ザ・黒之巣会「ミロクの困惑」



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投稿者: かとおおお @ 202.228.225.73 on 98/1/14 16:10:42

In Reply to: ザ・黒之巣会「羅刹の歓喜」

posted by かとおおお @ 202.228.225.73 on 98/1/14 16:07:28

帝都・日本橋。黒之巣会地下本部

「ふぇ〜っふぇっふぇっふぇ。アイリスちゃわわ〜ん!」
「ああ、マリア……君のためなら死ねる」
「うがーっ! すみれさまああああっ!」

「ふう」紅のミロクは深いため息をついた。
「どうして男ってのはこんなにバカなんだろうね。なにが『アイリスちゃわわ〜ん』だよ! 恥ずかしいったらありゃしない。刹那も羅刹もこんなんじゃ、黒之巣会ももうおしまいだね!」
と言い捨てるとミロクは外へ出て行った。

「なにさ、ここにこんなにいい女がいるのにみんな無視しちゃってさ。なにが帝劇だよ。なにが花組だよ。そんなによけりゃ、その『大帝国劇場』とやらに就職しちまえばいいのさ」
ミロクがぶつぶつ言いながら歩いていると、いつのまにか銀座・大帝国劇場の前にさしかかった。
「な、なんだい。この人だかりは?」

「さー、いらはい、いらはい。安いでー!」
「今日は、帝劇・花組のチャリティ即売会。いつも私たちが大事にしてる物を特別にお売りしまーす」
「でもジャンポールは売らないよー」
「今日の売り上げは、帝都日報を通じて恵まれない方たちに寄付させていただきます。皆さん、ご協力下さい」
「オラオラオラオラ! 買わねえと承知しねえぞ!」
「おーほほほほほ。このわたくしの持ち物を買えるんですから、こんなにラッキーなことは二度とありませんわよ」

「ははあ、あれがウワサの花組だね。あっちがマリアで、こっちがすみれ。それにあの小さいのがアイリスか。ふん、アタイよりちっとばかし若いだけじゃないのさ!
 後は、メガネのおさげとハカマ姿の奴と……うわっ、なんだいあのデカいのは? あ、あれでも女なのかい」

「おーし、次はあたいの番だな。
 あたいがいつも使っているこの空手着。これを着れば強くなることうけあいだぜ!
 今日は特別に練習用の瓦も10枚つけるぜ」
「(しかし、いい体してるねえ…。力も強そうだし……ああ、こんな腕で抱きしめられたら……)」
「お、そこのねえちゃん! じっと見てるようだけどこの空手着が欲しいのかい?」
「えっ!? ア、アタイかい?」
「お、ちょっとこっち来なよ。着せてやるからよ。
 ふ〜ん、なかなか似合うじゃねえか。ちょっと大きめだけどな。でも、アンタ女だから自分で詰められるよな、ってオレも女だけど全然できねえんだよな。はっはっはーっ!
 で、どうだいコレ。買ってかねえか?」
「そ、そうだね。こういうのが一枚あってもいいかもね……」
「よーし、売ったぜ! ありがとよ。もし、空手を習いたくなったらいつでも来てくれ。手取り足取り教えてやるぜ」
「(ポッ、モジモジ…………)」赤くなってうつむくミロク……。


再び、黒之巣会地下本部。

「ふぇ〜っふぇっふぇっふぇ。アイリスちゃわわ〜ん!」
「ああ、マリア……君のためなら死ねる」
「うがーっ! すみれさまあああっ!」
「ああ、カンナァ……アタイをどうにかしておくれよォ……」


もうダメなのか黒之巣会!?