間に合わなかった【正月大戦】〜長文



[ このメッセージへの返事 ] [ 返事を書く ] [ home.html ]



投稿者: 編隊飛行 @ ppp040.vit.or.jp on 98/2/01 00:32:07

In Reply to: もしかしたら、このページは・・・・。

posted by 編隊飛行 @ ppp037.vit.or.jp on 98/1/30 07:04:58

         【正月大戦】〜日記



「大神さん。これ・・・・。」

「これは?」

「日記帳です。交換日記を始めましょう♪」

「交換日記?俺、日記なんて付けたこともないよ。」

「一年の計は元旦にあり。今年から日記を付けて下さい!!」

「は、はぁ・・・。」

「交換日記・・・。恋する乙女のラブラブアイテム!!これで私と大神さんとは
 恋人になれるんだわ・・・・。キャッ☆恥ずかしい・・・。」

(一体全体、なんで今更交換日記なんだ?)

「それじゃ、大神さん、昨日の分は私が書いてますから、今日の分の日記を書い
 て明日の朝、私に下さいね♪」

「あっ!さくら君・・・・・。行っちゃった・・・。まいったなぁ・・・。」

 大神の机の上には、既に5冊の日記帳が載っていた。ぱらぱらとめくってみる
が、当然、どの日記帳も1ページ目しか記入されていない。

(ふぅ、アイリスは絵日記、紅蘭のはまるで機械の開発日誌だな。カンナのはと
 ・・・腕立て伏せの回数とベンチプレスの最高重量?これじゃトレーニングの
 記録帳だ。マリアのは・・・平時における花組の戦力分析?これじゃ軍隊の作
 戦日誌だ。でも、最後にお料理レシピが書いてあるのがマリアらしいかな・・
 ・え〜と、『戦場でも作れる簡単雑炊』?????。はぁ・・・。)

 それぞれの日記帳に目を通す大神。

(すみれ君のは・・・ショッピングの記録かな?。まぁ、一番女の子らしい日記
 かな?でも、ドレスやアクセサリーをこんなに買っちゃって・・。さくら君の
 は・・・。『朝、いつものように柱の影から見つめる私。あっ!すみれさんと
 仲良く話してる!すぐに背後からつねり攻撃!!私の大神さんを人に渡してた
 まるものか!・・・・』て、なんだこれ?全編、俺を見張ってる追跡日記じゃ
 ないか?)

 どうも、ろくな日記はないようである。さすがは花組のメンバー。、普通では
ないようだ。

(それに、由里さんから預かった『会計業務報告書』。これも毎日チェックして。
 かすみさんには『見回り日誌』か。・・・・。椿ちゃんの『売り上げ計算書』も
 あったんだっけ・・・。でも、何故かみんな私信欄が付いてて、そっちの方が
 欄が大きいんだよなぁ。まるで交換日記だよ・・・。)

 都合9冊の日記を前に、大神は途方に暮れていた。

(さっさと返事を書かなくちゃ、夜が明けちゃうよ。)

 こうして、花組+3人娘と大神との交換日記は始まった。





 それから1週間後。

「うぅ〜。もう朝かぁ。日記書くためにまた徹夜だったよ〜。」

「おはようございます。大神さん。どうしたんですか?目の下に隈なんて作っち
 ゃって・・・。それに、顔色もよくないですよ。」

「あっ、さくら君。大丈夫だよ。はい、日記。」

「ありがとうございます!さ、部屋に帰って早く読まなくちゃ♪」

 小躍りするようにスキップを踏みながら帰っていくさくら。

「さって、みんなに日記を配ったら宿直室ででも寝ておこうかな。もう1週間ほ
 とんど寝てないし・・・。」

 全員に日記を配り終わると、大神は宿直室に倒れ込んだ。平和な夢の中へと落
ちて行く大神。しかし、彼の幸せもそこまでだった。

「大神さん!!起きて下さい!!」

「んん・・・?あっ!さくら君・・・どうしたんだい?」

 目に涙を溜めたさくらが大神を揺り起こしていた。

「大神さん・・・。本当はすみれさんが好きだったんですね・・・。大神さんの
 バカ!!」


  〜ばちっ!!〜 平手打ちの音。


 そして、大神向かって投げつけられる日記帳。部屋を飛び出すさくら。

(なんだ?)

 訳の判らない大神は、日記帳の中身を見てみる。

(げっ!すみれ君に書いたはずの日記がここに・・・。)

 そこには、『僕が一番愛しているのはすみれ君さ・・・』と書いてある。さくら
への日記には、『一番愛してるのはさくら君』だと書いてあるはずだ。当然、全員
の日記にも同じように書いてある・・・。

「待ってくれ!さくら君!!」

 慌てて廊下へと飛び出す大神。

「隊長〜!!何やってるんだ?」

「大神はん。全員に『愛してる』って言ってたんかいな?」

「お兄ちゃん・・・。アイリスだけを好きだと思ってたのに・・・。」

「少尉。よくも乙女の純情を踏みにじってくださいましたわね?」

「隊長。見損ないました。あなたはやっぱり隊長失格です!!」

 花組の面々が、全員怒った形相で大神を取り囲む。三人娘も後ろに控えていた。

「ま、待ってくれ〜!!これは事故だ。寝不足で、返事を書く相手を間違えただ
 けだ〜!!。」

「問答無用!!全員を好きだなんて、この優柔不断男!!成敗!!」

 いつの間にか、荒鷹を抜きはなったさくらが・・・・。

「ぎゃ〜〜〜!!!」

 そして、大神の悲鳴。


====================================

マリアの日記より抜粋

1月○日 天気は晴れ。

 しかし、帝劇には、『血の雨』が降った・・・・・・・・。