帝撃昔話:紅蘭姫奇譚(お話系長文)



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投稿者: えんかいくん零式 @ pppba5a.pppp.ap.so-net.or.jp on 98/3/04 08:46:39

むかしむかし、テイゲキ国という国に『紅蘭』という名前のお姫様がおりました。

紅蘭姫は妙な関西弁をしゃべり、皿回しが得意なオチャメなお姫様でありました。

ある日、紅蘭姫がお城の地下室で実験をしておりますと、突然、妙な和服姿の
魔法使いが現れたのです。

魔法使い「おほほほほ。ま〜た役に立たない発明をしているのですわね」

紅蘭姫 「なんや、突然に現れて『役に立たない』は、大きなお世話や!」

魔法使い「まったく、もお。発明とか実験とか称して国家予算の2/3を使っている
     とは許せませんわ。神崎財閥の納めた税金をそんな無駄にしている方は、
     こうして差し上げますわ!」


きらりらぽ〜〜ん☆彡  ← 魔法をかける音


紅蘭姫 「うわああ。何するんや!」

魔法使い「おほほほほ。あなたに魔法をかけましたわ。これは、あなたがさわった、
     ありとあらゆるものが爆弾になってしまう魔法ですの。
     お〜〜〜ほほほほ」

紅蘭姫 「なんちゅうことをするんや!」

と、怒った紅蘭姫が、持っていたモンキースパナを振り上げた瞬間 ──


  ちゅど〜ん!!


なんと、手に持ったスパナが大爆発を起こしてしまったのでした。

紅蘭姫 「・・・んなアホな・・・」


以来、紅蘭姫が手にしたあらゆる物が爆発してしまうようになったのです。
メイドを相手に花札をすれば菅原道真が大爆発。
皿回しを練習しようとするとお皿が大爆発。
メイド達の大事にしていた拳銃や日本刀やぬいぐるみまで爆発させたせいで、
お城にはメイドが一人もいなくなってしまったのです。

紅蘭姫 「はあ、これから、うちどないしたらええんやろ・・・」

落ち込んだ紅蘭姫が、ふと、お城の壁に手をつくと、


  ごごごごごぉ


唐突に大きな音がして、壁から巨大なボタンが生えてきました。

紅蘭姫 「なんや?このボタンは・・・!?」

紅蘭姫はボタンやスイッチを見ると、ついつい押してみたくなる性格でしたので・・・


ポチッ!


ちゅどどどど〜〜ん!!


ボタンを押すと同時にテイゲキ城は大爆発を起こし、木っ端微塵に砕け散ったのでありま
した。

紅蘭姫 「げぇぇぇぇぇっほげほぉ、げぇぇぇっほげほげほ
      き、起爆スイッチやないか!!」

お城が無くなって呆然としている紅蘭姫。
と、そこに通りかかるのは愛馬・コウブにまたがった、さすらいの騎士『大神君』。

一目見て、チャイナドレスのスリットから覗く太股が気に入った・・・もとい

紅蘭姫が気に入った大神君は、唐突に優しい言葉を掛けるのでありました。

大神  「紅蘭姫、チョットお城が爆発したぐらいで落ち込んではいけません。
      姫にはこの私がついているではないですか」

紅蘭姫 「ああ、大神はん!」

ヒシと抱き合う二人。
嗚呼、何と美しい愛なのでありましょうか。

紅蘭姫 「大神はん、これからは、うちと一緒に・・・・あっ!

何と!

紅蘭姫が見つめる大神君の頭の上から、何かがニョキニョキ生えてくるではないですか。

紅蘭姫 「(あれは・・・導火線やな・・・・・)」

すぐに気がついた紅蘭姫でしたが、大神君が気付いていないようなので、取りあえず
黙っておくことにしました。

紅蘭姫はやさしいお姫様なのです。

かくして愛に結ばれた二人は、末永く幸せに暮らし・・・たかどうかは謎なのでした。


めでたしめでたし。