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投稿者:
みお @ max2-ppp44.kasai.sannet.ne.jp on 98/3/02 23:13:46
In Reply to: 小説「いつか見た夢」2(長文)
posted by みお @ max2-ppp44.kasai.sannet.ne.jp on 98/3/02 23:07:09
大神はしばらく、あっけにとられて黙っていたが。
(価値ある平和、ね…………)
賑やかな目の前の状況を見て、何となく落ち着いた気分になっていた。
(隊長、大丈夫みたいね……)
マリアがそのとき見たのは、いつも通りの大神の顔だった。
一方、サロンの陰では………
「大丈夫みたいですよ、大神さん」
「ほんと。心配してたのに」
「心配するまでもなかったかしら」
帝劇三人娘がこんな会話をしていた。
由里が提案する。
「せっかくだから私達もよばれちゃいましょうよ!」
「そうね。今日は休演日だし…」
かすみがうなずいた。そして
「じゃあさっそく……」
椿が真っ先に飛び出して行った。
「みなさん、楽しそうですね!私達もいれて下さいよ!」
「あ、みんな!ええで、入り入り!」
こうしてサロンには十人が集まり、さらに賑やかになった。それぞれが思い思いの会話をしている。
そして……………
「大神さん、さっきはマリアさんと楽しそうでしたね」
由里の口調はいつも的をついている。
「な、何でもないよ。あれは成りゆきで…」
「……どうだか。結構いい雰囲気だったじゃないですか!」
「本当ですか?」
二人の間にさくらが割って入る。
「本当本当!」
由里がわざと真剣そうな顔をしてみせた。ご当人は冷や汗ものだ。
「ち、ちがうよさくらくん、全然そんなことは……」
周りは爆笑の渦。
その中心には、照れ笑いする大神の姿があった。
帝劇に、二度目の春がやって来た………………
(おわり)
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