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投稿者:
Rudolf @ 202.250.120.56 on 98/2/25 07:12:26
In Reply to: マトモ仮想外伝7,雪の下に蠢く闇 その3
posted by Rudolf @ 202.250.120.56 on 98/2/25 07:11:31
「う、ううん。」
「気がついただか、奥様。さくらお嬢様が気付かれました。」
そこは屋敷のさくらの部屋だった、百花繚乱の爆発に疑問を持った権太郎が様子を見に来てここまで運んでくれたそうだ、既に傷の手当ても済んでいた。
「もう傷も大丈夫ですよ。権爺がちゃんと治療してくれたから。」
「そう、ありがとう。権爺。」
「いや、照れますなぁ、で、何があったんですか、お嬢様。」
さくらは何も答えたくなかった。答えてどうなるものでもなし、かえってみんなを不安がらせる結果となろうから。
「さのらさんが答えたくないというのならそれで結構です。ですが、為すべき事ができたのでしょう。」
「はい、傷が治り次第、帝都に戻ります。」
何も言わなくても若葉にはわかっていた、いや、桂にも、権太郎にもわかっているに違いない、さくらはそう確信した。だからこそ、もう何も言わずに、出来る限り早く帝都に戻り、帝撃に帰る必要があった。
「お父様、新たなる驚異が迫っているのですね、言いしれぬ驚異が。さくらは再び参ります。帝都、東京へ。」
数日後、傷が八割方癒えたさくらは仙台を出発、帝都へと発っていった。帝都に彼女を、彼女たち帝撃を待つ運命とは?そして新たなる驚異の正体とは。その正体が明らかになるまでは、更に一年の時を要した。これが破邪の血統の宿命なのか、そして裏御三家の人間に関わる人々に与えられた試練なのか、それは神にすらも分からない。
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