大団円・・・?



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投稿者: かとおおお @ 202.228.225.66 on 98/2/24 19:34:35

In Reply to: 帝劇前の新喜劇、の巻

posted by かとおおお @ 202.228.225.66 on 98/2/24 19:30:37

同日、夜。無一文ビルの一室、「大神このやろしねしね軍団」アジトにて。
新米霊子甲冑のかとおおおだけがひとり留守番をしている。

「みんな遅いな〜。霊子甲冑一体探すだけなのにいつまでかかってるんだ。ぶつぶつ…」

「よっこいしょと。やれやれやっと見つけたわい。誰かいますかの?」
「ん? 誰か来たようだぞ……。
 はーい、どなたですかー?」
「ほいほい、わしは通りすがりのものじゃが、妙なものを拾っての。返しに来たんじゃ。
 ほら、これじゃよ」
「ああっ、その機体は……霊子甲冑・操!?」
「そういう名じゃったかの。では、確かにお返ししましたぞ」
「あっ、ちょっと待ってください。あなた、いったいこれをどこで…?」
「わしが帝劇の近くを通りかかったら、道端に転がっていたんじゃよ。エネルギーが切れたんじゃな。ほっとくこともできんから、研究所に持って帰ってちゃんと動くようにはしておいたぞい。もっとも、今起動スイッチは切ってあるがの。
 その時、メモリーを調べていたら、ここの住所が出てきたというわけじゃ」
「あ、あなたはいったい……?」
「わしか? わしは編隊飛行というつまらん者じゃ」
「えっ、あなたがかの有名な(マッド)サイエンティストの編隊飛行博士ですか!?
たしか霊子甲冑改造の第一人者。お会いできて光栄です!」
「ふふ、こそばゆいのう。わしはただの老いぼれじゃよ。では、これで……」
「あっ、お待ちください。せっかくここまで運んでくださったのに、お礼もせずに帰すわけには…。今、一席設けますのでしばしお待ちを」
「いやいや、礼には及びませぬて。ただの年寄りの気まぐれじゃ」
「それはご謙遜。ささ、どうぞこちらへ。何もありませんが、酒なら豊富にありますよ」「何、酒とな!? ふ、これは帰るわけにはいきませんのう」
「お、博士、いけるクチですか? うれしいですなあ。今日はじゃんじゃんいきましょう。あ、そうだ。無一文元帥秘蔵の、銘酒『うぉーロックン』も出しちゃおっと」
「なんと、あの幻の銘酒がありますか! これは楽しみじゃ!」
「よーし、そうと決まれば今夜は大宴会だ!」

「わーい、宴会だ宴会だ!」
と、走り込んで来たのは、霊子甲冑とはちょっと違う妙な機体である。
「? なんだお前は」
「何、私を知らないのか。私は帝都の誇る戦略宴会兵器プロトタイプ(笑)『えんかいくん零式』だ! 帝都の宴会はすべて私が仕切る。それ、どんちゃんどんちゃん!」
「おお、なんだか知らぬがにぎやかでよいぞ! どんちゃんどんちゃん!」
「あ、それ、どんちゃんどんちゃん!」

宴会は、果てしなく続くように見えたが……。
「こらああーーっ! そこで何をしているーっ!!」

「やばいっ。管理人のdenさんだ! 逃げろっ!!」
あわてて逃げ出す、かとおおお達。

「まったく、このごろ変な甲冑どもが勝手に空き部屋を使うので困るよ。いくら、追い払ってもまた戻って来るし……。
 何だ、この床に転がってる薄汚い甲冑は? じゃまだな………。ん? こんな所に起動スイッチらしきものがあるぞ」

あっ! denさん、それに触っちゃいけないっ!!

「ちょっと入れてみるか。(パチッ)」

ああっ! だめだ〜っ!!

「うぃ〜〜〜ん。し、し、し、し、し」
「な、なんだあ?」
「しゅしゅしゅしゅ、すーみーれーさーまーーっ!」
「わわっ、甲冑が……!」
「すみれさまーーーっ!! 今行くでしゅよー−−−っ!!」


かくして、また狂乱の日々が始まるのだった……。


(完)