ハロウィン大戦・米田編/前編(長文)



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投稿者: VR @ 202.237.42.71 on 97/11/15 12:55:35

 何でタイトル見ただけで笑うんですか(笑)

まあ、私が書いてるからかな……。今回はお題はなしです。

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 「……米田中将。」

 気付けば,男は帝劇の玄関に立っていた。

 帝都を濶歩するにそぐわない,折り目のついた軍緑色を身にまとった
その男は,売店のポスターなどを眺めているその「米田」なる人物に
声を掛ける。

 言葉に振り向いた男の第一声は,

 「……おう,軍人さんが劇場に何の用件だい?」

 そう,米田に声を掛けたその男は,陸軍の軍使であった。

 「……どういう事か,説明してもらいおうか!」

 男は憤慨の念もあらわに,米田に食ってかかった。

 大帝国劇場は,何の祭かと思わせる飾り付けが施され,
意気揚々と跳ね上がる書体で目を引く垂れ幕,さしずめ
異国の様相を呈していた。どういう事か,と男が問うのは,
その様相を嫌と言うほど目にしたうえで,仮にも軍事施設で
何をやっているのか,と息巻いているのである。

 また来やがった……米田の表情は語る。こういった偏屈が
帝劇を訪れるのは,何も一度や二度ではない。そして,交わされる
会話も,その結果も,約束事の様に決まりきっているのであった。

 「お祭りだよ。ハロウィン……とかいう,外国の,祭だ。」

 米田はさらりと言ってのける。まるで,ここは軍事施設ではない
かの様な口ぶりだ。

 「祭,だと!貴様,今がどういう時期か分かっているのか!?」

 予想通りの言動が,荒い息を交えて返ってくる。

 「……何にでも,理由がなくっちゃあいけねえのかい?
 じゃあ,言ってやるよ。これは,軍事施設と悟られない為の
 
 偽装工作,カムフラージュってやつだ。」

 無論,男がそれで納得するはずもない。無言で米田を
睨みつけるも,米田はあくまで軽い口調で弁を続けた。

 「おーっと,別にいいんだぜ,ここが軍事施設だってことが
 公になっても。しかしよ,ただでさえ不透明な予算案で
 市民に疑惑を投げかけられてる昨今,帝都防衛の為とはいえ,
 膨大な予算で組織された戦闘部隊まで存在したとあっちゃあ
 ……軍の支持率も危うくなるんじゃねえか?」

 わざわざ相手を憤慨させるかの様な憎まれ口,しかも米田は
余裕の表情で男の言葉を待っている。いよいよ男の怒りは頂点に
達したか,息も荒く軍人言葉でまくしたてた。

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                      (続く)