ようやく繋がったよ。第一幕



[ このメッセージへの返事 ] [ 返事を書く ] [ home.html ]



投稿者: 倭寇三勇士 @ tpro2.tky.threewebnet.or.jp on 97/9/21 00:14:08

In Reply to: サターンの金さん 第23回 オープニング

posted by 倭寇三勇士 @ tpro2.tky.threewebnet.or.jp on 97/9/21 00:11:42

(第一幕)
目明かし・平次(以下)「またくだらねえ紙芝居が流行ってやがるな。」

さてさて、聞いてお立ち会い、見てお立ち会い!
かつて江戸の町を恐怖のどん底に落としこんだ、悪の集団ずんずん教!
教祖の名は、瀬賀幻妖斉。
怪しげな幻術で、人々をたぶらかし、洗脳した民衆を使い、各地で一揆を引き起こす!
見かねた我らが名奉行遠山金三郎!



「ブッ!名奉行だぁ?笑わせやがる。」

羽田の国から、仮面の忍者舞影をよびよせたぁ!
舞影の活躍により、ずんずん教は壊滅寸前。
そして最後に悪の親玉・幻妖斉との一騎打ち!
さて、この一騎打ちの結末、如何相成りますことやら!...てなところでまた来週!



「なんでえ、変なところで切りやがって...。おっといけねえ、つまらんことで道草くっちまったい。」


子分ハチ「親分遅いでやすよ。また、下世話な紙芝居でも見てたんじゃねえでしょうね?」
「ば、ば、ばか野郎。この俺があんな すんすん教だか赤影だか ようわからんものを見るかってんだい。」
ハチ「それにしちゃ、よく知ってるでやすね。」
「そ、そりゃ一般常識ってやつで知ってるだけでい。」
ハチ「そうですかい?」
「いいから行くぞハチ!」
ハチ「へいへい。」


両替商・鷺池溜五郎(以下)「これは銀形の親分さん。おつとめご苦労さんでごぜえます。」
「ねずみに入られたということについて訊きてえんだが。」
「それはそれはもう全てお話いたしますです。あれは一昨日の夜のことでございました。真夜九ツを過ぎた頃でございますが、私が厠へ行こうと目を覚ましたところ、なにやら土蔵の方で音がいたしまして、こんな時間に誰かと不審に思い、確かめに行きましたところ例の出で立ちでほおっかぶりをしたねずみ小僧がいるではありませんか。」
「そうか...で?」
「ねずみ小僧は私の存在に気がついたようで、私はすぐに大声で人を呼びましたが、あっと言う間に天井裏伝いに外に逃げてしまったのです。後で土蔵を調べると二千両が消えておりました。」
「二千両!ちょいまち、二千両と言えばとても一人で持てるような重さじゃねえはずだ。仮に持てたとしても逃げ切れるもんじゃねえ。」
「それがでございます。外に逃げたねずみ小僧を店の者たちと一緒に追いました。さすがに奴も重たそうでございましたので、これは捕まえられると思ったのでございますが、..」
「が...?」
「突如ねずみ小僧と同じ格好をしたものが二人現れまして、盗んだ金を分けて持ち、別々の方向へ逃げていったのでございます。我々も驚いたのですが、とにかくそのうちの一人を追ったのですが、またねずみ小僧と同じ格好をしたものが二人現れまして、またまた金を分けて、それぞれが別の方向へ逃げていくではありませんか。もう私らは狐に摘まれたような気分で、結局は逃げられてしまったのでございます。」
ハチ「つまり、ねずみに仲間がいたって事でげしょ?」
「ハチ、おまえは黙ってろ!鷺池屋さん、一つ納得がいかねえ。もし本当にねずみの仕業だとしたら、そこいらの長屋中に金がばらまかれているはずだ。それが今回は、無え!」
「親分さん。それは買いかぶりというものでございまし。義賊と言っても、盗人には違いありません。しかも今回盗まれた金は、日本全国からの募金の金、いわば善意の金でございます。それを盗むとは、ねずみ小僧は盗人の風上にも置けないやつではありませんか。」
ハチ「親分、今回の件は浜邑の親分もねずみを目撃してるんでやすよ。奉行所だって、ねずみの仕業に間違いないとふんでいるらしいすよ。いくら好敵手だからと言って私情は禁物でやす。」
「まあ、親分さんの気持ちは痛いほどわかりますが、ここはひとつ公平なお調べをお願いしますですよ。」