試験的小説「天使」



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投稿者: イド・ダイスケ(だい) @ kuki3DU15.stm.mesh.ad.jp on 97/9/24 22:56:17

 ──大神は、そう大神は老いていたんだ。体ではなく心がね。気の遠くなるような時間を生きてきたんだ。無理もない……。
 だから、何も言わなかった。彼らに対してね。新しい生命は、老いた心にとって、少々不快な物だったんだろうから。だから彼は何も言わなかった。
 結果どうなったか。
 新しき生命は調子付いてくるわけだ。いや、むしろ、その状態こそ暴走と呼ぶに相応しい物なのかもしれないね。つまり、彼らは大きな間違いを犯したのさ。いや、勘違いと言うべきかな? 些細といえば、あまりに些細な勘違いだったのだけど、結果的には、致命的な勘違いだった。だって、そうでしょ? ──大神は造られた、清らかにて聖なる、そして従順な下僕を──だなんて、勘違いも甚だしいことさ。でも、彼らは、そう信じて疑わなかった。あなたも含めてね。そう、誰もがそれを信じ、疑わなかった。そして憧れた、大神の最も近くにいる、輝きに満ちた存在をね。彼らにとって、大神とは絶対の存在だったし、その代弁者──これも勘違いなのだけどね──たる存在もまた絶対視され、また絶対視されようとした。ちょっと、分かりづらいかな? つまり彼らは、単純に力──彼ら風に言うと輝きだね──の強い者を頂点とした、縦構造を創ろうとしたんだ。だから、彼らは下僕であると同時に、支配者だった……。僕の言ってる事は、支離滅裂かもしれない。でも、こう表現するしかないんだよ……。僕にもっと話力があれば良かったのだけど──
 ──……その話と、あの天使の話はどう繋がるの──
 ──天使かい? そうか、天使の話だったね。天使、絶対の存在たる大神の下僕なのだから、天の使いたる名は、まさに相応しいよ。誰が、という訳ではなく使われだした名称だけれどね。大神の下僕は皆、天使なのだから、本当はあなたもまた天使と呼ばれるべきなのさ。けれど、あなたもいま想像しているような、いわゆる天使像はそうじゃだろう。それこそ、暴走の生み出した、最たるものだよ。なぜゆえに天使は北部白色復有翼神族が選ばれたのかという事がね──

続く(のか?……(汗))

という訳で、秋山遼平君の語りでした(笑)
この中に出てくる「天使」はキリスト教の天使とは何の関係もないです。あくまで、遼平の世界での「天使」ですので、念のため。
あと、勢いだけで、だーと書いたやつだから、まったく校正はしてないです。荒れた文体には目をつぶってね♪

これは、柏木さんに送ったものなんですが、ためしに載せてみました。(「狂える者の剣」の柏木さんとは、学校の友達なんです♪)
自分は、一人称を書くのが苦手なので、練習と言う意味も含めて書いてみました。