ボタン戦争で平和? 戦争わゲームにしゃいかんよ



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投稿者: イース @ PPP04056.win.or.jp on 97/5/10 17:20:57

栗本薫の「ゲルニカ1984」という小説がある。 この本、戦争恐怖神経症のサラリーマンを描いた話であり、「生き物の記録」に近いものがある。 そこにフリーライターか何かの軍事マニア(オタク)が登場する。彼は軍服に身を固め、スキンヘッドの若者の愛好家とともに隊列をしき街を闊歩している。 彼はナチズムや軍国日本を賛美し、その外観だけにあこがれているのだ。彼は主人公にいう。
「いやぁ カッコイイなぁ。こういう軍靴・制服には人を引き付ける魅力がありますよ。ボクなんか純粋に様式にあこがれているだけで、過去の歴史や思想やらにはまったく興味ないんです。時々、右翼と間違えられるのが困りモンですけどね、アハハハ。」
主人公は この異様な格好のfatmanに鼻持ちならず、実際に戦争があったら戦う気積りでいるのか、平和を享受している現在についてどう思うか訊く。するとこう答える、
「だから私達は何もそんな動機はないんです。ただカッコイイものに憧れているだけで。 この軟弱な社会にあって こういった男らしいものに惹かれるんですよ。 戦争なんてアメリカが守ってくれるんでしょ。そしたら 横田にC―4やF22スーパースターが来るのかなぁ。すごいなぁ、かっこいいなぁ…。」
彼は正面的な議論を嫌う、そして「趣味」という言葉を連呼して判断力をいつまでも棚上げにしている。 小説の後半、狂った主人公はこう喝破する。
「 いいかげんにしろ! そんなに戦争が好きなら教えてやる、いいか戦争は人殺しなんだ。」
そして彼のいつも所持しているアーミーナイフを奪うと彼を傷つける。
「 うわあああ! 痛いよう、痛いよう! こいつがボクを刺したんだ! ああ 血だああ! 死にたくないよう!!」
彼は血に驚き泣き叫ぶ。

私はこの本は好きではなかったのですが、オタクの幼児性を見事に書いたのだけは覚えています。無自覚なおたくどもは危険な幼児大人に過ぎません。