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Rudolf @ 202.250.120.59 on 98/1/29 19:54:14
In Reply to: もう一ついい?仮想外伝「三騎士の黄昏」2.
posted by Rudolf @ 202.250.120.59 on 98/1/29 19:52:47
「こいこい」 「来るぞ来るぞ」 「おいでおいで」
一人が上がれば別の一人が上がる、次はもう一人が上がってしまう。三人は実力伯仲、長期戦の様相を呈してきた。
「こいつで決めてやるぜ。とうだ、四光。」
ついに均衡を破った猪の熱血一撃。勝負これでありか、と思われた途端、予期し得ぬ事態が発生した。
「甘いな。それ、猪鹿蝶。」
ここで降魔特別ルールを説明しよう。
花札ルール第18項(降魔版、制定:西暦1582年)
花札にて、猪鹿蝶を集めた者、それすなわち勝者也。
「ぐわー、またか鹿。お前、しれっと上がりおって。もう少し喜んで上がれ。」
「そうじゃ、だいたい貴様、何回そのルールで上がっておる。キー、悔しい。」
今にも火にまみれた稲妻が降り注ぐやもしれん、ただならぬ雰囲気。ところが蝶が猪の手札を見たところ、
「おや、猪。お前、蝶の札を持っているぞ。」
「…………(まずいな);」
「おお、本当だ。ということは、鹿、てめえ、よその札隠し持ってやがったな。」
「だぁから貴様ぁ、ざけんじゃないわよ。」
「未熟未熟ぅ、この数百年間一度たりと気付かぬ貴様らが阿呆なのだ。」
「うおのれ、いつの間にか師匠じみおって、ならばこいつでとどめだ、爆炎・萩裂砲陣!」
「こいつで決めてやる、雷舞・雷死牡丹!」
「甘いわ、氷魔・紅葉落とし!」
こうやって自らの技に磨きをかけて日々鍛錬に勤しんでいたのかどうか、三人の技が中央で炸裂。激しい振動と騒音を伴う。
「ええーい、黙れ。」
叉丹が出てきて事態収拾。
「卿ら、余の身辺を騒がせるとは何事か、ネビュラチェーンをもってヴァルハラに立とうというのか。」
どうやら叉丹はカイザーだけにふかれているようではないらしい。
「はは、申し訳ありません。」
「分かっているなら今少し黙れ、余は暫く瞑想に入る。」
「…ふん!」
叉丹が行った途端こうである。後日、単体で帝撃の前に現れたのにはこういう事情があった、のかもしれない。
翌日の帝都日報にはこうあった。
帝都に激震、震度五弱(!)の地震を記録。震源地付近の住民談:突然ドーン、という音がしたかと思ったら激しい揺れを感じて…。

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