どうもRAYです。
すいませんでしたね。偉そうにうんちくだけたれてしまって。

さて、今回もそう言った話。（笑）
「パースペクティブ」「アナザーゲーム」を理解するための情報です。
P-MODELずきさんは 「パブリック・イメージ・リミテッド」というイギリスのバン
ドをご存知でしょうか？
実は前回の書き込みにもある「PIL」の事なんですが、前出のアルバムをリリースし
ていた頃の平沢は、このバンドの音に多大な影響を受けていると私は分析していま
す。
この「PIL」というバンドとその初期作品群は各方面にも影響を与えており、ニュー
ウェーブロックと言う新しい流れを作りました。（後にオルタネイティブと言われ
るジャンルに変化する）どうやら平沢もこの流れに巻き込まれた人間の一人のよう
です。
「PIL」は1979年に結成されたバンドですがリーダーはなんとあのジョン・ライド
ンなんです。SEX・PISTOLSのボーカルをしていた彼です。
ジョン・ライドンはPISTOLS時代に一躍人気者へと上り詰めましたが、急速に形だ
けになっていくパンクムーブメントに絶望し、PISTOLSを電撃的に解散する事にな
ります。その後、復活した彼は「PIL」を結成しましたが、それは多くのPISTOLS
ファンの予想を裏切り、パンクとは正反対のわかりにくいロック世界を展開してい
きました。
この時、ジョンライドンの音に込められていたのは、「ブームへの呪い」のような
物でした。「ホントに音楽を聴いてんだかなんだかわかんねえ様な連中が、飛んだ
りはねたりしてるようなギグはもう沢山だ！」彼は、意識的にブームを避け、意識
的にわかりにくい音楽を作っていました。それは彼の言動にもはっきり現れてお
り、本人もその通りコメントしていました。「ロックはもう死んだ」と。

実は平沢もこの頃のジョンライドンと多分シンクロする部分が多かったのでは無い
でしょうか？私はそう推測しています。元々パンクスタイルが好きだった平沢は、
そのPISTOLSの行く末にも影響を受けていたのです。

YMO以降テクノが大ブームになり、P-MODELの音楽も現在のヴィジュアル系と同じよ
うにもてはやされ、ライブに詰め掛けた女性ファンも声を嗄らしていました。
しかし、一般大衆とは飽きっぽいもので、わずか数年のうちにテクノと言うスタイ
ルその物が時代遅れへとなっていったのです。その状況ではもう良かろうが悪かろ
うが、テクノと言うだけで理解されませんでした。ブームの中で脚光を浴びたの
も、それが終わった後で無視されたのも音楽性とはまるで関係無かったのです。
ブ−ム前後に精神的疲弊を味わった平沢は「パースペクティブ」と「アナザーゲー
ム」この二枚のアルバムでは意識的にリスナーと距離を取ろうとしているように聞
こえます。ついてくる奴だけ付いてくれば言い。そういいたげな平沢がいるように
私には感じられるのです。
これは、当時を知る者で無いとわからない事かもしれませんが、実はコアなファン
はみんな感じていた事でした。

ブームに対する疲労と落胆そしてスタイルに関する迷い、「スキューバ」はそんな
ものから脱出して自分のスタイルを確立した記念碑的な作品なんです。
どうです？欲しくなってきたでしょう。（笑）

言い忘れましたが参考までに、PILのアルバム「PUBLIC IMAGE]は「ポプリ」に
「METAL BOX」はパースペクティブにそっくりです。（曲は似てないがスタイルがそっくり）興味があったら聞いてみるとよいでしょう。