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かとおおお @ 202.228.225.73 on 98/1/30 22:28:55
In Reply to: 1、を選んだ方へ
posted by かとおおお @ 202.228.225.73 on 98/1/30 22:17:34
「うっ……うっうっ……」
「………………(くそっ、俺はどうすればいいんだ?)」
「な〜んちゃって♪」
「? あやめさん?」
「うふふ。大神くん、見事にひっかかったわね」
「いいっ!? すると、今の話は全部でたらめだったんですか!?」
「あたりまえよ。このわたしが3人の子持ちのはずないじゃない」
「それもそうですね…」
「このぐらいの演技が見抜けないなんて、大神くんもまだまだね」
「はあ、面目ないです」
「そうやって、すぐ反省できるのがあなたのいいところね。
今年も頼むわよ。花組の隊長さん!」
「は、はい! あやめさん!」
「あ! あそこに屋台が並んでますよ。行ってみましょう」
「いいわよ」
「どや、兄ちゃんたちもやってみんか?」
「射的? 俺、これ得意なんですよ! あやめさん、やってもいいですか?」
「もちろんよ。がんばって、大神くん」
パンパン! パン!
「ふう。百発中九十二発命中か。まあまあだな…」
「すごいわ〜、大神くん」
「あやめさんもどうですか? ストレス解消になりますよ」
「わたし? そうね、やってみようかしら」
パン! パンパン!
「ひゃ、百発百中!?」
「ま、こんなもんね」
「ねえちゃん、いい腕してるね。ハイ、これが景品だよ。彼氏にプレゼントしてやんな」
「大神くん、受け取ってもらえるかしら」
「は、はい。ありがとうございます。
……でも、あやめさん。どこでそんな腕を……?」
「うふふ。な・い・しょ・よ。
あら、もうこんな時間? 帰らなきゃ」
鳥居の上ではまだ又丹が演説をしていた。
「我こそがこの世界の支配者。破滅と混乱をもたらすものなり……。今こそわが時は来れり! フフフフ……ハハハハハハッ!」
「又丹のヤツ、なんだか哀れですね。ほんとに入院した方がいいんじゃないかな。
ね、あやめさん」
「……………………」
「あやめさん? ……どうかしたんですか?」
「え? あ、なんでもないのよ。行きましょ、大神くん」
「あ、待って下さいよ。あやめさ〜ん……」
その時大神はあやめの目に光るものを見たような気がした。
(あやめさん、さっきの話は本当に嘘なんですか……)
そうは思ったものの、なぜか口に出してはいけないことのような気がして、黙ってあやめの後を追いかける大神であった……。
(完)
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