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投稿者:
じぇねらる  @ proxy.kcn.or.jp on 97/12/24 01:19:03
In Reply to: 師走大戦「聖夜の花束・前編」  
 posted by じぇねらる  @ proxy.kcn.or.jp on 97/12/24 00:56:03
大神「なに、さわいでんの?」 
 
すみれ「あら、少尉。」 
 
大神「あ、すみれ君。丁度良かった。帰りかけののお客様から花束を与ってね。あいかわらず、人気者だね。」 
 
すみれ「当然ですわ・・・あら?」 
 
花束にそえられたクリスマスカード。それを見た瞬間、すみれの表情が変わった。傷ついた少女のような、今にも泣きだしそうな、はかなげな表情に・・・ 
 
大神「どうしたんだい?」 
 
すみれ「これを・・・下さった方は・・・」 
 
大神「え?まだ若いご婦人だったよ。ご主人らしい優しそうな紳士とご一緒でね。先ほど帰られたよ。」 
 
すみれ「そう・・・ですか・・・」 
 
すみれはそのまま窓際まで歩いて行くと、そのままふりむかない。その肩はわずかにふるえ、泣いているようにもみえ、大神もさくらも、なんとなく動けなかった。 
ふいにアイリスがすみれのそばによる。 
 
アイリス「あれ?すみれ、泣いてるの?」 
 
すみれ「いいえ・・・いいえ・・・」 
 
その声の震えに、大神とさくらが声をかけようとしたとき、すみれが普通の顔でふりかえった。 
 
すみれ「アイリス。」 
 
アイリス「なーに?」 
 
すみれ「日本にも、サンタさんはいらっしゃるようですわ。」 
 
アイリス「本当?!」 
 
すみれは一呼吸おいて、めったに見せない極上の笑みを浮かべた。 
 
すみれ「ええ!」 
 
アイリス「わーい!」 
 
喜び、大神とさくらに飛びつくアイリス。 
すみれは視線を再び外へとむけ、カードをそっとふところにしまう。 
心の中で、つぶやきながら・・・ 
 
すみれ「来て下さったのですね。雪子さま・・・」 
 
 
 
  
 
 
  
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