ユーロロック紹介(英国編)part2: King Crimson

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投稿者: 虚無僧三郎太 @ tproxy.tky.threewebnet.or.jp on 97/6/21 00:43:35

ユーロロック紹介(英国編)part2: King Crimson
俗に言うプログレ5大バンドの中でも、King Crimsonは別格である。他のバンドは、数枚の実験的作品を経て試行錯誤の後にプログレと呼ばれる境地に到達したのに比べ、King Crimsonは1stアルバムからプログレそのものであったのだ。

「In the court of the Crimson King」
 過去を遡ればプログレらしき音楽性をもった曲は既にいくつか登場していることわかる。例えばThe BeatlesにもThe Rolling Stonesにもプログレを思わせる曲はあった。でもそれが何なのかは解らなかった。しかしこの「In the court of the Crimson King」の出現で、はじめて「ああそうか、あれはプログレの原型だったのか」と皆悟ったのである。それくらいの記念碑的作品なのだ。
当時のメンバーは、R.フリップ、I.マクドナルド、G.レイク、M.ジャイルズ、に加え詩人のP.シンフィールドの5人。本作品は英国Hit ChartでもNo.1に輝き、商業的にも成功をおさめる。しかし、グループとしては既に分裂の危機を迎えていた。

「In the wake of Poseidon」
 R.フリップは、オーデションを行い、M.コリンズ、G.ハスケル、A.マックロックをグループに迎え、前作を継承発展させた本作品を発表する。しかし、この後I.マクドナルド、G.レイク、M.ジャイルズの3人は脱退し、第1期King Crimsonは終結する。なお、余談だが当オーデションには、あのエルトン・ジョンも受けているそうだが、当然のことながらR.フリップが合格させるはずはなかった。

「Lizard」
 前衛ジャズピアニスト・K.ティペットを加えた本作品では、演奏も個人技重視になり、グループのアンサンブルは影が薄くなっている。YesのJ.アンダーソンがゲスト出演しているのがウリか?

「Islands」
 B.バレル、I.ウォーレスの加入により、前作にも増してジャズへの傾倒が伺える。第1期のころとは様変わりしているが、傑作の呼び声が高い作品。

「Earthbound」
 1972年のアメリカツアーのライブ版。やたらとM.コリンズのサックスが目立つ。21世紀の精神異常者も収録してある貴重なアルバム。

「Lark's tongues in Aspic」
 第3期King Crimsonは、元yesのB.ブラッフォードを加えてスタートした。当時の状況によると、yesの方が格が上だったようで、皆この移籍には驚いたという。しかし、他にもJ.ウェットンやD.クロス、J.ミュアーも参加しており、この時期が黄金期だったという人も少なくない。邦題は何故か「太陽と戦慄」

「Starless and bible black」
 大半がライブ録音の本作は、残念ながら前作ほどのレベルを保つことはできなかったようだ。まさに「暗黒の世界」か(^^。

「Red」
 解散発表翌日にリリースされた、King Crimsonのラストアルバム。既にメンバーは3人になってしまっているが、最後の輝きを見せたといえるほどの力作。このあと1981年に新生King Crimsonが結成されているが、プログレの申し子たるKing Crimsonは、ここで幕を閉じる。

 次回は、英国編part3、EL&P。


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