日呼び出したのは他でもない。ねずみの人相を聞きたいのだ。ねずみの被害をこれ以上拡大させる訳にはいかぬのでな。」
「ちょ、ちょっと待っておくんなせい。あっしの雇い主は、橋本の旦那でやす。聞きてえことがあるなら橋本の旦那を通すってのが筋じゃありやせんかい。」
「橋本の阿呆は、砂東の一件で謹慎して居る。御奉行裁定で、お主の管理は暫くこの俺に任されることになったのだ。」
「橋本の旦那が...。」
「さあ早う申せ。一刻の猶予もならんのでな。」
「そ、それが...、いつも真っ暗な夜のことで、顔まではよく見ていねえんで。」
「な、なに!お主、隠し事はいかんぞ!」
「いえ滅相もねえ。隠し事なんかしておりやせん。本当に判んねえんで。」
「これは呆れたわ。それでよく岡っ引きが務まるもんだ。」
「(うぐ...)」
「同心が同心なら、岡っ引きも岡っ引きだ。たいした組み合わせだな、全く。」
「...伊東の旦那!あっしのことならいくら馬鹿にされてもかまいやせん。しかし、橋本の旦那を侮辱することあ勘弁できねえ!」
「な、なにぃ、こやつ町人の分際で生意気な。引っ捕らえい!」
サターン町奉行・遠山金三郎(以下)「よさぬか!奉行所内であるぞ。」
「こ、これは御奉行。し、しかしこ奴めが、無礼を働こうとしたので。」
「今は所内でもめ事を起せる程悠長な場合ではない。これ以上諍いを続けるならば、喧嘩両成敗とするが良いか!」
「いえ、いえ、とんでもございません。これ平次、今回は御奉行に免じて見逃してやる。早々に立ち去れい!」


町の居酒屋にて、
「こんなところにいたのかい。随分探したぜ。」
情報屋の秀(以下)「誰かと思えば、金治じゃねえか。ははあ、俺をあてにするとは、なにか困ったことが起きたようだな。」
「もうお前くらいしかあてがなくなっちまったんだい。」
「おっと、悪いがこっちも商売だ。タダじゃ教えられねえよ。」
「へっ!相変わらずしっかりしてやがる。ほらよ!」
「気前がいいじゃねえか。よっぽど困ってるようだな。」
「人の弱みにつけ込んで、情報の値を吊り上げるのは無しだぜ。」
「わかってらい。昔からのつき合いだからな。」
「実はねずみの件なんだが。」
「なんだお前もやられたのか。欲の皮つっぱるからじゃねえのかい?」
「? 違う、ねずみに入られたのは両替商の鷺池屋だろ。」
「だから、結局損したのはお前だろ。」
「?(゜_。)?(。_゜)?」
「違うみてえだな。なら説明してやらあ。鷺池屋は、盗まれたのは募金の金と言ってるようだが、ありゃむしろ会費と言うべきもんだな。」
「会費!?秀、もう少し詳しく聞かしちゃくんねえか。」
...


両替商・鷺池屋の近くにて
ハチ「親分、無駄ですよお。帰りましょうよお。あっし腹が減ってしょうがねえんですよ。」
「なんでお前はいつも食べることしか考えてねえんだ。ちっとは真面目に仕事しろい。」
ハチ「仕事はしてますよぉ。でも、ねずみが一度入った鷺池屋にまた来るなんて考えられねえじゃありませんか。」
「馬鹿野郎!お前は本当にねずみの仕業だと思ってるか。」
ハチ「じゃあなんですかい。ねずみの偽物の仕業とでも思ってるんですかい?」
「あたぼうよ。この腕利きの目明かし平次様の推理によればだなあ、これ則ち狂言であるということじゃい。」
ハチ「でも浜邑の親分も見たって言ってたんじゃ...。」
「テメエ、俺と浜邑のどっちの味方でい!?」
ハチ「いえ、どっちの味方かってそんなんじゃなくて...ちょいと親分、あ、あれは!」
一人の侍が、鷺池屋から出てきた。
「うぉ!あ、あれは、い、伊東の旦那じゃねえか。...!そうか読めたぜ。今回の黒幕はなんと!町奉行所同心・伊東の野郎だったのか!」
ハチ「(ドテッ(。_・))」
「どうしたぃハチ、ははあ俺様の名推理にひれ伏したってわけだな!」
ハチ「親分、...伊東の旦那は、ただ現場検証に来ただけじゃねえですかい?ちょっと安易すぎるんじゃあ。」
「また、おめえ俺の推理にケチつけやがってぇぇぇぇ。」
ハチ「親分、チョーク!チョーク!一、二、三、四...。」
「おっと、アブねえ。反則負けになるところだったい。」
ハチ「ぜいぜい...。」
「お遊びはそんなところにしておいて!」
「やや、金治!いってえなんの用だい!」
「ごあいさつだな、これは。折角、偽ねずみを捕まえる算段を持ってきたって言うのによ。」
「な、なんだって!やっぱり偽物かい!」
「まあ、ここじゃなんだ。場所を変えるとするか。」